愛のミュージシャン ささざきゆづる@関西支部 Presented

笹崎の歴史2

(ふまじめな前口上)

わーい、新コーナーだーい(最悪の書き出し・・・)。毎回一人の作曲家を取り上げて、作品と笹崎の出会いを綴っていく全200回を超えるであろう壮大なる企画。順番はいろいろ考えたんだけど、わかりやすくABC順で。さあ、第1回はいったい誰かと思ったら、Ahoさんでございます。いきなり知らん作曲家かい。早々に読者離れか?

(ちょっとまじめな前口上)

たぶんこのコーナーの読者の方はマンドリンの関係者が多いんだろうなあ、と思いながら前口上を書きます。最近に限らずマンドリン業界の傾向を見ると、なんだか自分の世界だけで完結してしまっている気がしてなりません。一つの文化の中にいると、ほかの文化に興味を持たなくなる。内輪の論理だけで完結していく。そういうことって、音楽に限らずありますよね(会社だって、政治だって・・・)。

新しいものに出会うのって、とてもすてきなことだと思うのです。僕自身がどこまで自分の文化に閉じ篭っているかなんてわからない。けれど、自分なりに新しい音楽とか音楽以外の新しいことにたくさん出会ってきて、そのたびに自分になかった新しい考え方や発想、価値観、文化、そういったものを感じてきたつもりです。

新しいものに出会って驚いたり、好きだったものが嫌いになったり、何でもないと思っていたことの中から重要なことを発見したり。このコーナーではそんな僕の音楽体験を作曲家別に(たまにBachの器楽曲とか細分化しますが)書いていきたいなあと思っています。

ささざきの実態
ささざきの歴史1
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◆笹崎の歴史2−1(99/10/18)◆

♪第1話

♪Aho Kalevi (カレヴィ・アホ 1949〜 フィンランド)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.該当なし
2.該当なし
3.該当なし
4.該当なし
5.該当なし

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

いきなり該当なしでスタート。いいのか?

大学時代、いつものようにFM雑誌でエアチェックをしていると、たいへんインパクトの強い活字が目に飛び込んできました。「アホ/チェロ協奏曲」。いや〜、すごい誤植ですな〜。何の間違いだろ。マホとかかしら。ところがところが、解説の声は実に冷静に「次はアホの・・・」とおっしゃったのでありました(文中の「・・・」は「サカタ」が入ることを意図しているのではない)。

ここで聴いたチェロ協奏曲。これが興味深い作品だったのですよ。なにしろ、冒頭がアコーディオンのソロで始まるのです。この瞬間、笹崎は「アホ・ファン」になりました。以来「マイ作曲家」と勝手に制定し、日々心のなかで声援を送るに至っています。

さてこの協奏曲は、チェロとオーケストラのほかにアンチ・オーケストラと命名された特殊楽器部隊が加わるというヘンチクリンな編成で書かれており、アコーディオン、マンドリン、サクソフォン、テューバ、サイド・ドラムからなる奇妙な特殊楽器五重奏が活躍します。加えて前半ではハープ、チェレスタ、グロッケンシュピール、チェレスタが、後半はオルガンが活躍する、というきわめて特徴的な音色が展開されるのです。細かい楽曲展開などは譜面が手元にないこともあって実はまったく理解できていないのですが、奇妙な音色を聴いているだけで十分満足できる、とても不思議な楽曲です。

その後、Ahoさんの名前を見かけることはしばらくなかったのですが、ここ4、5年でCDがたくさん出るようになり、久しぶりに再会を果たしました。現在CDはBISとFINLANDIAから出ています。とくにBISレーベルの力の入れようは素晴しく、「Complete Aho」なる全集を目指しているようです。早く完成して欲しいものです、「アホ全集」。

皆さんはAhoさんの曲をご存知ないと思いますので(かなり確信を持って思えるので)、ちょっとだけ曲風を紹介しましょう。解説が英語のため読む気力がないので、聴いた印象ではありますが。

まず初期(1970年代前半まで)の作品はリズムがきわめて平易。譜面を見なくても拍子がとれます。和声も協和音の上に不協和な音をぶつけていく書法が中心なので聞きやすいです。どちらかというと動機の展開、対位法、全体の構成みたいなところに興味関心が向けられている模様。1970年代という現代音楽激動の時代にありながら、フーガを丁寧に書いているあたりもいい感じ。Shostakovichの緩徐楽章と新古典派の音楽をミックスするとこんな音楽になるのかもしれないです。「交響曲第1番」「交響曲第2番」あたりが初期の部類。

「交響曲第5番」あたりから作風が変化します。不協和音の多様化、大胆な無調音楽の推進、引用(主題の引用よりも、ワルツやジャズなどスタイルの引用が多いです)、特殊楽器の活用など、個性的な作品が生まれてきます。「ヴァイオリン協奏曲」「チェロ協奏曲」などがこの時期の作品。

1980年代後半以降の作品は調性を感じさせる音楽に傾いてきており、また、引用と特殊楽器活用はさらに磨きがかかってきているようです。「交響曲第8番」はオルガンとオーケストラのために、「交響曲第9番」はトロンボーン・ソロとオーケストラのために書かれた傑作です。8番の第2楽章は、なんと「ちょうちょ」が引用されたスケルツォ。無調と調性音楽の絶妙な間隙を縫って「ちょうちょ、ちょうちょ、菜の葉にとまれ」が展開されるあたりはあっぱれであります。

そのほか、編曲や校訂も多いようで、Mussorgskyの歌曲「死の歌と踊り」の管弦楽伴奏や、Sibeliusの「カレリア」の復元完成版などがあります。これらも素晴しい出来です。

ということで、笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.交響曲第8番 「ちょうちょ」は最高
2.チェロ協奏曲 スーパー個性的な音色が楽しめる
3.交響曲第9番 バロック・スタイルの引用とトロンボーンの超絶技巧
4.交響曲第7番「昆虫交響曲」 第2楽章「蝶」のフォックストロット、第6楽章「蟻」のグロテスクな行進曲、第7楽章「かげろう」の美しい調性風音楽
5.交響曲第10番 Mozart交響曲第39番第1楽章とBruckner交響曲第9番第3楽章の引用が
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はAlbeniz。

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★                            ★
★          今月の会社での会話         ★
★                            ★
★        「トイレに紙がないってさ」       ★
★        (紙がきれたコピー機前にて)      ★
★                            ★
★                            ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
それは、トレイ・・・

では、また。



◆笹崎の歴史2−2(99/11/23)◆

♪第2話

♪Albeniz Isaac (イサーク・アルベニス 1860〜1909 スペイン)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.アストゥリアス(スペインの歌第1曲=スペイン組曲第5曲) ★★★★
2.グラナダ(スペイン組曲第1曲) ★★★
3.タンゴ(組曲スペイン第2曲) ★★★
4.セビーリャ(スペイン組曲第3曲) ★★★
5.マラゲーニャ(組曲スペイン第3曲) ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

Albenizの印象って、ギター弾きとピアノ弾きとオーケストラの人とで全然違うんだろうなあと思うのです。

きっとオーケストラの人の間では、Arbosの編曲した「イベリア」がちょっと有名で、Kreislerの編曲したタンゴがヴァイオリン弾きにアンコール・ピースとして取り上げられるくらいの比較的マイナーな存在。一方ギター弾きにとってはなくてはならない存在。オリジナルギター曲は1曲すらないのですが、さまざまな編曲があり、とくにアストゥリアスなんかは超有名ですね。

一方、ピアノ弾きの間ではちょっと複雑な存在なのです(たぶん)。「スペイン組曲」(組曲「スペイン」というのもあって別物)は、明らかにアンコール・ピースとしての扱いを受けているので、演奏会の曲目にのぼることはまれ。で、本格的な「イベリア」になると、これが難しくて弾けない。ということで、これも演奏会では取り上げられることはまれ。いずれにしても、こんなに素晴しい曲を書いているのにマイナーな存在なのですね。ということで一般的には、「ギター曲を1曲も書いていないのにギター弾きの間で有名な作曲家」。

さて、笹崎は「スペイン組曲」に中学生の頃出会い、以来社会人になるまでアンコール・ピースの作曲家だと信じておりました。アストゥリアスとかグラナダとかそこそこ有名な曲できれいで短くて。そんな印象だったので、とくに気にとめることもなく時は過ぎていきました。管弦楽版「イベリア」に出会ったのは大学生の時。これもArbosの編曲の出来がいまいちなこともあってあまり興味をひかれることはありませんでした。

笹崎がはじめてAlbenizに興味を持ったのは、社会人になってアリシア・デ・ラローチャ演奏の「イベリア」全曲を聴いた時。とくに第9曲「ラバピエス」。これは印象派音楽を超えて、現代フランス音楽の大家Messiaen先生を予感させる和声で書かれたすごい曲なのです。半音と半音がぶつかる大胆な不協和音を使いながらも透明な光と色を感じさせるところがすごい。感動いたしました。

Albenizはとんでもなく繊細な耳を持った作曲家のように思います。でなければ「イベリア」のすごい和音(当時は画期的だったに違いない)は書けないでしょう。あそこまでピアノの最弱音を効果的に使うこともできないでしょう。初期の作である「スペイン組曲」も、ピアノ弾きだったらおわかりでしょうが、ピアノが実に透明に鳴り響くのです。Albenizのピアノ曲はこの透明感がたまらない。でも、もっとも透明度の高い「イベリア」は難しくてとても弾ける代物ではありません。ああ、デ・ラローチャくらいピアノが弾けたなら、と「イベリア」や「ナバーラ」の譜面を目の前にするたびに思うのであります。

ということで、笹崎の好きな曲Best5 「イベリア」は総じて大好きです。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ラバピエス
 (イベリア第9曲)
この美しくも大胆な和音はどうやって思いついたのか。
2.ナバーラ なぜ未完に終わってしまったのか。補筆された部分ははっきりいってよろしくない。
3.エボカシオン
 (イベリア第1曲)
ピアノの最弱音はこうも美しかったのか。
4.トゥリアーナ
 (イベリア第6曲)
スペインの舞曲をここまで芸術的に高めるとは。
5.グラナダ
 (スペイン組曲第1曲)
単純ながら透明度の高い音色が響くときに感じる幸せ。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はBachの管弦楽作品にしようと思ったのですが、はむらぼ様からリクエストがありAndersonを書くことに。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                            ★
★        今月の「女子アナと蕨」         ★
★                            ★
★    さいたまけん・・・えっと・・・わさび市?    ★
★                            ★
★                            ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
惜しいっっ。

今月ネタ募集中。では、また。



◆笹崎の歴史2−3(2000/2/1)◆

♪第3話

♪Anderson Leroy (ルロイ・アンダーソン 1908〜1975 アメリカ)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.シンコペーテッド・クロック ★★★★★
2.ブルー・タンゴ ★★★★★
3.タイプライター ★★★★★
4.そりすべり ★★★★★
5.ワルツィング・キャット ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

「笹崎の歴史1」に書いたとおり、笹崎の幼少時代のお気に入りはBeethovenのチェロ・ソナタ第3番。その時期にはほかにもいろいろ聴かされていたのですが、なかにAnderson選集もありました。曲もよく覚えてました。ところが何度か聴くうちに飽きてしまったらしい。何度も鑑賞して味が出る楽曲と「ひとときの快楽」を求めることを目的とした楽曲を、幼い時期に見抜いてしまったのでしょうかねえ。それ以降、Andersonは笹崎にとってとくに興味をそそる存在になったこともなく、「曲はよく知っていて、聴いている間は楽しいから、まあいいか」の状態で推移しています。

いわゆるセミ・クラシックとクラシック音楽の境ってなんだろうと考えると、とても困るわけです。自分のなかでは、「ひとときの快楽」をコンセプトとして書かれたものがセミ・クラシックであると定義しています。これまた明確に分けられるものではないけれど。

さてこの場合、聴く方も演奏する方も「ひとときの快楽」以上のものをセミクラに求めてはいけません。そこに音楽の深さなんて求めるのは反則です。作曲家も「ひとときの快楽」に向かってまっしぐらに書くのが礼儀というもの。そこにはまたクラシックとは別のセンスが要求されるのです。その点、Andersonはたいしたもの。4分以内に曲を終わらせる、ウケる要素を混ぜ込む、これぞエンターテナー。撤しきっています。似たタイプにKetelbeyなどがいますが、センスはAndersonの方が明らかに上。このタイプでほんとうの意味で成功したセミ・クラシック作曲家はKreislerくらいのもんでしょう。トップクラスのセミクラは、「快楽提供」としての存在意義を十分果たしているのであります。

さて、今のマンドリン業界で演奏されている曲(新しく書かれている曲を含んで)の大半はセミクラとして認識しています。この業界の不幸は、聴衆も演奏者も作曲家もセミ・クラシックをセミ・クラシックとして認識せず、多くの場合クラシックだと思い込んでいる、という点から始まっていうような気もします。どうでしょう。

笹崎の好きな曲Best5 この手のものはテンポの早い曲の方がよいかと。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.フィドル・ファドル 3分間カウボーイになった気分になれる
2.ラッパ吹きの休日 2分間ラッパが吹ける気分になれる
3.舞踏会の美女 2分半ちょっとゴージャスな気分になれる
4.ブルー・タンゴ 3分間亜熱帯な気分になれる
5.ジャズ・ピツィカート 1分半ジャジーな気分になれる
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はBachの管弦楽・協奏的作品。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★     今月の続・キティーちゃん特産品     ★
★                         ★
★     「キティーちゃん・ちんすこう」     ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ああ、節操なし。私のキティーちゃんはいったいどこへ・・・

引き続き今月ネタ募集中。まじで。。。では、また。



◆笹崎の歴史2−4(2000/5/15)◆

♪第4話

♪Bach (ヨハン・セバスチャン・バッハ 1685〜1750) 管弦楽・室内楽・鍵盤以外の独奏曲編

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.管弦楽組曲第3番よりアリア★★★★★
2.無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番よりシャコンヌ★★★★
3.管弦楽組曲第2番よりバディネリ★★★★
4.ブランデンブルク協奏曲第5番★★★★
5.無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番よりプレリュード・ガヴォット★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

忘れもしない1986年のある日。
笹崎青年は、Bach作曲「ブランデンブルク協奏曲第3番」のマンドリン合奏版をコンサート・マスターとして演奏することになっていた。

メンバーが舞台に並ぶ。
その後から拍手に迎えられて登場する笹崎青年。

調弦するためチェンバロに向かう。

右手の人さし指でAの鍵盤を押す。
鳴らない。
もう上の段でAの鍵盤を押してみる。
鳴らない。

心臓が1mmずつ収縮する思いをする笹崎青年。
緊張と笑いが錯綜する会場。

ブランデンブルク・チェンバロ事件。



さて。笹崎にとってBachは、たいへん尊敬しているが演奏するのは苦手な作曲家、という位置づけになるんですね。詳しくは次号にて。

笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.音楽の捧げもの トリオ・ソナタは偉大だ
2.管弦楽組曲第2番 序曲のフーガが始まっただけでぞくぞく
3.ブランデンブルク協奏曲第5番 子供のときから親しんでいる曲
4.無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番
5.無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ヴァイオリン協奏曲も2曲とも好きだしなあ。2つのヴァイオリンのための協奏曲とかヴァイオリン・オーボエのための協奏曲とか、チェンバロ協奏曲集とか・・・。無伴奏チェロ組曲はどうしよう・・・。順番決めは一苦労。

次回は同じくBachの鍵盤作品。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                            ★
★         今月の教会式(東北弁)        ★
★                            ★
★  「あなたは、〜〜〜愛し続けることを誓いますか? 」 ★
★         「チガイマス・・・」         ★
★                            ★
★                            ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
間違えそうだったので、笹崎家は神前式。

ではまた。



◆笹崎の歴史2−5(2000/6/18)◆

♪第5話

♪Bach (ヨハン・セバスチャン・バッハ 1685〜1750) 鍵盤作品編

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.トッカータとフーガニ短調 BWV565  ★★★★★
2.メヌエット BWVAhn114(バッハのメヌエット) ★★★★★
3.平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番前奏曲 ★★★★★
4.ゴルトベルク変奏曲 ★★★★
5.2声のインヴェンションと3声のシンフォニア ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

ピアノを習うといつしか出会う曲、「2声のインヴェンションと3声のシンフォニア」。右手と左手がまったく対等な扱いなので、ピアノ上達のためには避けて通れない曲です。これでBachが嫌いになったり、ピアノが嫌いになったりする人はきっと多いのではないでしょうか。そういう笹崎少年@小学生もあんまり好きになれなくて、めんどくさいわりに盛り上がらない曲がこんなに続かなくても、と思った口でありました。そんなわけで、高校が終わるまで、Bachの譜面は「2声のインヴェンションと3声のシンフォニア」と「イタリア協奏曲」と「Bach小品集」(有名な「バッハのメヌエット」が入っているもの)しかなかったように思います。

大学に入って対位法なるものに初めて興味を持ち、対位法の仕組みを調べるためにほんとうに何年かぶりに「2声のインヴェンションと3声のシンフォニア」の譜面を引っぱりだしたのが、笹崎にとってBach再発見のきっかけとなりました。ド頭の第1番インヴェンションからして対位法のすばらしいこと。動機が反行形を伴って書かれているのに気付いたのでありました(解説あり)。凝って書かれているのにもかかわらず、それを誇示することもなく淡々と爽やかに進むさまは圧巻であります。でもねえ、小学生じゃわからないよ、こんな対位法。

あわててBachのクラヴィア曲を集め、ピアノで全曲を演奏。ここで笹崎青年は別の楽しみを発見したのであります。頭のなかを空白にし、条件反射を頼りにピアノで書かれた音符を「自動音変換」していくと、あら不思議。いろんな声部が勝手に聞こえてくるではありませんか。自分が弾いていることを忘れ、目の前で勝手に音が立ち上がってくる状態は、少々トリップに近い感覚であります。最近は音色がBachの音楽に合うような気がして(強弱をつけるのに自信がないこともありますが)、オルガンの音色で演奏することが多いのですが、これはトリップ状態をさらに強力なものにするようです。この技術はよっぽど初見能力を高めないと習得できないのでありますが、どなたか同じ感覚をご体験の方、いらっしゃいますでしょうか。

さて、それでもBachの曲をピアノで弾くのはけっこう苦手でして。なにしろ、さっき書いたように強弱をどうつけたらいいかまったくわからないし、テンポ設定も自信がないし、動機にかかわるアーティキュレーションは調べればなんとかわかるものの、たとえば連続する8分音符はテヌートなのかスタカートなのかレガートなのかなんて判断基準がないし。自由に演奏すれば、と言われそうではありますが、自由ほど難しいものはなくて。Bachと笹崎は根本のところで合わないのかしら。

invention (解説)
インヴェンション第1番では冒頭のCDEFDECっていうのが主要動機。反行形は、上がった分下げ、下がった分上げることで得られるもの。この主要動機の反行形はたとえばCHAGHACとなるわけ(譜例)。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.2声のインヴェンションと3声のシンフォニア 一見単純そうなのに。Bachは偉大だ。
2.イギリス組曲第3番 BVW.808 最近ランキング急上昇。
3.イタリア協奏曲 BVW.971 昔からよく弾いていた。なぜかは不明。
4.パルティータ第1番 BVW.825 結婚式のバックでよく弾きます。
5.パッサカリアとフーガ BVW.582 オルガン曲の中ではこの曲がいちばん好き。荘厳。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

「平均律」「ゴルトベルク変奏曲」はあまりに弾けず、くやしいのでランキング外。

次回はBach最終話、声楽作品編。

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★                                ★
★            今月のそっくりさん           ★
★                                ★
★  斜め45度に傾けたシルバーシートのマークと「エイリアン」  ★
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★                                ★
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シルバーシートの向かいの席で、首を斜め45度に傾けていた時に発見。一度お試しあれ。

引き続き今月ネタ募集中。では、また。



◆笹崎の歴史2−6(2000/7/26)◆

♪第6話

♪Bach (ヨハン・セバスチャン・バッハ 1685〜1750) 合唱作品編

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.カンタータ第147番より「主よ、人の望みの喜びよ」 ★★★★★
2.コラール「目覚めよと呼ぶ声あり」(オルガン曲BWV.645の原曲) ★★★★
3.カンタータ第208番より「羊は安らかに草をはみ」 ★★★★
4.マタイ受難曲 ★★★
5.ミサ曲 ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

Bachの音楽は、教会あるいはキリスト教と不可分の関係と言えるでしょう。したがって、生活の中にキリスト教が根付いている人とそうでない人とでは、Bach音楽に対する感じ方は違うのだろうなあと思うのです、おそらく。

笹崎はカトリック系の幼稚園に通っていて、クリスマスの劇ではおいしい役も演じたらしいのですが(イエス様? 博士? キリスト様? サンタクロース?←ぜったい違う)、熱心なキリスト教徒になることなく今日まで至っております。キリスト教徒にならなければ絶対にBachが理解できないのかと聞かれるとそうでもない気がするものの、笹崎はいずれにしても深いところでBachを理解してはいないんだろうなという気がします。というか、理解できない何かがあるような気がしてなりません。人は経験し理解したものしか振り返ることができませんから、Bachの精神世界を自分のものにすることがどんなことなのかわからないというのが正確なところです。

Bachの宗教曲はそうとう好きな部類で、最近はクリスマス近くなると受難曲やミサ曲やクリスマス・カンタータを聞かないとお正月を迎えられないような気すらしているんですけどね(リヒターのマタイにはいつ聴いても涙が出ます)。そのうち時間をかけてBachの精神を理解していきたい気持ちはいつも持っているのですが、これがなかなか機会もなくて。笹崎の音楽人生における大きなテーマの一つではありますね。50年後には、Bachを語れるすてきなじいさまになっているといいなあ。

笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.マタイ受難曲 リヒターやクレンペラーの名演を聴くたび感動する
2.ミサ曲 音楽はやっぱり愛なんだと聴くたび感動する
3.クリスマス・カンタータ クリスマスに聴くたび感動する
4.ヨハネ受難曲 第1曲の合唱の歌いだしを聴くたび感動する
5.マニフィカト 明るい祝祭的なムードに聴くたび感動する
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はBarber。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                        ★
★       今月のグローバル         ★
★                        ★
★      銀座国際秘書センター        ★
★                        ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
銀座6丁目付近で発見。英会話できる人たちがいっぱいいる秘書代行業なのか、それとも、「イラシャ〜イ、シャチョサ〜ン、ワタシ、アナタノ、コンヤノ、ヒショサ〜ン」なのか。

引き続き今月ネタ募集中。では、また。



◆笹崎の歴史2−7(2000/9/11)◆

♪第7話

♪Barber Samuel (サミュエル・バーバー 1910〜1981)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.弦楽のためのアダージョ ★★★★
2.ヴァイオリン協奏曲 ★★
3.序曲「悪口学校」 ★
4.メデアの瞑想と復讐の踊り ★
5.ピアノ協奏曲 ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

「弦楽のためのアダージョ」だけが突出して有名な作曲家ですね。笹崎のBarberとの出会いは、実はこの有名な曲でなくて、「ピアノのための夜想曲−ジョン・フィールドをたたえて」という超マイナーな曲でした。国内のピアノ・ピースで出ているんですね。きれいなようでなんか変わっている曲は、中学生の笹崎の心を捉えることはできませんでした。「弦楽のためのアダージョ」を聞いたのは、高校生の頃。正直まったく旋律をなかなか覚えることができなくて、でもあまりに有名な曲なのでせめて覚えなければと、オルガン用に編曲したものでした。今でもすごく好きかと聞かれると、普通、というのが正直なところでしょうか。もとは3楽章からなる弦楽四重奏曲の第2楽章なのですが、両端の楽章はなんとも不釣り合いで、これまたいい印象はありません。そうそう、弦楽のためのアダージョを合唱用に編曲した版もありますね。「アニュス・デイ」という題です。こっちの方が個人的には好き。

その後、Barberの作った作品の半分くらいはCDや譜面を購入したにもかかわらず(歌曲全集のCDも譜面もあるし)、笹崎の中では、好きでも嫌いでもない作曲家という位置付けにとどまっています。

思うに、Barberは恵まれた評価を得ている作曲家のように思います。12音技法とか無調とか偶然性とかいった現代音楽とはおよそ無縁なところにある保守的な作風を、アメリカという国で貫いていたのがよかったのでしょう。「前衛音楽を取り上げるには抵抗がありながらも自国アメリカの音楽は紹介したい」というアメリカ音楽市場の論理にうまくはまった作曲家のように思うのですが、違うのかな。そう考えるとバーンスタインやセルなどアメリカの楽団の常任指揮者が取り上げたのもわかるような気がします。弦楽四重奏曲を聞いて第2楽章を弦楽のためにアレンジすることを勧めたのはトスカニーニでしたし。

「そうはいっても無調がもてはやされる中、ちょっとはそれっぽく書かなくちゃ」と思ったかどうか知りませんが、Barberの曲は『作った感じ』が時々してしまいます。そんな中、笹崎が評価している曲は、「ノックスヴィル、1915年の夏」(ソプラノとオーケストラ)と「ヴァイオリン協奏曲」。この2曲は素敵です。自然な感じがします。

笹崎の中でのランキングは以下の通り。3と4の間はちょっと間があくかな。

笹崎の好きな曲Best5

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1.ノックスヴィル、1915年の夏 民謡のような優しさ。詩にも深さが。
2.ヴァイオリン協奏曲 ロマンティック。
3.弦楽のためのアダージョ 合唱版の方がいいかも。
4.交響曲第1番 後半のフーガからあとは好き。
5.序曲「悪口学校」 第2主題は好き。
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次回はBartok。

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★          今月の人生           ★
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★   (明日あいているかという問いに対して)    ★
★ 明日は人生を右往左往する用事が入ってるから・・・ ★
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元会社後輩がやめる直前に残した言葉。彼は今どこで何をしていることやら。

引き続き今月ネタ募集中。では、また。



◆笹崎の歴史2−8(2000/12/5)◆

♪第8話

♪Bartok Bela (ベラ・バルトーク 1881〜1945)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.管弦楽のための協奏曲 ★★★★
2.ルーマニア民俗舞曲 ★★★★
3.弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽 ★★★
4.バレエ音楽「中国の不思議な役人」 ★★★
5.ヴァイオリン協奏曲第2番 ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

初めて聴いたBartokの曲は確か「ルーマニア民俗舞曲」。高校生1年か2年の頃だったように思います。とはいってもこの曲は当時からあまり印象には残らず、今でも「ポピュラーな曲」程度の認識にとどまっているのですが。

Bartokとの本格的な出会いは、バレエ音楽「中国の不思議な役人」。高校3年の頃でしょうか。アバドが硬式野球ボールにサインをしにいらっしゃった(→笹崎の歴史1−第7話を参照)、その前後です。FMからきこえてくるアバド指揮「中国役人」の激しいバーバリズム(原始主義)は、かっこいい音楽を求めていた笹崎青年の嗜好と見事にマッチします。野蛮で強烈な不協和音、あからさまにぶつかり合う半音、狂わんばかりのトロンボーンのグリッサンド、艶かしいクラリネットの独奏、打楽器の狂乱、すべてが笹崎青年の音楽概念をぶち壊すには十分なものがありました。その後、笹崎青年は上野文化会館でほとんどすべての管弦楽作品をスコアを見ながら聴き通し、短期間でBartokマニアへと急成長します。

このBartok好きがさらに高じてしまったのは、「バルトークの作曲技法」(全音楽譜出版社)という書籍との出会いにありました。大学2年の頃に購入したこの本、表紙からして数学的な図形に彩られていまして、フィボナッチ数列とか黄金分割などが頻繁に出てくる、とても音楽の本とは思えない代物であります(これも詳しくは笹崎の歴史1−第12話にありますので、そちらをどうぞ)。

その後、大学から社会人数年目までは、どちらかというとバーバリズムや民族主義的な側面に興味を持っていました。「中国の不思議な役人」をはじめ、「ピアノ協奏曲第2番」「舞踏組曲」「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」「アレグロ・バルバロ(ピアノ曲)」あたりを好んでいたように思います。最近はちょっと嗜好が変わり、絶対零度まで冷え切った音楽、あるいはBartokにしか書けない透き通った音楽の方へ興味関心が移行しつつあります。「ピアノ協奏曲第2番」「ピアノ協奏曲第3番」「弦楽のためのディヴェルティメント」などの緩徐楽章ですね。ピアノ協奏曲第3番第2楽章の冒頭なんてあまりにも透明で涙ものじゃありませんか。

最近はさすがに一時期ほどの熱狂ぶりは冷めましたが、それでもBartokは笹崎にとって深い興味を持っている作曲家の一人であることには変わりありません。今の笹崎が近・現代音楽を抵抗なく聴くことができ、多様な芸術的価値観を受け止められるようになれたのは、Bartokの音楽との出会いがあったからといって過言ではないのです。

綿密に計算された形式に加え、音程・和声に数学的な手法を用いながらも、非人間的になることなく、むしろ、血沸き肉踊る要素と結びつくことで、きわめて自然体に仕上がっているBartokの世界。理性と知性と本能とがこれ以上なく高いレベルで結合されたケースは非常に稀で、まさに天才の成せる業ですね。

笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.管弦楽のための協奏曲 天才にしか書けない世紀の名曲
2.ピアノ協奏曲第3番 第2楽章の透き通ったハ調が心を打つ
3.ヴィオラ協奏曲 未完で終わったのが何とも惜しい。弟子のオーケストレーションは薄すぎ
4.弦チェレ 黄金分割比で分析すると、とてつもない有機体であることがわかる
5.中国の不思議な役人 精緻に計算されたバーバリズム
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

好きな曲が多すぎる。弦楽四重奏曲も入れたかった・・・。6曲全部・・・。あ、歌劇「青ひげ公の城」を入れ忘れた・・・。

次回はいよいよBeethoven。まず交響曲・管弦楽・協奏曲編から行きましょうか。

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★                          ★
★         今月の読み違い          ★
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★     オリンピックまゆみ(五輪真弓)      ★
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だってー。笹崎少年@小学生は芸能界のことよく知らなかったんだってばー。

引き続き今月ネタ募集中。「今月ネタなし」という事態が発生?
ぜひご協力を。では、また。



◆笹崎の歴史2−9(2001/1/9)◆

♪第9話

♪Beethoven,Ludwig van(1770〜1827) 交響曲・管弦楽・協奏曲編
 (ほんとうはベートーフェンと発音するらしいですね。あれ、ビートーフェンだっけ?)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.交響曲第9番 ★★★★★
2.交響曲第5番 ★★★★★
3.交響曲第6番 ★★★★★
4.交響曲第7番 ★★★★
5.交響曲第3番 ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

Beethovenのチェロ・ソナタ第3番で育った笹崎ですが、赤ちゃんの頃から交響曲もいちおう聴かされていたようです。しかし、あの切迫する曲想は赤ん坊にはきつかったらしく、あんまり好評ではなかったようです。唯一記憶にあるのは交響曲第6番「田園」の第1・2楽章。3〜5楽章の印象がないのは、4楽章の嵐を怖がるのでレコードのA面しかかけなかったものと推察されます。

小学校・中学校の頃は、Beethovenのピアノ曲に夢中で管弦楽のジャンルには出会わずじまい。高校生になってから、ようやく交響曲を聴きはじめます。

(項目は順に 時期 笹崎のBeethoven交響曲関心度 好きな順番 コメント )

高校初期  80 9-5-6-3  はじめて本格的にレコードで聴いてみる。4曲しかレコードがなかった。
高校初期  85 7-5-9-6-3 7番をはじめてラジオで聴く。世の中には素晴しい曲がいっぱいある。
高校中期  90 9-5-7-3-6 フルトヴェングラーの演奏をラジオでエアチェック。第9!!!
高校後期  95 9-7-5-4-3 カルロス・クライバーの4番がラジオで流れる。
大学初期  95 3-9-5-7-6 形式分析に夢中になって、好きな順番総入れ替え。
同じ頃?  95 3-9-5-7-2 Liszt編曲ピアノ版流行。頑張れば弾けそうな1・2番ポイントアップ。
1986年    95 3-9-5-7-4 生カルロス・クライバーを聴く。4番・7番。
大学4年  70 3-9-5-7-6 そうは言ってもちょっと飽きてきた。
25歳くらい 60 3-9-5-7-6 そうとう飽きてきた。
1994年頃  70 9-3-5-6-7 ガーディナー盤を購入。ちょっと持ち直す。
30歳代突入 50 9-3-5-6-7 Beethovenの交響曲って、ほんとうは自分と合わないかも。
30歳ちょい 65 9-5-3-6-7 チェリビダッケ正規盤発売。ちょっと持ち直す。5番の解釈素晴しい! 
2001年現在 55 9-3-5-6-7 聴く前に相当の覚悟がいる状態。持ち直す日々はやってくるのだろうか?

持ち直す方法はただ1つ、カルロスが第9を振ること。

笹崎の好きな曲Best5 交響曲・管弦楽曲編

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1.交響曲第9番 第1楽章がとくに素晴しいと思う。少数派意見?
2.交響曲第3番 「だましの形式」は革新的
3.交響曲第5番 そのうちちゃんと詳細な楽曲分析をせねば
4.交響曲第6番 いつ聴いても弦の厚みが心地よい
5.交響曲第7番 リズムで交響曲を作るという発想が新鮮
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管弦楽曲はねえ。。。「コリオラン」序曲と「エグモント」序曲くらいかなあ。昔は「レオノーレ第3番」とか一瞬好きだったのだけれど。


笹崎の好きな曲Best5 協奏曲編

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1.ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 第2楽章の時間が静止した感じがたまらない
2.ピアノ協奏曲第4番 冒頭のピアノ独奏から暖かさが体ににじむ
3.ヴァイオリン協奏曲 Schnittkeのカデンツァ、あれは一体?
4.ピアノ協奏曲第3番 第3楽章がかっこよいと思う
5.ピアノ協奏曲第1番 同じく第3楽章がかっこよいと思う
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協奏曲はずっとピアノ協奏曲4番がTOPでしたが、数年前にオリジナル楽器版(レヴィン−ガーディナー盤)を聴いたときから、第4番と第5番が逆転。

次回は室内楽編。

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★                          ★
★          今月の誤転換          ★
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★       結婚して性が変わりました       ★
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年賀状作成時に発見。「ことえり」は偉大なり。

では、また。



◆笹崎の歴史2−10(2001/2/15)◆

♪第10話

♪Beethoven,Ludwig van(1770〜1827) 室内楽曲編

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 ★★★★
2.ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」 ★★★★
3.弦楽四重奏曲第16番 ★★★
4.大フーガ ★★★
5.ピアノ三重奏曲第7番「大公」 ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

「後期の弦楽四重奏曲は人生を豊かにしてくれるよね」なんて通な一言を発したいところですが、正直言ってまだそこまでは聴きこんでいないんだよね。高校生の頃から一通り音源は持っていたけれど、ちゃんと聴くようになったのは大学後半から(大学4年の時にはアルバン・ベルク弦楽四重奏団が来日したときにBeethoven作品を聴きに行っております)。

それ以来、好感をもって接しているのですが、残念ながらなかなか曲を覚えられない。脳細胞が減少しているんでしょうけど、ほかにも理由がいくつかあると思います。

まず、全曲(大フーガ含めて17曲)通して順番に聴いてしまうから。しかも17曲通さなければ、と思ったとたんに後回しにしがちで、聴く回数が増えないのですね。とくにはじめの6曲なんか、どれが何番なんだかいまだに区別つきません。

もう1つは、CDが増えないから。笹崎が好きな弦楽四重奏団はたくさんあるわけではなく、アルバン・ベルク弦楽四重奏団のほかにはアルディッティ弦楽四重奏団とクロノス・カルテットの2つなんですが、後者2つは現代音楽専門なのでBeethovenは「大フーガ」があるくらい。もともとBeethoven弦楽四重奏曲はうちにあるCDが少ないんですね(アルバン・ベルク弦楽四重奏団とブダペスト弦楽四重奏団のみ。あ、後期作品だけラサール弦楽四重奏団があった)。おまけにほかの演奏団体によるディスクの購入になかなか踏み切れないこともあって(だって17曲セットだと高いんだもん)、これまた聴く回数が増えない原因になっているんですねえ。

それでも、交響曲や声楽曲のジャンルを聴くよりも深さと暖かさを感じており、近い将来とても愛着のある作品群になりそうな気はするのです。まずは何回も聴いて覚えるのじゃぁ。ということで、21世紀いちばんはじめに聴いたのはこの17曲なのでした(やっぱり通して聴いてしまった・・・)。

さて、いざランキングすると、子供の頃から聴いて覚えている曲が中心になってきますねえ。(笹崎の歴史1 第1話参照)

笹崎の好きな曲Best5 室内楽曲編

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.チェロ・ソナタ第3番 個人的に一番に選ぶのはこれしかないでしょう
2.ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 これも子供の頃からそらで覚えていた
3.ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」 子供の頃は第1楽章の緊張感が怖かった
4.弦楽四重奏曲第9番 最終楽章のフーガが壮絶。かっこいい
5.ピアノ三重奏曲「大公」 雄大な曲想ながら緻密な構成と作曲技法に感服
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そうはいっても弦楽四重奏曲第13〜16番のランクイン近い予感。



次回は独奏曲編。

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★                          ★
★         今月の続・誤変換         ★
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★         「ものの毛姫」          ★
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下ネタですまん。だって、ことえりが・・・
では、また。



◆笹崎の歴史2−11(2001/4/17)◆

♪第11話

♪Beethoven,Ludwig van(1770〜1827) 独奏曲編

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.ピアノ・ソナタ第14番「月光」★★★★★
2.バガテル「エリーゼのために」★★★★★
3.ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」★★★★
4.ピアノ・ソナタ第23番「熱情」★★★★
5.ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

↑「エリーゼのために」のおきどころに困りますね。「トルコ行進曲」は管弦楽かぁ。入れるの忘れた。


幼少の頃、「月光」と「悲愴」が入ったレコードを聴かされていたらしいのですが、子供にはあの緊張感がこわかったのか、それほど好きになれなかったんですよね。「エリーゼのために」だけは好きだったみたい。で、その「エリーゼのために」をどうしても弾けるようになりたくて幼稚園のころ練習に練習を重ねたらしいです。でもね、「ミレ#ミレ#ミレ#」が何回だかわからなくてテキトーに演奏。へんな弱起だよね、あの曲って。実は、今でもうろ覚え・・・

小中学校の頃はBeethoven三昧。スポーツマンシップにのっとり、いかにアレグロ楽章を速く弾けるかに明け暮れる毎日でした。音楽が好きになった人は誰しも一度はこういう道を辿るんじゃない? かっこよさときれいなメロディ、これが音楽のすべて!! 今思えばはずかしい限りなんだけど、でも、月光の第3楽章とか悲愴の第1楽章をめちゃめちゃ速く弾いてると、「ああ、汗のにおい、これが青春なのさ」って感じするじゃない? 今でも時々やるけどさ(内緒だけど)。

さて、小中学校時代はピアノ・ソナタ全集は前半しか持っていなくて、親にせがんで後半を買ってもらったのは高校時代に入ってから。そこではじめてBeethovenのピアノ曲がスポーツの側面だけないことに気付いたのでありました。第31番や第32番など、はじめのうちは何のことやら理解できなかったんだけど、そのうちとりこに。

大学に入って音楽形式に興味を持つようになってからは、ますます後期のソナタが好きになっていきました。難しくてちゃんと弾けるわけはないし、全曲通して覚えていたわけでもないんだけど(今でも暗譜できておりません)、とぎれとぎれに弾いているだけで幸せなんだよね。とくにこの時期は複雑なフーガや対位法が出てくるだけでうれしくなっちゃったりして。

社会人に入ってからは、心に占めるBeethovenピアノ曲の割合は少しずつ低下てきているようです。なんででしょうね。年に1回は32曲通して弾くんですけど。


笹崎の好きな曲Best5 独奏曲編

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
ピアノ・ソナタ第32番 誰も言ってくれないけど第2楽章第3変奏はジャズっぽい
ピアノ・ソナタ第23番「熱情」 ああ、汗のにおい、これが青春なのさ
ピアノ・ソナタ第31番 最近とくにお気に入り。スケルツォのトリオはとくに弾けない
ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」 ああ、汗のにおい、これが青春なのさ
ピアノ・ソナタ第28番 最後のフーガさえなければ弾けるかもしれないのに
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第31番も第32番も、難しくて弾けないあたりが、この曲への興味をさらにかきたてるのかも。
次回は声楽曲編。



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★                          ★
★        今月の究極の選択          ★
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★    一つ選ばなければならないとしたら?     ★
★                          ★
★  「首の皮1つでつながっている」を目の前で見物  ★
★  「味噌も糞も一緒に」を実際に味わう       ★
★  「壁に耳あり障子に目あり」の部屋に居住     ★
★                          ★
★                          ★
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「味噌も糞も」は、においを嗅いだ時点でだめかも。障子にMary〜(お約束)。
では、また。



◆笹崎の歴史2−12(2001/7/30)◆

♪第12話

♪Beethoven,Ludwig van(1770〜1827) 声楽曲編

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.歌劇「フィデリオ」   ★★★
2.ミサ・ソレムニス    ★★★
3.合唱幻想曲       ★★
4.君を愛す        ★★
5.アデライーデ      ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

↑ただし、合唱関係者や声楽家は★1つ〜2つ分アップ(予想)。


Beethovenの最高傑作とされるミサ・ソレムニス。昔から、この曲は何度となく聴いてきたのだけれど、いまだに覚えられなくて。

個人的に、僕はこの曲を人工的だと感じます。恣意的といった方がいいかなあ。けっして人工的な曲が悪いということではなく、好き嫌いでいうと好きになれない曲が多いということなのですが。ミサ・ソレムニスは、和声の移り変わり、強弱の移り変わり、形式、どれをとっても僕には恣意的です。Mozartの音楽など、宇宙に存在している音楽を偶然切り取ってきたような自然さを感じるのですが。同じBeethovenでも、ヴァイオリン・ソナタ「春」や、歌曲でも「アデライーデ」などは、自然さを感じるのですね。その差はいったい何なんでしょうね。

ミサ・ソレムニスは人類史上書かれた人工的な音楽(僕にとって)のなかでもっとも完成度の高い作品であると思います。何度聴いても覚えられないのだけれど、引き込まれる何か強い力を感じます。Beethovenの「人工」は「人間の意志」なのではないか。この曲をすみからすみまで覚えて共感できるようになったとき、Beethovenを、今とは違うレベルで好きになれそうな気がします。


笹崎の好きな曲Best5 声楽曲編

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ミサ・ソレムニス 早く覚えなきゃ
2.歌劇「フィデリオ」 「かくあるべし」って説教されてるようだが、名曲だよね
3.アデライーデ こういう伸びやかな曲書けるのにね
4.君を愛す 同上
5.合唱幻想曲 第9と同じようなつくりなのでとっつきやすい
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次点は「ミサ曲・ハ長調」。ハ長調の割には難解なんだけど。
次回はBelliniの予定。



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★                          ★
★         今月の替え歌           ★
★                          ★
★     さ〜さ〜の〜葉〜さ〜らさら〜〜〜     ★
★     置〜き〜場〜に〜こ〜ま〜る〜〜〜     ★
★                          ★
★                          ★
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ああ、うさぎ小屋。
では、また。



◆笹崎の歴史2−13(2001/10/30)◆

♪第13話

♪Bellini,Vincenzo(1801〜1835)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.歌劇「ノルマ」   ★★★
2.歌劇「清教徒」   ★★
3.歌劇「夢遊病の女」 ★★
4.優雅な月よ     ★★
5.歌劇「海賊」    ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)

高校時代、エアチェックをしていたときのこと。「次は、Belliniのオーボエ協奏曲・変ホ長調です」という紹介の後に、いきなりト長調の曲が!!!これが、笹崎とBelliniの出会いでありました。この曲、8小節(だと思う)の前奏だけがト長調で、すぐ変ホ長調になるんですね。ああ、びっくりした(さりげに、笹崎には絶対音感があることを自慢してみました)。

さて、はじめにお断りしちゃいますが、笹崎は熱烈なオペラファンというわけじゃないんですよね。オペラは見て楽しむべきものなんだけど、行く時間とお金ないし。聴くだけだと言葉よくわからないし。いろんな登場人物出てきて覚えられないし。大好きなオペラ歌手がいるわけじゃないし。

それで笹崎は、オペラを音楽的な視点から聴いてしまうわけですが、そうした場合、オペラの魅力は半減しているのですね。頭ではわかっているつもりなんだけど。で、「オペラ・命」にはなることなく今日まで至っております。

そうはいってもBelliniのCDはそこそこありまして、「ノルマ」「夢遊病の女」「清教徒」「海賊」と、主要作品は完備しております。2年ほど前にマリア・カラスに2週間ほど凝ったことがあって、そのときにまとめ買いしたものです。

オペラ全曲を聴いて思ったのは2つ。Belliniはマリア・カラスのためにあるのね、ということ。そしてもう1つ、音楽から「文化の挟間」を感じられて、音楽史的に興味深いなあということ。

以下は想像です(だいたい合ってると思いますが)。

  ・作曲家としては、新しい表現をしたい
  ・でも聴衆は音楽的に新しいものは受け入れにくい
  ・そこで作曲家はどうするか。筋書きで新しい表現をする必然性を作ってしまえ。

そこで発明されたのが、主人公を精神錯乱状態にしてしまう、という荒技。これなら、音楽がいままでの表現を越えていても、不自然じゃない。精神錯乱前は「私はあの人を死ぬほど憎んでいるわ〜」を長調のきれいなメロディーに乗せて歌っちゃったりするけれど、精神錯乱状態になったら、「私は誰、ここはどこ? ああ、私の愛する人が!」。もう作曲家ったら、やりたい放題。

これが、『狂乱の場』。今聞くとわずかに狂乱しているだけですが、当時はほんとうに狂乱だったのかも。

ともかく、BelliniやDonizettiのおかげで音楽的狂乱も聴衆に次第に受け入れられ、すべてが狂乱状態のオペラが作られる時代になりましたとさ。


笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.歌劇「ノルマ」 筋書はすごい緊迫感。曲想とのギャップは、文化の狭間ということで
2.優しい月よ シンプルで美しい歌曲。この叙情がBelliniのよさ
3.オーボエ協奏曲 覚えているのは前奏だけですが
4.歌劇「清教徒」 これもね、狂乱するのよ
5.歌劇「夢遊病の女」 タイトル通り狂乱するのよ
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次回はBerg。



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★                          ★
★        今月のスポーツ新聞         ★
★                          ★
★        イチロー 勝利!!         ★
★                          ★
★                          ★
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勝ったのはマリナーズでは?
では、また。



◆笹崎の歴史2−14(2002/1/7)◆

♪第14話

♪Berg,Alban(1885〜1935)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.叙情組曲      ★★
2.歌劇「ヴォツェック」★★
3.ヴァイオリン協奏曲 ★★
4.ピアノ・ソナタ   ★★
5.歌劇「ルル」    ★★

↑うーん、順位つけにくい・・・

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


笹崎がBergと出会ったのは、歴史1でも書いたとおり、東京文化会館資料室で聴いた「ヴォツェック」であります。今まで、ほんとうに多くの曲との出会いがありましたが、そのなかでも音楽的に最大級のショックを受けた曲なのであります。

歴史1では、ヴォツェックのことしか書かなかったのですが、ヴォツェックでショックを受けている笹崎に追いうちで衝撃を与えたのは、ヴァイオリン協奏曲でした。12音技法なるものをはじめて理解したのは、SchonbergでもWebernでもなく、Bergのこの曲。

何といっても、G−B(♭)−D−Fis−A−C−E−Gis−H−Cis−Dis−Fという音列。短三度と長三度を組み合わせて、最後が全音階(悪魔の音程と呼ばれる)。三度の堆積で音列を作ることで、12音列でありながら調性感が醸し出される。しかも、冒頭のGから1つおきに音程をとると、うまい具合にG−D−A−Eというヴァイオリンの解放音と一致する。さらに、最後の全音階が、同じく悪魔の音程を使ったBachのコラールに変容していく。この完璧な作り方に笹崎はもうひたすら感服してしまったのでありました。この曲と出会ってからというもの、学生にとっては高価なスコアをすぐに購入し、12音技法がどう展開されているか、何日もかけて解読する日々を過ごしたりもしました。

皆さんは、音楽でも音楽以外の分野でも何か突き詰めていく途中、こうした衝撃的な出会いってありません? 笹崎の場合、一度この体験をしてしまったために、次の衝撃を求めて音楽を続けているのかもしれないなあ。


笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.歌劇「ヴォツェック」 まずはH(シ)のクレッシェンドにやられました
2.ヴァイオリン協奏曲 まずは冒頭の解放クーレと最後のバッハのコラールにやられました
3.叙情組曲 女性の名が暗号のように織り込まれている。推理小説ファンにもお勧め?
4.ピアノ・ソナタ 作品1なのに、この完成度の高さはいったい?
5.弦楽四重奏曲 無調なのに、この美しさはいったい?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

一方で、室内協奏曲と「ルル」は、いまだによくわからないんだよなあ。DVD買ったことだし、「ルル」を購入するとしますか。

次回はBerio。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                            ★
★         今月の子供電話相談室         ★
★                            ★
★ 「カルロス・クライバーさんは普段何をしてるんですか」 ★
★                            ★
★ 「カルロス・クライバーさんは、普段は引退しています」 ★
★                            ★
★                            ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
嫁には大受けでしたが、どうでしょう。
では、また。



◆笹崎の歴史2−15(2002/3/24)◆

♪第15話

♪Berio,Luciano(1925〜)

♪独断で決めつける有名な曲Best5

1.シンフォニア           ★★★
2.フォーク・ソングズ        ★★
3.女声のためのセクエンツァ第3   ★
4.オパス・ナンバー・ズー      ★
5.フルートのためのセクエンツァ第1 ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


笹崎の場合、ご多分に漏れず、ベリオとの最初の出会いは「シンフォニア」でした。現代音楽入門曲としてはMessiaenのトゥーランガリーラ交響曲あたりと並んであまりにもメジャーな曲。高校生の笹崎は、この曲を聞いてすぐ、Mahlerの交響曲第2番第3楽章にさまざまな曲(「水」に関連した曲、たとえば、Debussyの「海」、Beethovenの第6交響曲の「小川のほとりの情景」)が乗っかっていくコラージュの虜となったのでした。

大学時代はFMでたまに放送されるほかの作品を聞き、コラージュがないことに正直少々がっかりしながらも、「フォーク・ソングズ」の不協和音いっぱいの楽しい民謡編曲、女声のための「セクエンツァ第3」(夫人であったバーベリアンのために書かれた)の現代技法満載の超絶技巧など、Berioの不思議な魅力にはまる自分を発見。社会人になってCDをたくさん買えるようになってから音源は順調に増え、現在Berioの笹崎家CD音源は106、所持譜面は16。

せっかくなので、1曲ご紹介。メジャーな「シンフォニア」は解説も巷にけっこうあるので、ここでは室内管弦楽のための「レクイエス」を。演奏時間は約14分。

この曲の最大の特徴は冒頭から約10分間はすべてpppで演奏されること。冒頭は同じ音高のCis音を各楽器がそれぞれ違うリズムで奏でるところから始まります。スタカート奏法とレガート奏法はもちろん、弦楽器は違う弦でCisを弾き分けたりハーモニクスを使用したりするなど、さまざまな音色で同じCis音を弾き分ける。続いてE音が、その後D、F、A、Gis、Fis、G・・・という順序で、しかも決められた音高(オクターブ移調したりせずに)で加わっていきます。1つの和音を形成していくんですね。この12音列がどうできているか、なぜこの音列でこの和音なのか、この複雑なリズムはどういった計算で作られているのか、など研究すればさらにいろいろなことがわかりそうですが、笹崎はそこまで専門家ではないので。でもそこはBerioのこと、複雑な操作を行っているに違いありません。たとえ作曲技法がわからなくても、非常に複雑なリズムのなかに微細な色彩が浮き上がって印象的です。これがBerioの魅力。複雑さを忘れさせるだけの単純な美しさにあふれているように思います。

曲はその後、使う音を高音域に拡大しながら進み、低音はだいぶ時間が経ってから音域を増やします。そして冒頭から10分、はじめてのクレシェンドが出現。pppの微妙な変化に耳をそばてることに完全注力していたただけに、これは効果的。「そういえば、音楽にはフォルテという表現があったのを忘れていた」。そのくらい聴く人に新鮮な衝撃を与えます。そして、最後は急速に冒頭のCis音に収束して終わります。

音の選び方、オーケストレーションと音色、リズムの選び方、音楽のあらゆる要素すべてが高い次元で結合した時に表現される美しい音楽。この美しさの秘密は何なのか。これが完璧にわかれば、きっと作曲家になれるよね。


笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.シンフォニア 最近は3楽章以外に興味関心が移りつつある
2.レクイエス 完成度の高い音楽だと思う。なぜもっと演奏されないのか
3.フォーク・ソングズ 文句なく楽しい。室内楽伴奏とオケ伴奏の2バージョンあり
4.セクエンツァ第3 人間の声の表現力ってすごい。バーベリアンはすごい
5.ロンドンの呼び売りの声 これも楽しい曲。かなり複雑だが
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

音楽の仕組みはまったく理解していないのだけれど、コロという曲もきれい。セクエンツァ・シリーズのウルトラ技巧も大好き。独奏マンドリンのためにもセクエンツァ、書いてくれないものだろうか。

次回はBerlioz。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                      ★
★       今月のファリャ        ★
★                      ★
★  「恋は火祭り」より「魔術師の踊り」   ★
★                      ★
★                      ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
正しくは「恋は魔術師」より「火祭りの踊り」。
「恋は火祭り」の方が、人生そんな感じがしていいと思うのだけれど。
では、また。



◆笹崎の歴史2−16(2002/6/20)◆

♪第16話

♪Belrioz,Hector(1925〜)

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.幻想交響曲                  ★★★★
2.「ファウストの劫罰」より「ハンガリー行進曲」 ★★★★
3.序曲「ローマの謝肉祭」            ★★★
4.ロメオとジュリエット             ★★★
5.イタリアのハロルド              ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


Berliozは笹崎の趣味にもっとも合わない作曲家です。いまだにどこがいいのか、さっぱりわかりません。ファンの皆様、すみません。

Berliozと最初の出会いは、ごく普通に「幻想交響曲」。高校1年の時でした。出会いの時から、不幸でした。正直、気持ち悪かった。

ま、それでも世間では名曲と言われているのだから、今は理解できなくても良さを理解できる日が来るさ、と思い続けて20年。ミュンシュも聞いた、ガーディナーも聞いた、チェリビダッケも聞いた、ケーゲルもデュトワも聞いた。とうとう幻想交響曲のCD音源は19。にもかかわらず、ますます嫌いになっていくのでありました。よかったのはケーゲル盤のひび割れたような鐘の音くらいでしょうか(曲の中味とはまったく関係ないですね)。ファンの皆様すみません。

何がダメって、たるいのです。いらいらするのです。胃がむかむかするのです。早く先に進まんかい!なのです。笹崎は短気なのです。イラチなのです。

【笹崎は幻想交響曲のどこが嫌いか 例】
 1.1楽章冒頭のソソソソソソはあんなたくさんいらん! イラチ度50。
 2.1楽章序奏は長すぎる。半分でいい。和声もところどころヘンで、途中で気分悪くなってくる。
   イラチ度60。
 3.1楽章第1主題のオーケストレーションはかっこわる〜。とくに心臓の音、はずかし〜。
   rit.が気持ち悪い。イラチ度40。
 4.第2楽章旋律のrit.は最高に気持ち悪い。うげぇ。ジェットコースター並みに
   気持ち悪い。イラチ度70。
 5.第3楽章は最高にいらいらする。冒頭の呼び交わしは2回で充分じゃぁ。
   ちなみにこの楽章を聞くときは、毎回CDを途中で止めてしまう。こんな楽章いらん。
   イラチ度100。

てな感じ。笹崎的には聞けるところがあまりありません。へんちくりんな和声進行に気持ち悪くなるところも多々。ファンの皆様、すみません。

ところがっっ!!! 笹崎的には幻想交響曲よりいらいらする曲があるのです。それは「レクイエム」。もう、いらいらいらいらいらいらいらいらいらいら。1/5以下に短縮せんかぁ!!! どこが世界四大レクイエムの1つじゃ!!! 大きいのは楽器編成だけじゃろがーーー!!!(イラチ度200) ファンの皆様、すみません。

笹崎家にあるBerlioz作品は現在、譜面が16、CD音源は幻想交響曲を除いて87。けっこうあります。しかーし。どの曲聞いてもBerliozってこの一面はちょっといいじゃん、と感じたことがございません。誰かに良さを教えて欲しいと思っていましたが、もういいです。20年努力してダメならこの先もダメです、きっと。ファンの皆様、すみません。


笹崎の、とはいっても少々許せる曲Best5。

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.「ロメオとジュリエット」の冒頭 フーガのみ
2.幻想交響曲第4楽章 少々がまんすれば
3.序曲「ローマの謝肉祭」 冒頭数小節などほんの一部のみ
4.該当なし ファンの皆様、すみません
5.該当なし ファンの皆様、すみません
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はBernstein。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                     ★
★      今月の日本酒         ★
★                     ★
★     
悪乃代官(島根県)       ★
★                     ★
★                     ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
大宮の寿司屋で発見。
ほかのお酒が「端麗な辛口」「米によく合う」「癖がなく飲みやすい」などの評の中、
悪乃代官は「お主も悪よのう」。どんな味なのか一切わからんコメント。

では、また。



◆笹崎の歴史2−17(2002/10/2)◆

♪第17話

♪Bernstein,Leonard(1918〜1990)

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」トゥナイト ★★★★★
2.ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」マンボ   ★★★★★
3.ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」アメリカ  ★★★★★
4.ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」マリア   ★★★★
5.ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」サムホェア ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


僕が学生の頃、Bernsteinは指揮者として全盛期。1985年に来日したとき、行きましたよ。2回も。歴史1にも書いたとおり、Mahlerの交響曲第9番1曲のみのプログラムと、自作自演の「ハリル」「ウェスト・サイド・ストーリーよりシンフォニックダンス」、Brahmsの交響曲第1番というプログラム。当時「ハリル」は国内盤レコード(まだレコードだったなあ・・・)が出てなくて、輸入盤を石丸電気で一生懸命探したっけ。作曲家としてのBernsteinをたくさん聴くようになったのも、その前から上野文化会館で数曲聴いていたものの、これがきっかけだったような気がします。

笹崎が思うに、作曲家のBernsteinはミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」の印象があまりも強く、ジャズの語法を駆使したポピュラーな側面が強調されすぎているように思います。前衛手法を避けながらも、調性と無調の巧みな使い分け、ひそかに使われる12音列など、新しい音楽手法とロマンティシズムの両立を模索していたように思うのですが。

ジャズ的な側面、ポピュラー音楽としての側面が強いと認知されている「ウェスト・サイド・ストーリー」にしても、ちょっと分析しただけで綿密に設計された音楽であることがわかるのですが、そういえば、そうした楽曲分析って見たことないですね。試しにちょっとやってみましょうか。

「クール」の中で、ジャズ的リズムでフーガが出てくるところをご存じですか。そのフーガの旋律は、C−Des−H(シ)−B(シフラット)−A−Gis−E−Dis−D−G−Fis−F。そう。これ、12音列なんですね。

モティーフもいくつかあるのですが、1つだけご紹介。「G−C−Fis」。映画版では、ジェット団(の方だっけ?シャーク団?すみません、あやふや)の合言葉(?)として口笛で吹かれるモティーフです。シンフォニック・ダンスの冒頭のモティーフでもあります。このモティーフはC−G−↓FisやC−Fis−Gというように順序をしばしば変え、これまた重要な役割を果たします。さきほどの「クール」の合の手は「C−Fis−G」。マンボでは「G−D−↓Cis G−Cis−D」とトランペットで強奏されますし、「チャ・チャ」の冒頭もこのモティーフで始まって次第に変容して「出会いのシーン」もこのモティーフ。なによりも「マリア」のモティーフは「Es−A−B」ですね。

これにE音が加わったモティーフが「G−↓E−↓C−↓Fis」。「プロローグ」で大活躍するモティーフなのですが、ほかにもさまざま場面で使われます。ホイッスルが強く吹かれた後、「G−G−G−G−G− ↓E− G−↓D」と出るところってわかりますかね。ミュージカルでは「プロローグ」の最後ですが、ここの「G」音の和音は上から「G−↓E−↓C−↓Fis」となっていて、このモティーフに一致しています。さらに印象的なのは幕切れの部分。「Somewhere」のメロディーが管楽器でハ長調の三和音を奏で、不協和な低音Fisが鳴らされて全曲を終えるところです。気が付きましたか。これも上から順番に「G−↓E−↓C−↓Fis」ですね。

この幕切れ、笹崎はR.Straussの「ツァラトゥストラはこう語った」の最後の部分を思い出します。高音がロ長調の三和音で、低音がCの音。「ツァラトゥストラ」において、ロ長調で人間の世界を、ハ長調で自然を表わし、R.Straussは曲の最後で自然と人間の永遠の対立を示したのでした。推測にすぎませんが、Bernsteinの幕切れも「決して一緒になることのないもの」を暗示したかったのではないですかね。もしそうだとすれば、例に挙げたモティーフが三和音や五度という安定した世界とそれを壊し対立する半音から成り立っているのも説明がつくように思うのですが。

「G−C(四度または五度)」+「Fis」
「G−E−C(三和音)」+「Fis」

さわりだけ書きましたが、どうでしょう。でも、こんな理論的な分析をしなくても世界中の誰をも魅了し引き込んでしまう音楽である、ということにもっとも感嘆するのであります。20世紀に書かれたもっとも重要な音楽の1つであると信じて疑わないのですが、ほかの曲を含めてもっと評価されてほしいなあ。


笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」 今以上に評価されてほしいなあ
2.交響曲第2番「不安の時代」 ジャズもかっこいいが、全体がよくできてる
3.ハリル 変ニ長調の旋律にうるうる
4.交響曲第3番「カディッシュ」 完全にパーソナルな世界
5.ミサ曲 ロックバンドも加わる不思議なミサ曲
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はBizet。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★        今月の究極の選択         ★
★                         ★
★  巨人の選手/コーチ/監督と          ★
★  阪神の選手/コーチ/監督を、         ★
★  チーム名以外総入れ替え。           ★
★  さあ、あなたはどちらのチームを応援するか。  ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「巨人」という実体のない存在は何なのだろうと
妙に哲学的なことを考えてしまったりしません?
では、また。



◆笹崎の歴史2−18(2002/10/21)◆

♪第18話

♪Georges,Bizet(1838〜1875)

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 歌劇「カルメン」前奏曲     ★★★★★
2. 歌劇「カルメン」ハバネラ    ★★★★★
3. 歌劇「カルメン」闘牛士の歌   ★★★★★
4. 「アルルの女」ファランドール  ★★★★★
5. 「アルルの女」メヌエット    ★★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


どうしてホセはカルメンに情熱を注いでしまうのだろう。許嫁のミカエラのなんと純情なことか。ホセよ、何を血迷っているのよ、ミカエラがいるじゃないの。

ミカエラのアリア。カルメンと言えばこの曲。もうねえ、ほかの有名どころよりもね、これよ、これ。この曲を聞いてもカルメンのところに行っちゃうホセは、ダメ男だね。そういう笹崎は、昔からのミカエラ・ファン。

「カルメン」は音楽的に見ると、スペイン的あるいはジプシー的な要素と、Bizet本来のフランス的なというかサロン的というか、そういった要素とのコントラストがテーマになっているんじゃないかと思います。あんまりこういう見方をする人はいないのだけれど、きっとそれはスペイン的あるいはジプシー的要素があまりに強烈な彩りを放っているからでしょうね。でもね、コントラストという視点からオペラ全曲を見ると、より楽しめると思いますよ。ぜひ、お試しを。

さて、笹崎とBizetの曲の関わりですが、幼稚園に入るよりずっと前にレコードで聞いていた「アルルの女」第1・2組曲が初めての出会いだったと思います。「カルメン」組曲もレコードに入っていたようですが、覚えているのは「アルルの女」のメヌエットくらいかも。そんなに興味なかったようです。

Bizetに最初に興味を持ったのは、小学生の頃でしょうか。曲は、スペインのセレナード「君の心を開け」。知らないでしょ。Bizetの歌曲の中では、そこそこ有名どころではあるのですが。家に「世界歌曲名曲集」みたいな譜面があって、そこに集録されていたものです。でもあっという間に興味がほかの作曲家の曲に移っていったような。ちなみに、原曲は交響的頌歌「ヴァスコ・ダ・ガマ」の中の1曲で、オーケストラ伴奏。原曲の音源を探しているので、見かけたらぜひご一報を。

「カルメン」がまあまあ好きになったのは、大学生になってから。高校生の時に全曲を初めて聞いてはいますが、有名すぎて食傷気味というかなんというかで、気恥ずかしさが先に立ってしまうのでした。それを打ち破ったのが、FMから流れてきたザルツブルク音楽祭(だったかな)でのカラヤン指揮のライブ演奏。グラモフォンから出ている演奏より3年後の1985年の演奏。カレーラスがあまりのテンポの遅さに顔を真っ赤にして「闘牛士の歌」を歌う様子が伝わってくる絶演。ジプシー・ダンスの後だったかな、本場フラメンコの演奏が挿入され、その迫力にも圧倒されたものでした。

以降、Bizetといえば、「カルメン」でさえC.クライバーとカラヤン以外はよほどでないと聞く気がせず、積極的に聞きたいなと思うほかの曲は、とくにはないかなあ。笹崎にとってのBizetは、こんな位置付けです。あえて言えば、「アルルの女」のオリジナル版をプラッソン指揮のCDで一度は聞くべし、でしょうか。「管楽器のこのメロディーは合唱なのね。ということは通常演奏されるテンポは速すぎるんだね」などの発見があります。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.歌劇「カルメン」ミカエラのアリア カルメンといえばこの曲じゃないんですか?
2.歌劇「カルメン」1幕ミカエラとホセ二重唱 次はこの曲じゃないんですか?
3.歌劇「カルメン」花の歌 で、次はこの曲じゃないんですか
4.歌劇「カルメン」カルタの歌 そんでその次はこの曲じゃないんですか?
5.アルルの女(オリジナル版) 現行版って何だったの?と思えて興味深い
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

若書きの交響曲は、チェリビダッケ指揮の演奏がいいね。
次回はBorodin。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★         今月の誤変換          ★
★                         ★
★          茶色の小便          ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ああ、こりゃ病気かも。
正しくは、あの有名な曲「茶色の小瓶」。
「こてきたい」、正しく変換できるかな? 
「来てきたい」。うちのMacだめじゃん。

では、また。



◆笹崎の歴史2−19(2002/12/10)◆

♪第19話

♪Borodin, Aleksandr Porfir’evich(183 3〜1887) ロシア

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 歌劇「イーゴリ公」より「ダッタン人の踊り」 ★★★★
2. 交響詩「中央アジアの草原にて」       ★★★★
3. 弦楽四重奏曲第2番より第3楽章「夜想曲」  ★★★
4. 交響曲第2番                ★★
5. 歌劇「イーゴリ公」より序曲         ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


幼少時代の笹崎家にはレコードにBorodinの曲が含まれていなかったので(たぶん)、高校生になるまで1曲も知らないまま育ったのでありました。はじめて聞いたのは、「中央アジア」「ダッタン人」のどっちだっかな。誰もが通るであろう「チャイコ・ロシア大好き」の時期が過ぎてから聞いたためか、あまり印象なし。

ところが、大学に入ってからBorodin大尊敬人間に何回か会話を交わさなくちゃいけないはめになり、正直その内容がうっとうしくなってね。「真の天才だ」「旋律の美しさといったら」「あらゆる曲のなかでもっともかっこいい」・・・。「坊主憎けりゃ理論」でBorodinは嫌いな作曲家に仲間入りしたのでした。

今はというと、まあそんな嫌いでもなくなったけど、好きになる理由が見つからないというか。

なんで好きになれないかというとね。まず、「中央アジア」。あれって2つの旋律が重なるアイデア一発作品のように思うんだけど(ファンの皆さんごめんなさい・・・)、僕にははじめから「ネタばれ」という感じがするのね。曲を覚えちゃったからかもしんないけどさ。でも「重なる重なる」ってわかってても「おお、重なったー!」って毎回新鮮に喜べる作品はほかに多いからなあ。笹崎にとっての「中央アジア」は、ドラマもなく発見もなく時間だけが過ぎていく印象。ヒーリング音楽の起源は案外この曲にあるのかもしれないけど(笑)。あっそうか、BGMにはいいのかもね。

次。「イーゴリ公」。そもそも、オペラの筋がよーわからん。オペラの終わりはあんなんでいいわけ? 負けた方が突然歓呼して迎えられちゃう幕切れはあまりに唐突じゃないの? 時代のせいなのか、それとも未完の作品をRimsky−Korsakovが完成させたことと関係あるのか。

さらに、イーゴリ公の中の「ダッタン人の踊り」。この音楽展開のとりとめのなさは、僕には生理的に合わないんだな(編曲頼まれて丁重にお断わりしちゃいましたね・・・)。この時代のロシア音楽にはテンポ設定が計算上うまくいかない作品がたまにあるけど、「ダッタン人の踊り」はその代表格のように思います(ほかにチャイ5の4楽章、チャイコのロメジュリあたりかな、個人的には)。速い旋律と遅い旋律を重ねたり、理論上倍速に設定したりしてるところで、はたと困るんだよね。当時はちょうどよいテンポ設計で、時代とともに人間のテンポ感覚が変化したからなんだろうか? それともほんとうに設計ミス?

そうそう、Borodin進行と呼ばれているかどうかは知らないけれど特徴的な和声進行があって、それはちょっと好き。中音域の持続音の上で和声が半音階で落っこちてくるやつね(わかるかな、こんないいかげんな表現で、、、)。全音階で動くパターンもあるけど、こっちは僕に面白くないんだな。

Borodin大ファンの方、ごめんなさいね。適当に読み流してくださいませ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.交響曲第2番 あえて挙げるとこれかなあ
2.弦楽四重奏曲第2番 あえて挙げるとこれかなあ
3.ダッタン人の踊り冒頭1分 冒頭の速いところと合唱入るところまで。 あとはもういいや。
4. ううむ・・・
5. ううむ・・・
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はBoulez。はパスして(笑)、Brahmsの交響曲・協奏曲・管弦楽曲。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★        今月の車中観察          ★
★                         ★
★     電車のなかで毎日思うこと。       ★
★    「お前が持つなよ、ルイ・ヴィトン。」   ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ルイ・ヴィトン
似合わぬ女(ひと)ほど
持ちたがり

あっ、今多数の女性を敵に回したような・・・

では、また。



◆笹崎の歴史2−20(2002/12/28)◆

♪第20話

Brahms, Johannes (1833〜1897 ドイツ) 交響曲・協奏曲・管弦楽曲編

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. ハンガリー舞曲第5番  ★★★★★
2. ハンガリー舞曲第6番  ★★★★★
3. ハンガリー舞曲第1番  ★★★★
4. 交響曲第1番第4楽章  ★★★★
5. 大学祝典序曲      ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


笹崎のはじめてのBrahms管弦楽曲体験は、幼少時のハンガリー舞曲の5・6番あた。全曲覚えてはいたものの、そんな好きではなかったような気がします。

高校生になってから交響曲第1番を聴き、そこで初めてBrahmsと本格的な出会いをします。そのときの印象は、「転調やテンポ変化が激しくて、わかりにくいなあ」だったような。第1番は、まだ「最後には勝利が待っているのだ」というBeethoven的構成になっているため、ベト9と重ね合わせることができるのですが、4番など渋すぎて理解の範疇外。3番は弱音で終わるから興味なし。誰もが通るであろう「大編成特殊楽器大好き時代」に突入した笹崎青年にとって、2管編成でトライアングルが4番に入るだけの地味なBrahms交響曲は、少々遠い存在でした。それでも聞く機会は多かったので、美しい旋律やかっこいい部分は好きだったかな。

Brahmsが自分にとってかなり重要な位置を占める作曲家になったのは、大学生になり、形式や対位法に興味を持ってから。自然の中で秋の沈み行く夕日を眺めながらのBrahmsは最高、と思うまでに至る時間は意外と短かったような。

ということで、Brahms関心度年表。

(項目は順に 時期 笹崎のBrahms交響曲関心度 好きな順番 コメント)

高校初期  70 1-2-4-3 3番はpで終わるからね。
高校後期  60 1-2-4-3 Brahms倦怠期。
20歳    75 1-4-2-3 生バーンスタインでブラ1を聴く。バーンスタイン、ジャーンプ!
20歳くらい 95 4-1-3-2 形式分析に夢中になって、好きな順入れ替えスタート。
21歳    100 4-2-3-1 生チェリビダッケでブラ4を聴いて涙する。
25歳くらい 95 4-3-2-1 数々のCDを聴いて好きな順番が変わり、固定化。
30歳くらい 100 4-3-2-1 あらゆる作曲家のなかでBrahmsがもっとも好きだった時代。
37歳    80 4-3-2-1 再度Brahms交響曲の構造を研究。

Brahmsは「だましの方法論」で楽曲を書くことがだんだんわかってきました。詳しいことは専門的になりすぎるのでここには書きませんが、提示部では素材しか提示せず最後の最後まで完全な旋律を出さない綿密な計算、人間の拍子感覚を利用してわざと聴き手をリズムの路頭に迷わせるような心地よい裏切り行為など、ほんとよくできています。しかもここまで完璧に細工しているのにもかかわらず人工的作為を感じさせない。そこんところが職人魂に満ちていて、すごいなあと思うわけです。一方で最近は、あまりにも精巧にできているが故のある種の物足りなさのようなものを感じています。それは何なのか、自分でもよくわからないんだなあ。

協奏曲と管弦楽はこんな感じ。

          高校生 大学生 25歳くらい 30歳くらい 最近
ピアノ協奏曲第1番 40   50   60     65     70
ピアノ協奏曲第2番 40   50   65     75     80
ヴァイオリン協奏曲 50   60   70     80     80
二重協奏曲     70   80   70     65     60
悲劇的序曲     70   80   80     70     60
ハイドン主題    50   70   70     75     70
大学祝典序曲    40   50   40     40     55

大学祝典序曲はバルビローリの演奏を聴いて初めてまともな曲だと思いましたね。協奏曲群は、だんだん好きになってきています。とくに緩除楽章。



まとめ。
笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

交響曲編
 1.交響曲第4番
 2.交響曲第3番
 3.交響曲第2番
 4.交響曲第1番

協奏曲編
 1.ピアノ協奏曲第2番
 2.ヴァイオリン協奏曲
 3.ピアノ協奏曲第1番
 4.ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲

管弦楽編
 1.ハイドンの主題による変奏曲
 2.悲劇的序曲
 3.大学祝典序曲
 4.ハンガリー舞曲第1番
 5.ハンガリー舞曲第6番

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次回は、Brahms室内楽・ピアノ曲・声楽曲編。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★         今月の略称           ★
★                         ★
★      秩父セメント→ちちせめ        ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
肉の万世→にくまん

では、また。



◆笹崎の歴史2−21(2003/2/13)◆

♪第21話

Brahms, Johannes (1833〜1897 ドイツ) 室内楽・独奏曲・声楽曲編

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.ハンガリー舞曲第5番    ★★★★★
2.ブラームスの子守歌     ★★★★★
3.ハンガリー舞曲第6番    ★★★★★
4.ハンガリー舞曲第1番    ★★★★
5.ワルツ集より第15番    ★★★★ 

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


Brahmsのこのジャンルではじめて接したのは、有名なワルツ。小学校の時、たまに弾いてました。でも、その後ピアノ曲のレパートリーが増えるのはしばらくおあずけ。Brahmsは渋すぎるのよね。副題も付いてないし。「6つの小品」「幻想曲集」「4つの小品」なんてタイトルばっかりだと、音楽初心者は興味を持ちにくいのも無理はない。ということで、高校低学年までは室内楽もピアノ曲も声楽曲もほとんど出会わずじまい。

高校の2年か3年の時に、ラジオでクラリネット五重奏曲を聴いたのがこの分野を好きになった第一歩でした。当時は管弦楽分野以外はほとんど聴かなかったのに、なぜかこの曲だけは大好きに。わかりやすくて、かっこよくて、大編成・大音量でバカフォルテで終わってスッキリ、というスポーツマンシップにのっとった曲が好きな、ありがちな音楽初心者だったのに、それでも笹崎青年の心を離さなかったはじめての室内楽でした。このクラリネット五重奏曲、曲想は渋いし、音量大きくないし、最後ピアノで終わるし、当時の好みとは正反対なんですよね。世の中にはこういったタイプの音楽の味わい方があるんだ、という発見でした。ただ、この先の一歩がなかなかやってこなかったのね。これが、また音楽初心者らしい。

大学3年頃かな、Brahmsに限らずもうちょっといろんな室内楽を聴いてみようと思ったのは。Brahmsのなかでは比較的わかりやすい2曲の弦楽六重奏曲、2曲の弦楽五重奏曲、このあたりが当時は好きだったですね。音の厚みがありながら、管弦楽とは違った響き。管弦楽にはない、これまたすてきな世界が自分の中にどんどん広がっていく幸せな時期だったなあ。

一方ピアノ曲では、「2つの狂詩曲」「3つの間奏曲」、この2つの作品集の譜面を購入。これも大学の後半だったかな。とくに「3つの間奏曲」のしみじみとした味わいはとても好きになりましたね。ほぼ全曲弱音で淡々と進んでいく曲想。今でもお気に入りの曲です。笹崎がロシア大好き初心者からフランス大編成大好き初心者を経て次の段階に進んだのは、たぶんBrahmsの室内楽やピアノ曲が大きなきっかけになっているのだと思います。

その後も、じわじわとこのジャンルが好きになっていきました。CD買い始めの頃には早くも室内楽を全部揃え、ほどなく歌曲全集のCDと譜面を購入したり、合唱曲を集めだしたり。

実を言うと、今でも歌曲には深入りしていません。全集を2回譜面見ながら聴いただけなのね。逆に言うと、徐々に好きな曲が増えていく楽しみを今でも味わえるということかな。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
室内楽曲編
1.クラリネット五重奏曲 この曲に出会えてほんとうによかった。
2.ヴァイオリン・ソナタ第2番 笹崎家でよく合わせて遊ぶ曲。
3.ピアノ三重奏曲第1番 初期作品ではこれが一番好き。笹崎家結婚式でBGM使用。
4.ピアノ五重奏曲 4楽章の主題は「マイムマイム」にちょっと似てる気が。
5.ヴァイオリン・ソナタ第1番 伸びやかな第1楽章がとくに好き。


独奏曲編
1.3つの間奏曲 この曲に出会えてほんとうによかった。
2.ハイドンの主題による変奏曲 最後の主題の戻り方は何度聴いても何度弾いても素敵だ。
3.2つの狂詩曲 今でもよく弾く曲。
4.主題と変奏 弦楽六重奏曲第1番第2楽章の編曲。これもよく弾く。
5.台のピアノのためのソナタ 五重奏曲の編曲。これもクラヴィノーヴァでよく弾く。


声楽作品編
1.ドイツ・レクイエム この曲に出会えてほんとうによかった。
2.声合唱4つの歌(2Hrn、Hrp伴奏) 最初と最後の曲が好き。響きが美しい。
3.バスのための4つの厳粛な歌 いい曲なのだが、第1曲がどう聴いても「こがねむし」だ。
4.アルト・ラプソディ 最後長調になる瞬間が好き。
5.子守歌op.49ー4 今のところ、娘のいちばんのお気に入り曲
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回は、Britten。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                      ★
★        今月のイム         ★
★                      ★
★     手書きのバレンボイムは      ★
★   イムの部分がどうしても仏に見える   ★
★                      ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
笹崎の以前の住所は○○ハイム。
活字だと気にならないんだけど、自筆だとどうしても「ハ仏」に見えるんだよね。字と字の間をあければいいかも、と思って試したけれど、わざとらしくてかえって仏に見えてしまうのでありました。

イムイムイムイムイムイムイムイムイムイム。

ほら、どうよ。
では、また。



◆笹崎の歴史2−22(2003/3/4)◆

♪第22話

♪Britten, Benjamin (1913〜1976 イギリス) 室内楽・独奏曲・声楽曲編


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.青少年のための管弦楽入門    ★★★★
2.シンプル・シンフォニー     ★★★
3.4つの海の間奏曲        ★★
4.戦争レクイエム         ★★
5.シンフォニア・ダ・レクイエム  ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


笹崎の場合も、多くの人たち同様「青少年のための管弦楽入門」がBritten初体験だったように思います。細部を見ていくとほんとによく書かれていて感動ものなんですが、それがわかったのは大学も後半になってから。高校中盤までに聞いたのは、これとシンプル・シンフォニーくらいじゃなかったかな。

高校3年くらいから、「名曲解説事典全部聴くぞプロジェクト」にのっとり、少しずつBritten作品を聴いていったわけですが、スポーツ的音楽を指向する初心者にマッチする曲はあまりなく、「渋いね〜」くらいの感想しか持てず。「ソワレ・ミュジカル」「マチネ・ミュジカル」といったロッシーニ編曲作品くらいかな、とっつきやすかったのは。

それでもめげずにプロジェクトを遂行しているうちに、Brittenの印象を変える曲に出会います。それは「シンフォニア・ダ・レクイエム」。日本の皇紀2600年祝典式典用の音楽として委嘱されたものの、「祝典にレクイエムとは何事か」ということでそのときは演奏されなかったという曲ですね(なぜレクイエムかの理由には、平和主義者Brittenの日本の軍国主義への抗議説から単なる伝達ミス説からまで諸説あるようですが、詳しくないのでパス)。内に秘められた力が噴出するかのごとく悲痛な叫びを上げるこの曲に、文字通り打ちのめされたという感じでありました。長和音と短和音が容赦なく激突し、半音階的な旋律断片が波のように押し寄せ、抑えようとしても抑えられない内的感情を想起させる。最後の悲しい平和も印象的。この1曲で、笹崎はBrittenの大ファンになったのでした。

続いて、ラジオのエアチェックで聞いた「セレナード」。曲の冒頭と最後で自然倍音だけで吹かれるホルン・ソロの美しさ(最後は舞台裏で吹かれる)、切り詰められた音楽的要素だけで部分部分を構成していく作曲技法の確かさ。管弦楽しか聴かなかった大学生の笹崎青年が管弦楽伴奏歌曲を聴くのはレアなケースだったわけですが、いっそうBrittenへの愛好度を増したのと同時に、歌曲分野を徐々に聞き始めるきっかけにもなったのでした。

社会人に入ってからも、「戦争レクイエム」や「キャロルの祭典」、そして「ピーターグライムズ」を始めとする数々の傑作オペラとの出会いがありました。そのたびに新鮮な驚きがありましたね。とくに「戦争レクイエム」。出会えてよかったと心から思える作品の1つです。

オペラはLDでことごとく揃え、CD屋に行くたびにまだ持っていないBritten作品を購入しているうちに、主要作品をほぼ聞き終えてしまい、ちょっとさびしい今日この頃。最近の刺激は、2001年12月に歌劇「ヴェニスに死す」を生で見たことくらいでしょうか。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.シンフォニア・ダ・レクイエム この曲との出会いの衝撃は忘れられないのです
2.セレナード 少々調子はずれに聞こえるホルンの自然倍音も心地よい
3.戦争レクイエム 世界中の人が年に1回ずつ聴けば、戦争など起こらないのに
4.青少年のための管弦楽入門 変奏曲もフーガもすばらしい書法。しかも楽しい
5.歌劇「ヴェニスに死す」 テノール歌手ピアーズとの関係を暗示?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

続いて、Bruch。



◆笹崎の歴史2−23(2003/3/4)◆

♪第23話

♪Bruch, Max (1838〜1920 ドイツ)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.ヴァイオリン協奏曲第1番    ★★★★ 
2.コル・ニドライ         ★★★ 
3.スコットランド幻想曲      ★★ 
4.8つの小品(cl,va,pf) ★ 
5.ヴァイオリン協奏曲第2番    ★ 

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


有名なヴァイオリン協奏曲第1番を初めて聴いたのは、高校生の時。ティンパニのロールのあと、ヴァイオリンのカデンツァで始まる冒頭からして、ロマンチックでかっこいいと思ったものです。そして大学中盤までに、まあまあ有名な「コル・ニドライ」「スコットランド幻想曲」くらいはいちおう聴き終えたのでした。

笹崎は大学後半に楽曲形式分析時代に突入。そこでBruchは「さすがはドイツの作曲家、よく書けている」となるはずでした。ところが。「ありゃ。印象と違って、そうでもないじゃん」。Brahmsみたいな結果を期待してたのにな。かっこよく聞かせるだけの何かはあるんだろうけど、少々見掛け倒しって感じかな。

社会人になってから、3曲ある交響曲や協奏的作品集など、そこそこの数のCDは購入してきたものの、「Bruchは普通」という印象が強すぎたのか、いい出会いはないまま。2000年頃だったか、ヴァイオリンと管弦楽のための作品の譜面をまとめて海外発注して取り寄せたこともあるのですが、その印象も「悪くはないけど、とりたてて・・・」という感じ。

その後、Bruchは声楽作品、とくにオラトリオなどの大規模な管弦楽伴奏合唱曲を中心に書いていて、そちらの評価の方が高かったことを知ったのですが、CD化されている作品は少ないみたい。そのなかでいちばん有名とされるバラード「美しきエレン」をやっと見つけて購入。早速聴いてみたのですが、正直、うーむ・・・。いい出会いはこの先やってくるのだろうか。

マンドリン業界では、「ケルトの旋律によるアダージョ(チェロと管弦楽)」をたまにやっているようですね。でも笹崎的には、この曲もうむむだなあ。独奏パートは比較的弾きやすそうだけどさあ。どうよ?



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ヴァイオリン協奏曲第1番 ロマンティックだとは思うのだが・・・
2.スコットランド幻想曲 終楽章は華やかだとは思うのだが・・・
3.コル・ニドライ あえて挙げるが、かなり苦手な部類。
4.該当なし いい曲ある?
5.該当なし いい曲ある?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回は、Bruckner



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★       今月のスプレー落書き        ★
★                         ★
★          大和塊            ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
気持ちはわかるが、それは「かたまり」と読む。
大阪のどっかで見かけたのだが、場所忘れた。写真撮っておけばよかった。

では、また。



◆笹崎の歴史2−24(2003/8/15)◆

♪第24話

♪Bruckner, Anton(1824〜1896 オーストリア)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.交響曲第8番          ★★★★
2.交響曲第7番          ★★★★
3.交響曲第4番          ★★★★
4.交響曲第9番          ★★★★
5.交響曲第5番          ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


笹崎がオーケストラ曲を聞き始めた1980年代は、世に言うMahler・Brucknerブーム。長時間連続再生できるCD出現のおかげだろうね。なので、Brucknerを聴く機会はやたら多かったように思います。しかしながら、エアチェックを始めた高校時代前半は、さっぱりBrucknerのよさが理解できなかったのね。エアチェックした音源が初心者向けとは言い難いフルトヴェングラーだったことも災いして(?)、全体像がつかめなかったなあ。初めて好きになった曲は4番「ロマンティック」。形式がまあまあわかりやすいかったこともあるでしょう。でもね、正直言うと、ラッパがかっこいいじゃない、スケルツォのホルンとかさ。そして、分厚い和音のフォルテッシモ。当時のスポーツ的音楽観にはフィットしたわけ。

何のことやらわからなかったBrucknerですが、当時はさすがはブーム、何回も聴かされれば覚えるというもの。ソナタ形式の原理を理解したところでさらに身近な存在になり、7番・8番・9番が好きになっていきました。朝比奈隆指揮で9番とテ・デウムを聴いたのは大学1年。いい思い出ですね。

そしてある日、エアチェックしていてすごい演奏に出会ってしまいます。後にも先にも、エアチェックしながら涙してしまったのは、この音源ただ1つ。それは、チェリビダッケ指揮の交響曲第5番。1つ1つの音の丁寧さ、曇りのない絶妙な和声作り、ゆっくりとしたテンポでありながら全体の流れが手にとるようにわかる構成力。とにかくびっくりでした。今まで聞いてきたBrucknerはいったい何だったのか。チェリビダッケを生で聴いた直後、1986年頃の出来事でありました。っていうか、放送されたのは東京ライヴじゃなかったかな、いくつかあったプログラムの中で行かなかったプログラム・・・。今思うと、ほんとに大失敗。全部行っておくんだった。でも学生はお金がないからなあ。

それ以降の来日時は、社会人になったのでことごとくすべてのプログラムを押さえることができ、チェリビダッケの生Brucknerを何回か聴くことができました。4番、7番、8番。残念ながら、5番と9番はやらなかったなあ。4番は4楽章最後のピアニッシモから始まる弦の3連符トレモロのところで目が潤みました。場所、わかりますかね。まあ、わからなくてもいいですけど。スコアには2/2拍子と書いてあるのだけれど、8/8拍子くらいの超スロー・テンポ(しかもどういうわけかちゃんと2/2拍子に聞こえる)。これから始まる長大なクレッシェンドを予感させつつ、このうえもない緊張感が漲り、満員の会場が完全に凍りました。会場内の空気を構成する分子1つ1つが、その動きを止めてしまったかのような。

ほかにチェリビダッケのBrucknerでよく覚えているのが、弦のピアニッシモのトレモロの方法。通常は弦の先端部分で速いトレモロをするのですが、チェリビダッケの場合は全然違いました。いくつかの演奏法を使い分けていたのです。その中でもっとも印象的だったのが、トレモロのいちばん始めを弓を長く使って時間もかけて演奏し、徐々に弓を短く使いながら時間も短くしていく方法。デリケートで、緩やかな深い呼吸。各個人によって弓を返すタイミングをあえて揃えず、それがかえってBrucknerらしい広がりのある音空間を醸し出しているのでありました。トレモロ楽器を扱う身としては、意外性を感じると同時に、音楽の本質を突きつけられたかのような感じを受けたものです。

そのチェリビダッケが亡くなったのが1996年。もうあの音を生で聞くことはできない。この事実がいまだに笹崎のBruckner鑑賞に大きく影響しているのであります。そのくらいチェリビダッケのBrucknerは自分にとって特別な音楽体験でした。そうねえ、チェリビダッケ以外でこの人の演奏だったら評価したいというのは、晩年(1990年代後半以降くらい)のギュンター・ヴァント、晩年のオイゲン・ヨッフム、カラヤンの一部、ジュリーニくらいかなあ。

いろいろ書きましたが、Brucknerは自分にとってまだ研究不足の作曲家。時間があれば、版の研究などしたいなあと思っております。できるのかな。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.交響曲第9番 3楽章の最後は何かに祈ってしまう
2.交響曲第5番 終楽章最後のコラールはいつも感動する
3.交響曲第8番 とくにアダージョがいい
4.交響曲第7番 第1楽章第1主題がいちばん好き
5.交響曲第4番 今でもスケルツォのすがすがしさが好き
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

最近、第6番がとても気になる。不完全さがいいのだろうか。
合唱曲は、「テ・デウム」「詩篇150番」「ミサ曲第3番」の順。



続いて、Busoni。あ、やっぱやめ。Buxetehudeは書けそうもないし。
ということは、B終了でC突入。Cageです。



◆笹崎の歴史2−25(2003/8/15)◆

♪第25話

♪Cage, John(1912〜1992 アメリカ)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.4分33秒         ★★★★ 
2.ソナタとインターリュード  ★★
3.ある風景の中で       ★
4.季節はずれのヴァレンタイン ★
5.夢             ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


良くも悪くも「4分33秒」だけが音楽愛好家以外にも有名になりすぎている作曲家ですね。芥川也寸志さんの「音楽の基礎(岩波新書)」という、音楽に関わる人であれば誰もが読むべき本がありますよね。僕は高校の時に読んだのですが、その中にあったんじゃないかな、「4分33秒」の話が。

Cageの曲を初めて聴いたのは何の曲だっけ。ラジオで晩年作品の初演をいくつか聴いたような(僕が高校生・大学生の頃はご存命でいらっしゃいましたので)。でも、正直ほとんど印象がないのよ。

社会人になって自分のお金でCDが買えるようになって、「現代音楽の世界を代表する一人なんだから聴いておかねば」という一種の義務感から何枚か購入したのですが、これまたそんなには印象はないなあ。

Cageの曲って、正直なところライナーノーツを読んでいるほうが楽しかったりして。「12台のラジオを並べてそれぞれ易によって決められた方向にダイヤルを回す。夜中だったので、とても静かな音楽になった」みたいなのってさ、読んでる方がよくない? だってさ、ラジオのガーピーいう音を実際に聴くよりもイマジネーションが膨らまむ気がするんだけど。Cageの最大の発明の1つ、プリペアードピアノも、笹崎的には、音楽の中身よりも音色そのものが変な具合な「演奏」の方がおもしろかったりするんだよね。

30歳超えてから、CageのLDを購入。これが今のところいちばん強い印象かな。「偶然というのは、ここで音を出そうと考えること自体、真の偶然ではないんだ。音を出す本人でさえどこで音が出るかわからないのが本当の偶然なのでは」みたいなことを言って、大の大人3人(?)がほら貝の中に水を入れてゆっくり回すという曲の演奏シーンがありましてね。確かに意図しないところでコポコポいうんですな。おもしろい音のする瞬間はけっこうあるんだけど、「音楽としてどうよ」と聞かれると、ちょっと答えに窮するかな。

悟ったこと。「Cageの曲を演奏する場合、その瞬間瞬間が面白くなるかどうか、それは偶然性に委ねられている。そして、その瞬間を聴き手が面白いと受け取るかどうか。これもまた大いなる偶然性に委ねられている」。どうよ、この笹崎理論。

「音楽とは何だろう」に真正面から取組み、われわれに純粋に音に耳を傾けることを教えてくれた偉大な哲学者であるというのが、笹崎の印象かな。Cageは偶然性の音楽の印象が強いのですが、譜面に確定させた曲も多数書いていますし、それ以外の実験的作品も数多いです。そして、偶然性以外にもCageの功績があることはよくわかっています。ただ、やっぱりね。これ以上のコメントできないっす。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.おもちゃのピアノのための音楽 アンプにつながっていて、変な音が一緒に鳴るのが何かいい
2.ほら貝の音楽 大の大人がほら貝を回す姿はシュールでいい
3.ソナタとインタリュード プリペアード・ピアノの妙な感じを堪能できる
4.ミステリアス・アドヴェンチャー これもプリペアード・ピアノ。ガムランっぽくて楽しい
5.12台のラジオのための心象風景第4 生で見てみたい気が少しだけする。ラジオを12台買えば演奏できるとも言う。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

印象に残っているものを挙げてみた、という感じ。
けっこう音源は所持しているのですが(お、140も音源がある・・・)。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★     今月の似ているが非なるもの       ★
★                         ★
★    「銀座の母」と「銀座のママ」       ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
以前、「銀座の母」が看板を持って千代田線で通勤しているのを発見。
「銀座の母」って何人かいるの?

では、また。



◆笹崎の歴史2−26(2003/10/21)◆

♪第26話

♪Chabrier, Emmanuel(1841〜1894 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.狂詩曲「スペイン」      ★★★★
2.楽しい行進曲         ★★★
3.田園組曲           ★★★
4.ブレー・ファンタスク     ★★
5.幸福の島           ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


CasellaやCastelnuovo−Tedescoも取り上げようと思ったんだけど、いいよね。一通り終わったら補足編やるからさ(何十年後だよ?)。

さて、Chabrier。やっぱり狂詩曲「スペイン」だったんじゃないかな、初めてのChabrier体験は。高校時代初期だったと思います。音楽初心者には楽しい曲だよね。シンコペーションばっかりで一瞬何拍子なんだかよくわからなかったなあ。管弦楽では、ほかに「楽しい行進曲」が好きでしたね、当時は。

僕はピアノ弾きなので、高校生・大学生の頃は「絵画的小品集」(「田園組曲」の原曲)もよく弾いてました。おしゃれだし、そんなに技巧的に難しくないし、そこそこ演奏効果が上がる(つまり、かっこいい)のがその理由だったと思います。

今の笹崎にとってのChabrierの魅力は、和声のおしゃれさということもあるけれど、むしろ、優れた演奏家が演奏した場合そのセンスを享受できる曲が多いところにあります。真っ向勝負とは違う魅力ってあるよね。バルビローリの演奏なんてほんと心温まるし、ガーディナーのも楽しかったなあ。逆に、アマチュアが背伸びした演奏はごめんだね。あくまでも「余技」でないとさ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.狂詩曲「スペイン」 おしゃれなアンコー ルピース
2.楽しい行進曲 かわいいアンコール ピース
3.歌劇「いやいやながらの王様」より「ポーランドの祭り」 楽しいアンコールピ ース
4.絵画的小品集 お気楽にピアノで
5.ブレー・ファンタスク お気楽にピアノで
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

よほどの機会がない限りほとんど聴かないね。
C.クライバーがアンコールで振ってくれたら、きっと至福のひと時。
でもまあ、彼は普段は引退してるから・・・





◆笹崎の歴史2−27(2003/10/21)◆

♪第27話

♪Chausson, Ernest(1855〜1899 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 詩曲                      ★★★
2. ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲 ★★
3. 交響曲                     ★★
4. 愛と海の詩                   ★★
5. 終わりなき歌                  ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


Chaussonというと、指揮棒を足に刺してしまってその傷が原因で亡くなってしまったLullyと共に、自転車事故というなんとも不思議な死因で後世に伝えられる作曲家、というイメージなのかしら?

音楽初心者にはとっつきにくい作曲家の一人で、高校生のときにはじめて聞いた有名な「詩曲」も、当時の笹崎にはさっぱり理解できず。和声の不思議なうつろい、覚えにくいうねうねした旋律、標題もなく地味な絶対音楽。スポーツマンシップとは対極にあるこの作曲家、興味を持てませんでした。ま、Chaussonが好きな音楽初心者ってのも嫌味だけどさ。

笹崎が大学時代に聞いたChaussonのほかの曲は、きっと交響曲くらいだと思います。そもそも管弦楽作品は少なく、室内楽と声楽に佳曲が集中しているので、管弦楽大好き初心者には触れる機会が少ないのですね。

Chaussonがじわじわ好きになってきたのは、社会人7〜8年目くらいからかな。コンセール(ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲)が気に入りまして。それまで何回か聞いていたはずなのに。時期が来ないとよさがわからない作品ってあるのね。それ以来、歌曲や室内楽のCDを探しては少しずつ聞いています。でも、地味だからCDそれほど出てないんだな。譜面も取り寄せないと手に入らないし。

ところで、有名な「詩曲」は数年前まであんまり好きになれなかったのです。伴奏の音色がもっさりしているのが気に入らなかったんですな。ところが、1996年に発見されたとされるコンセールと同編成の作曲家自身編曲六重奏版のCDが出て、印象が大きく変わりました。オケ伴奏版だって、当時のガット弦で演奏すれば、きっとクリアな感じになるんでしょうね。変に分厚い音はChaussonの頭の中になかったはずだと思います。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ピアノ四重奏曲 一番に推すのに賛同が得られるのだろうか
2.ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲 シシリエンヌが最高
3.詩曲 六重奏版の方が好き
4.ピアノ三重奏曲 若い頃の作品。情熱がほとばしっていていい
5.愛と海の詩 声楽作品ではこれが好き
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10年もしたら、Best5はきっと変わっているような。

次回はChopinから。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                     ★
★     今月の似て非なるもの      ★
★                     ★
★     千恵子抄と塩コショウ      ★
★                     ★
★                     ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ネタください(願)。
では、また。



◆笹崎の歴史2−28(2003/12/10)◆

♪第28話

♪Chopin, Frederic(1810〜1849 ポーランド→フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.ピアノ・ソナタ第2番より葬送行進曲   ★★★★★
2.24の前奏曲より太田胃散のテーマ(笑) ★★★★★
3.夜想曲第2番              ★★★★★
4.幻想即興曲               ★★★★★
5.練習曲集より「別れの曲」        ★★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


改めて感じたんだけど、有名な曲が多いよね。子犬のワルツ、英雄ポロネーズ、黒鍵のエチュード、革命のエチュード、木枯らしのエチュード、夜想曲第20番(遺作)、雨だれの前奏曲、このあたりの有名度は甲乙つけがたし。

さて、笹崎とピアノ曲の関係ですが、どの作曲家が自分の中心にあるかが定期的(?)に入れ替わるのです。Chopin、Schumann、Schubert、Debussy、Bach、たまにBeethoven、この6人が中心。これ以外にはMozartとAlbenizがたまに来るくらいで、しかもめったにローテーション入りしませんね。皆さんはこんなローテーション、あります? 作家とか漫画家とかでもいいんですけど。笹崎だけかな? で、今はたまたまDebussy期なのです。Chopinのこと、うまく書けるんだろうか。

さて、はじめてChopinで好きになった曲は、歴史1にも書いたとおり、夜想曲第2番。笹崎がピアノを習い始めるきっかけになった曲です。

小学校の頃は、ワルツ集、夜想曲集をよく弾いてました。あとは幻想即興曲とか別れの歌とか超有名どころ。譜面はこれしか持っていなかったかも。手が小さくてオクターブ届かなかったので、弾ける曲が増えなくてね。指は回るのに、悔しかったなあ。

中学に入ってぎりぎりオクターブが届くようになり、体育会系ピアニストへの道へと進みます。ポロネーズ、スケルツォがレパートリーに加わります。興味の焦点はいかにスピード感あふれる演奏をするかにかかっており、子犬のワルツを1分30秒以内に弾き切るとか、スーパーカーのようなスピードでスケルツォ第1番を弾き飛ばすとか、ろくなことはしませんでした(ちなみに、今はやろうと思っても技術的にそこまでは弾けません)。

高校に入ってからは管弦楽に興味は移りましたが、前奏曲・練習曲・ソナタなど残りの主要譜面を買い、まあそこそこ弾いていたと思います。

大学に入って、形式分析に興味を持った時、Chopinが初めて自分の好みからはずれていきました。理由はChopinはほとんど展開しないから。3部形式を基本としていて、対位法なんかも使わないし。チェロ・ソナタを好きになったのはこの時期。ちょっと展開するからね。

それから先は、好きになる時期と、興味を持たなくなる時期が、不定期にやってきます。なんて表現したらいいのかな。ある種の恥ずかしさを感じてしまう時期と、この「こそばゆさ」がいいんじゃないかという思う時期。即興性が自分のベクトルと合う時期と、即興的すぎて物足りなくなる時期。その時々によって感じ方は違うんですよねえ。好きになるときも、1曲だけ好きになったりするしなあ。ピアノ・ソナタ第3番と幻想曲は、それぞれ2ヶ月くらいずっと練習してたことあるし(練習曲は練習して大部分挫折)。

社会人になって一時期凝った曲一覧

 ○24歳頃 チェロ・ソナタ
 ○24歳頃 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
 ○27歳頃 24の前奏曲
 ○28歳頃 バラード第4番
 ○32歳頃 夜想曲第17・18番
 ○32歳頃 幻想曲
 ○33歳頃 ピアノ・ソナタ第3番
 ○34歳頃 練習曲集
 ○34歳頃 舟歌

やはり一時期に集中していますね。現在のChopinに対する興味は「普通」。今の笹崎は、色彩、色の混ぜ方に興味があるようなので、そういう意味では興味の対象としては物足りないのね。ちょっと前までは和性の遷移による色彩の遷移に興味があったようなので、そこでは曲によって面白さを感じていたんですがね。きっとこれからも好きになったり、興味が失せたりし続けるんだろうなあ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.夜想曲17・18番 叙情的で静かな静かな音楽
2.ピアノ・ソナタ第3番 第1・3楽章がとくに好き
3.チェロ・ソナタ 第1楽章と第2楽章トリオがとくに好き
4.バラード第4番 冒頭がとくに好き
5.舟歌 これは好きになったりそうでもなくなったり
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時期によって、順番がころころ変わる作曲家なのであります。





◆笹崎の歴史2−29(2003/12/10)◆

♪第29話

♪Copland, Aaron (1900〜1990 アメリカ)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. エル・サロン・メヒコ    ★★★
2. ロデオ           ★★★
3. 市民のためのファンファーレ ★★
4. アパラチアの春       ★★
5. ビリー・ザ・キッド     ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


高校時代に聞いた「エル・サロン・メヒコ」が初めての体験。スポーツ的音楽観時代に はマッチする曲ですね。変拍子がかっこいい。個人で楽しむためのピアノ編曲もしまし たねえ。あの頃は若かった。

大学時代初期もロデオやビリー・ザ・キッドなど、ブラスバンドで演奏されるような曲 を中心に聞いてました。わかりやすい、音がでかい、かっこいい、リズミック。

その後、単純な作りに少々飽きがきまして。形式分析に興味ある間は、飽きたまんま。

再び興味を持てたのは、この音の数の少なさは一つの個性ではないかと思ったとき。そ れがほんとうにこの作曲家ならではの個性なのかどうかはさておき、でも、音数、少な いよね。それでいて、そこから生まれる効果は絶大なものがあるし、その透明感・純粋 さがいいと思ったのであります。とくに管楽器のアンサンブルは素敵だなあ。すかっと 風通しよく気持ちいい。

ということで、今段階で順位付けをするとこんな感じ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.クラリネット協奏曲 前半が透き通っていてよい
2.ビリー・ザ・キッド 冒頭の純粋さがいい
3.ロデオ 以前は「ホーダウン」が好きだったが、今は「牧場の夜想曲」
4.交響曲第3番 「市民のためのファンファーレ」を含んだ曲
5.エル・サロン・メヒコ ま、基本だからね
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はDebussy。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                          ★
★  ファミレス入り口で書こうと思って書けない言葉  ★
★                          ★
★        1.おぶぎょう           ★
★        2.おだいかん           ★
★        3.ごいんきょ           ★
★        4.おとの             ★
★        5.おたがい            ★
★        6.ひめ              ★
★                          ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

「3名でお待ちの、お奉行さま〜、お奉行さま〜。」

では、また。



◆笹崎の歴史2−30(2004/1/5)◆

♪第30話

♪Debussy, Claude Achille(1862〜1918 フランス) ♪ピアノ曲編


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.月の光(ベルガマスク組曲)   ★★★★★
2.ゴリウォーグのケークウォーク  ★★★★
3.夢想              ★★★★
4.亜麻色の髪の乙女        ★★★★
5.沈める寺            ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


「月の光」「夢想」くらいしか知らなかった小学校時代。まあ、普通知らないわな。ピアノを習うと、しばらくは間違いなく古典派とバロックばっかりになるから、フランス音楽にあんまり接する機会がないのです。この間にピアノやめてしまう人が多いんだろうなあ。

笹崎がDebussyのピアノ曲をはじめて好きになったのは、小学校6年のとき。きっかけは「子供の領分」の「ゴリウォーグのケークウォーク」の曲と曲名が一致したこと。なんでそれ以前にこの曲を知っていたのかは忘れたんだけど、レコード屋さんで楽譜を立ち読みしていたら、偶然見つけまして。こういうときってうれしいよね。すぐこの作曲家が好きになり、「版画」「前奏曲集」「喜びの島」「映像」あたりの主要な譜面を購入。めちゃくちゃなテンポと解釈で弾きまくったのでありました。

小学校・中学校の頃は、どちらかというと初期の作品が好きだったなあ。サロン的な作品とされるやつですね。「夢想」「バラード」「ベルガマスク組曲」「ピアノのために」、このあたり。中期作品は「水の反映」「沈める寺」くらいかな。そうそう、ピアノ連弾のための「小組曲」を片方のパートを録音して合わせてましたね。「小舟にて」「メヌエット」が当時いちばん好きだったかも。わかりやすい旋律や甘美な和声がよかったのでしょう。ピアノの先生のところで習っているHaydn、Mozart、Beethovenとは違った、ある種のエッチさに、笹崎少年は虜となったのでありました。

高校時代、うーん、記憶なし。

大学時代、うーん、記憶なし。「形式分析期」においては、Debussyの曲の形式は、表面的には面白くないので、興味は深くならなかったです。

社会人10年目くらいからですかね、和声・音色・色彩といったものに徐々に興味が移ってくるとともに、どんどんDebussyに傾倒していきました。今まで良く知っていたはずの作品群なのですが、どれもが新鮮に映るんですね。「前奏曲集」(とくに第2巻)、「映像」(とくに第2集)に、自分の感性と、好きな音楽の方向性にベクトルが一致しました。2001年にメトロポリタン・マンドリン・オーケストラで過去の委嘱作品をCD録音していますが、その直後から、いっそう和声・音色・色彩への興味に拍車がかかり、「前奏曲集第2巻」「映像第2集」は、現在の笹崎のもっとも好きなピアノ作品となっています。ピアノ曲のマンドリン・オーケストラ向け編曲も、2002年・2003年で3曲。しばらくこの傾向は続くかもね。

でも、あの頃はDebussyが好きだったよなあ、と振り返る時期も来るんだろうなあ、きっと。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.前奏曲集第2巻 どの曲も好きだなあ。「交代する三度」「花火」は弾けないけど。
2.映像第2集 どの曲も好きだなあ。「金色の魚」は弾けないけど。
3.前奏曲集第1巻 どの曲も好きだなあ。前半の曲の方が好きかな。
4.映像第1集 どの曲も好きだなあ。「水の反映」がとくに好き。
5.版画 どの曲も好きだなあ。「グラナダの夕べ」は昔から好き。
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◆笹崎の歴史2−31(2004/1/5)◆

♪第31話

♪Debussy, Claude Achille(1862〜1918 フランス) ♪ピアノ曲以外編


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.牧神の午後への前奏曲  ★★★★
2.交響詩「海」      ★★★★
3.夜想曲         ★★★
4.イベリア        ★★★
5.美しき夕べ       ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


一方、管弦楽の作品は高校に入ってからの出会い。国内版スコアが出ているのが「牧神の午後の前奏曲」と「海」くらいだったので(今はもっと増えていますね)、高校初期はこのくらいしか聞いていなかったような。

高校2年の時だったか、夏休みに家族で軽井沢に出かけたものの大型で強い台風が来てしまい、外に一歩も出られず、テレビで気象情報を見ながらたまたま持ってきていた「海」のスコアを眺めるしかなかったという思い出がありまして。このときかな、眺めながらDebussyってすてきだな、感じたのは。窓越しに見る横殴りの雨のうねりと相俟って、流体の美を感じたものです。笹崎青年、感性豊か。

私見だけど、Debussyって音楽初心者にとっては比較的わかりにくいのね。きれいだな、とは思うのだけれど、かっちりしたわかりやすい形式で書かれていなくて覚えにくい。同じフランス作曲家でも、Ravelの方が覚えやすいんだよね。全体が見通しやすい。なので、高校時代はDebussy<Ravelでした。

高校後期からの「上野文化会館で聞きまくる期」で、さまざまな作品に出会いますが、追加で好きになったのは「夜想曲」くらい。それもわかりやすい第2楽章の中間部くらいですかね。笹崎青年にとってのDebussyは、全体像をとらえにくいというか、くもくもした感じがするというか、ピアノ曲ほど好きにはなれませんでした。大学前期の「形式分析期」においても同様。室内楽で「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」が独特の楽器編成から好きになったものの、当時の笹崎にとって重要な作曲家というわけではありませんでしたね。

それが、何で好きになったんでしょうね。編曲したからかな。

マンドリン・オーケストラ向けの編曲は、1995年JMJの「牧神の午後への前奏曲」「夜想曲」が初めて(悪夢のような思い出。運営サイドに今でも腹が立つ)。あれ、自分でも意外だな。それまで編曲していないんだ・・・

メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ向けは1998年の「春」が初めて。あれ、自分でも意外だな。それまで編曲していないんだ・・・

ま、少なくとも1995年までには、Debussy>Ravelの関係になっていたように思います。その後は、ピアノ曲同様、2001年を境にさらに好きになっていったのですが、ピアノ曲ほどの愛好度ではないです。なんでですかね。ピアノ曲が特別な偏愛の域に達してしまっているからでしょうか。



笹崎の好きな曲Best5

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1.牧神の午後への前奏曲 けだるい感じが、じわーっとくるんだよね
2.歌劇「ペレアスとメリザンド」 光の少ない世界とまばゆい光との対比が天才的だと思う。
3.交響詩「海」 第1曲が好きだったけど最近は第2曲
4.夜想曲 年とともに第3曲がどんどん好きになる
5.映像第3集 年とともにイベリアの第2曲がどんどん好きになる
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室内楽では「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」。合唱曲・歌曲はほぼ全曲譜面もCDも持っているのだけれど、全く得意分野ではないです。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                       ★
★        今月の映画音楽        ★
★                       ★
★     映画「すべては愛のために」     ★
★     音楽:フジ子・ヘミング       ★
★                       ★
★       ショパンでは?・・・      ★
★                       ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

間違っちゃいないのだが。

では、また。



◆笹崎の歴史2−32(2004/2/10)◆

♪第32 話

♪Delius, Frederick (1862〜1934 イギリス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 春を告げるかっこうを聞いて     ★★★
2. 川辺の夏の夜            ★★
3. イギリス狂詩曲「ブリッグの定期市」 ★★
4. 歌劇「イルメリン」前奏曲      ★★
5. 幻想曲「夏の庭で」         ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


Deliusは、「Deliusの作品」とひと括りにされてしまうことが多くて、最高傑作はどれっていう話はあまりされないのかな。有名度という点からも苦労しましたが、上記ランキング、いかがなもんですかね。

笹崎がはじめて聞いたDeliusは、たぶん「春を告げるかっこうを聞いて」。高校最後の頃か、大学入ってからか。上野文化会館で「イギリス狂詩曲」と「楽園への道」を聴いた記録は残っているのですが、正直覚えていないなあ。体育会系の聴き方をしているうちは、なんとも頼りなく、盛り上がりに欠ける作曲家という印象でした。曲のタイトルもどれも何か似ていて、インパクトに欠けている感もありましたね。「夏の庭で」「夏の歌」「真夏の歌」「川辺の夏の夜」「夜明け前の歌」「日没の歌」。ほらね。区別つかない。

社会人になってからも、ほとんどDeliusとは縁なし。譜面もほとんど揃わなかったです。旋律が覚えにくいのと、和声が次々と移ろうので、とらえどころがなかったのでしょう。印象に残らない作曲家、という感じでした。

Deliusに興味を持ったきっかけは、指揮者のバルビローリが好きになったことに端を発します。30歳過ぎくらいですかね。

EMIから出ている2枚の管弦楽作品集に加えて、バルビローリ・エディションと題された2枚のCDが出ていて、いずれもとてもいい。今まで聴いていたDeliusはなんだったのかという感じ。このあと有名なビーチャム指揮の作品集を購入。曲によってはビーチャムの方が好きだけど、笹崎的にはやっぱり基本はバルビローリかなあ。とくにイギリス狂詩曲「ブリッグの定期市」と古い黒人奴隷の歌による変奏曲「アパラチア」の2曲は、バルビローリ最後の録音でもあり、感慨深いですなあ。

とはいえ、まだまだ笹崎はDeliusに関しては初心者。これからもっと好きになりそうな予感がするものの、まだとらえどころがない感じが多少残ったまま。興味はGrieg風の初期作品から後期作品に移りつつありますが、後期になればなるほど控えめに野に咲く一輪の名も知らぬ花のような存在の曲ばかり。まだ後期作品を聴きながらしみじみする日々は遠いのかもしれません。



笹崎の好きな曲Best5

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1.ブリッグの定期市 間奏部分が涙を誘う
2.アパラチア ハミングばかりだった合唱が黒人奴隷の歌を歌い始める瞬間
3.春を告げるかっこうを聞いて ひたすら平穏ななか、控えめに鳴くかっこう
4.夜明け前の歌 冒頭旋律がなんとも美しい
5.楽園への道 歌劇「村のロメオとジュリエット」の間奏曲。静かで美しい
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後期作品のチェロ・ソナタとチェロ協奏曲あたりが気になるが、まだあんまり覚えていないです。





◆笹崎の歴史2−33(2004/2/10)◆

♪第33話

♪Denisov(Denissow), Edison Vasil’evich (1929〜1996 ロシア)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. サクソフォン・ソナタ  ★
2. 該当なし
3. 該当なし
4. 該当なし
5. 該当なし

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


笹崎が大学生の頃だったですかね、Schnittkeが多少クラシック界で流行しまして、そのときにGubaidulina、Denisov、Paertと併せてロシアを代表する4人の現代作曲家として紹介されたような記憶があります。そのなかでもっともとっつきにくい作曲家がDenisovではないでしょうか。

半音階や微分音でのトリルの連続や、半音階でうねうねする細分化された複雑な連符のラインをさまざまな方法で幾重にも重ねる手法が特徴的で、当然拍節感はなく(連符はしばしば小節線をまたぎます)、これらがとっつきにくさの要因なのかもしれません。

初めて聴いた曲が何かは忘れてしまいましたが、「ヴィオラ協奏曲」との出会いは衝撃的でした。Denosovの特徴であるうねうねした動きが続き、最後の最後で突然Schubertの「即興曲op.142−2変イ長調」の主題がチェレスタで引用され、変奏され、再び半音階の波に溶解していく様に感動してしまったのですね(1986年作曲、チェロとピアノのための「シューベルトの主題による変奏曲」を最後の部分に組み込んだことが、後年にわかりました)。大学の3年か4年の時、この曲の初演?(1987年)のFM放送だったと思います(バシュメットのヴィオラ、デュトワ指揮ユンゲ・ドイチェ・フィル)。この曲に限らず、引用のしかたと独自の変奏技法はおもしろいものがあると感じています。

社会人になってから、できるだけDenisovのCDを集めようとしましたが、そんなにたくさんは出なかったんですかね。それでもがんばって65曲くらいの音源を集めましたが、最近は店頭でこの人のCDを見ることもあまりなくなってしまいました。肝心のヴィオラ協奏曲に至ってはCD音源がなくて(テープのみ所持)、サクソフォン協奏曲に編曲された版があるだけです。この作曲家はもっと評価されていいんじゃないかなと思いつつ、「マイ作曲家」と勝手に制定し、今日に至るのであります。



笹崎の好きな曲Best5

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1.ヴィオラ協奏曲 Schubertの引用のしかたが絶妙だと思う
2.サクソフォン・ソナタ ジャズの要素を引用した第3楽章が楽しい。無調性でリズムも複雑だが
3.チェロ協奏曲 低弦からわきあがる半音階。さりげなく引用されるBACH主題
4.バッハのコラールによる変奏曲 Bergと同じ「われは満ち足れり」を引用。譜面入手できず
5.死は長き眠りなり ハイドンの何かの主題による。最後だけ鳴らされる鐘3回が印象的
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ほかにはピアノのための「ヘンデルの主題による変奏曲」がおもしろいかな。Haendelのパッサカリアがどんどん半音階で拍節感のない世界へ溶けていき、ときたま調性と拍節感が戻ってくる。半音階と複雑な連符ばっかりで埋め尽くされている曲は、正直ちょっと苦手。

次回は、Dohnanyiはパス、Donizettiもパス。
Dohnanyiは「童謡の主題による変奏曲」が楽しい。きらきら星。
DonizettiはBelliniと同じ印象。マリア・カラスのためにある感じ。
ということで次回はDukasから。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                       ★
★      今月のはむらぼ新企画       ★
★                       ★
★        はむらぼ法典         ★
★                       ★
★                       ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

さあ、命名だけしましたよ。あとは内容を決めるだけ。

では、また。



◆笹崎の歴史2−34(2004/5/5)◆

♪第34話

♪Dukas,Paul(1865〜1935 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.交響詩「魔法使いの弟子」   ★★★★
2.ペリのファンファーレ     ★★
3.バレエ音楽「ペリ」      ★★
4.ヴィラネッラ         ★
5.はるかなる牧神の嘆き     ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


初めて聴いた曲は、言わずもがな「魔法使いの弟子」。たぶん高校生の時。ラジオのエアチェックが先だったか、ディズニーの「ファンタジア」が先だったか、忘れちゃいました。

この人、残ってる作品はみんな秀作なんだけど、数自体が異常に少なくて、しかも知名度はあまり高くないでしょ。だから、一般的には「魔法使いの弟子」と「ペリのファンファーレ」くらいを聴いたら、それ以上の出会いはないんじゃないかな。

笹崎の場合、「名曲解説事典に載っている管弦楽作品を全部聴こうプロジェクト」を行ったために、大学時代に何曲か出会うことができました。バレエ音楽「ペリ」。これはいいよね。ロマンティックでエッチな感じ。笹崎はこの手の作風にはめろめろなのであります。でも、大学時代に出会ったのは「ペリ」以外には「交響曲」くらい。

社会人になってから、いつだったかなあ、ユボーのピアノでDukasのピアノ曲全集を購入しまして。これがかなりよかったのです。ぜひ一度聴いてみてください。ただね、技術的には難しくて、とくにピアノ・ソナタは、♭や♭♭だらけで譜面が黒く、弾きにくいんだな。なにしろ変ホ短調だからね。なので、細かいところはなかなか覚えられず、です。

ということで、現在は「いい印象を持った作曲家」というレベル。細部まで覚えていないからだね。でも、たまにピアノ曲を弾いてみたくなったり、気になる作曲家ではあることは確かです。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.バレエ音楽「ペリ」 このロマンティシズムがたまらない
2.交響詩「魔法使いの弟子」 冒頭がだんだん好きになってきた今日この頃
3.交響曲 ちょっと元気がよすぎる気もするが、いい曲だと思う
4.ピアノ・ソナタ 隠れた名曲。でも、演奏はめちゃくちゃ難しいんだよね
5.はるかなる牧神の嘆き 8分で鳴らされ続けるG音の上にDebussyの牧神の午後への前奏曲が
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◆笹崎の歴史2−35(2004/5/5)◆

♪第35話

Duparc, Henri (1848〜1933 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.旅への誘い    ★★
2.悲しき歌     ★★
3.恍惚       ★
4.前世       ★
5.戦いのある国へ  ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


フランス歌曲の中では、けっこう人気あるんですかね。はじめてこの作曲家に出会ったのは、社会人2、3年目の頃だと思います。管弦楽オンリーから、室内楽やオペラ、歌曲へと聴くジャンルを拡大していた時期でした。

その頃、ラプラントというバリトン歌手がさまざまなフランス人作曲家の歌曲を録音したCDが、国内盤で出ていたのですよ。何人かの作曲家の歌曲を少しずつ取り合わせたCDが多い中、1枚に1人の作曲家の歌曲というアルバム。一家に一セット揃えておきたいと思ったのは言うまでもありません。「ま、少しずつ買えばいいや」と思っていたのですが、だんだん店頭から姿が消えているのに気がついたときには、時すでに遅し。廃盤となり、注文しても手に入らない。中古屋さんを回ってやっと何枚か手に入れましたが、ほとんどが入手できず。このときから、「新譜はすぐゲット」を信条とするようになったことは言うまでもありません。で、ぎりぎりゲットしたCDの中に、Duparcの1枚があったというわけです(結局ほかには、Chabrier、Gounod、Massenetしか手に入りませんでした)。

名盤と言われるモラーヌのバリトンによるCDを購入したのはわりと最近。これ、いいですね。愛聴盤です。ほかにも管弦楽伴奏のヴァージョン(ガーディナー指揮ほか)など、数枚持っています。ほとんどの曲はピアノ伴奏の方が好きですけど。

笹崎はどちらかというと歌曲のジャンルはそれほど聴く方ではないのですが(言語の壁が大きい)、Duparcはなぜか好きで、ときどき聴きたくなりますね。管弦楽しか聴かない方にも、ぜひ聞いていただきたいと思います。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.旅への誘い 短調と長調の間を悲しく行き交う様が美しい
2.フィディレ 4分、8分、16分、32分のピアノ伴奏がそれぞれの気分を作り出す様が美しい
3.遺言 半音階がうまく使われていて美しい
4.前世 後奏がこれまた沈んだ気分で美しい。これは管弦楽伴奏のほうが好き
5.悲しき歌 初期の歌曲ではこれが好き。素直な和声が美しい
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

管弦楽や室内楽もあるけれど、やっぱり歌曲ですね。チェロ・ソナタはきれいなのだけれど、楽譜出版元がわからず。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                       ★
★       3月のファリャ         ★
★                       ★
★       恋はひな祭り          ★
★                       ★
★                       ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

火祭りネタ、多いな。ネタ切れか。
しかも3月にささざき歴史2を発行しようと思って遅れたのがばればれ。

次回はDurufleから。
では、また。





◆笹崎の歴史2−36(2004/8/15)◆

♪第36話

♪ Durufle, Maurice (1902〜1986 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. レクイエム                ★★
2. グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット ★
3. ミサ・クム・ユビロ            ★
4. 前奏曲、アダージョと「来たれ、創り主なる聖霊」によるコラール変奏曲 ★
5. オルガン組曲               ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


笹崎がDurufleのレクイエムと出会ったのは、大学生のとき。おそらく、定期会員になっていたオーケストラが演奏する事前準備で上野文化会館で聴いたのではないかと思うのですが、定かではありません。演奏の後に気に入って、譜面と合わせて聴いたのかもしれません。いずれにせよ、笹崎はたいへんこの曲が気に入ってしまい、一時期はFaureの作品よりもこちらをよく聴いていた記憶があります(今でもかなり好きです)。とくに、オルガンの音色の妙に感激でした。

よくFaureのレクイエムと比較される作品ですが、Durufle作品の方は、近代的な和声に支えられたグレゴリオ聖歌の直接引用が特徴で、類似点も多いとはいえ、だいぶ違った様相を呈していると思います。3種類のバージョンがあって、第1版がフルオーケストラ伴奏、第2版がオルガン伴奏(+チェロ)、第3版が室内オーケストラ(3本のトランペット、ティンパニ、ハープ、弦楽、オルガン)。どれもそれぞれ興味深いのですが、個人的には第3版が好きかな。オルガンの絶妙な使い方と、オーケストラの多彩な音色、この両方を生かしたオーケストレーションがいいなあ、と。ちなみに一般的な演奏は第1版。

Durufleはレクイエムだけがまあまあ有名で、あとの作品はそれほどでもないのですね。そもそも作品数がきわめて少なく、作品番号は14まででしょうか。しかもほとんどが宗教合唱作品とオルガン作品という渋いジャンルに集中しているので、よほどの音楽ファンでないと出会いは少ないかもしれません。

笹崎の場合も、Durufleのレクイエム以外の作品との出会いは社会人になってから。たまたまオルガン曲全集のCDを見かけ、レクイエムのあのオルガンの響きを思い出し購入。その後、合唱作品のCDもゲット。作品があまりにも少ないから、ほとんどの作品がCD数枚で手に入ってしまうのです。

近代的な和性を使いながらもこれだけ旋法を前面に押し出した美しい曲を書く人はそういないわけで、ぜひ聴いていただきたいものだなあと思います。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.レクイエム この曲は別格
2.グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット 美しい無伴奏合唱曲
3.ミサ・クム・ユビロ これもきれいなんだよね
4.オルガン組曲 オルガン曲は、実はあんまり区別ついていないのですが
5.前奏曲、アダージョと「来たれ、創り主なる聖霊」によるコラール変奏曲 オルガン曲は、実はあんまり区別ついていないのですが
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



◆笹崎の歴史2−37(2004/8/15)◆

♪第37話

♪ Dutilleux, Henri (1916〜 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. フルート・ソナチネ           ★
2. コラール、カデンツとフガート      ★
3. 音色、空間、運動            ★
4. メタボル                ★
5. ザッハーの名による3つのストローフェ  ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


デュティユー(あるいはデュティーユ、デュティユ)と読む作曲家の作品を知ったのは、やはり上野文化会館の資料室でありました。「交響曲第1番」を聞いたのですが、正直あんまりよくわからず。このあとはしばらくDutilleuxの作品を知ることはありませんでした。

社会人になってから、チェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」のCDを購入。お目当てはカップリングのLutoslawski(ルトスワフスキ)だったような。このときも残念ながらあんまり印象に残らずでした。その後も交響曲第1・2番、ヴァイオリン協奏曲「夢の木」など主要どころを中心にCDと譜面を揃えていったものの、あんまり印象には残らず。

今でも、正直、曲の断片ですら思い浮かばないに等しい状態ではあります。ところが不思議なことに、時々聞かずにはいられない。

好きになってきたのはけっこう最近のこと。そうねえ、2002年くらいからかしら。Dutilleuxの音楽には明確な旋律が出てくるわけではなく、拍節感はある程度はっきりしているものの、これまたそれほど明確なわけでもない。一般的にはたいへん捉えどころのない音楽の部類に入るのではないかと思います。一方で、独特の神秘的色彩感覚があり、慣れてくるとこれが心地よい。目の前を通り過ぎていく繊細な光の断片。それを追いかけようとしても、それは時間とともに変化してしまい、また新しい光彩になっている。こうした光の遷移が、ほかの作曲家にはない魅力だと感じています。とくに最近の作品にこの傾向が強いですね。形が明確でないだけに、かえってイメージが膨らむわけで、でもほかの作曲家の明確な形を持たない作品とはまったく一線を画しているのが不思議です。

時間的体験というか色彩的体験というか。そう、自分にとってDutilleuxを聞くことは「体験」なのであります。ほかの作曲家で、「体験」を感じることはほとんどないなあ。そして、たまに「体験」したくなって、DutilleuxのCDと譜面に手が伸びるのであります。ぜひうまい演奏を生で聞いてみたいものです。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.瞬間の神秘 これを一番に挙げてしまおう。冒頭の弦のハーモニックスから、その瞬間はやってくる
2.チェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」 冒頭の静かなシンバルと小太鼓のロールから、その瞬間はやってくる
3.ヴァイオリン協奏曲「夢の木」 とくに中間で鍵盤打楽器を中心とした半透明な光の帯に、その瞬間はやってくる
4.音色、空間、運動または「星月夜」 冒頭のゴングから少しずつ高い音程の打楽器に移っていくところから、その瞬間はやってくる
5.5つの変遷(メタボル) 中期作品で作風は今とはちょっと違うが、妖しくてすてき
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

初期の、たとえば「ピアノ・ソナタ」「フルート・ソナティナ」あたりは、いわゆる保守的な作風で、これはこれで美しい。初期作品の演奏頻度が高いのもわかるような気がします。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                        ★
★     今月の「今、どこにいるの?」     ★
★                        ★
★  「カラオケ・ビゲチョって書いてあります」  ★
★                        ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

あとでわかったこと。
BIG ECHOでした・・・
たしかにGとEの間のスペースが異様に狭い。

では、また。



◆笹崎の歴史2−38(2004/10/3)◆

♪第38話

♪Dvorak, Antonin (1841〜1904 チェコ)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.交響曲第9番「新世界より」  ★★★★★
2.ユモレスク第7番       ★★★★★
3.スラヴ舞曲第10番      ★★★★
4.交響曲第8番         ★★★
5.チェロ協奏曲         ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


Dvorakって、曲によって、ある種の気恥ずかしさを感じません? いや、恥ずかしいフレーズの宝庫じゃないですか。とくに以下3曲は・・・。

気恥ずかしさを感じる瞬間Best(?)5
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.「ヴァイオリン・ソナティネ」第4楽章 ミッ↓シミッファ#ソッソファ#ッソミッミファ#ッミ↓シ〜
2.交響曲第8番第4楽章 有名な「こっこっこ〜〜、こがねむし〜〜」
3.「ヴァイオリン・ソナティネ」第4楽章 シシーラソ〜〜〜、↑ソ↑ソ↑ミ♭↑レソ〜〜〜
4.交響曲第8番第3楽章コーダ 2拍子のコーダ。蛇足とはこのことか・・・
5.弦楽四重奏曲第12番第1楽章 ドーーレファレッ、ドーーレファレッ
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ラジオ体操第2のあの力こぶしを作る恥ずかしさと共通なんだよなあ、笹崎的には。「1.」なんてね、「どっこかっらきったのか、あっぶらっむしー」(作詞:笹崎)ですよ。

さて、本題。幼少の頃、たぶん初めて聞いたDvorakはユモレスク(有名な第7番)じゃなかったかな。交響曲第9番も聞いてたかも。ピアノが弾けるようになってからは、ユモレスクをたまに弾くくらい。ピアノ曲は有名な曲が少ないんだよね。

さて、本格的にDvorakを聞くようになったのは、高校に入ってから。音楽初心者にはDvorakってフィットするよね。かっこよくて、盛り上がるし。笹崎もそんなわけで、しばらくDvorakが大好きな期間がありました。高校生から大学初期くらいまで続きましたかね。大学1年の頃だったか、早朝4:30くらいから始まるFM番組で、Dvorakの交響曲・主要管弦楽曲シリーズをやっていたことがあって、エアチェックした思い出が。ラジカセにはタイマーもついてたんだけど、テープ片面より番組が長いので、途中でテープを入れ替える作業が必要だったので、眠い眼をこすりながら曲と曲の間でテープを入れ替えること約2週間。朝の大学の授業に出なくなった一要因はDvorakにあったと言って過言ではありません。当時は、交響曲第7番、序曲「謝肉祭」、交響詩「英雄の歌」あたりがお気に入りでした。

ま、こんな感じで、少々マイナーな交響詩や協奏曲も知るようになった笹崎ですが、体育会系音楽観を卒業しはじめてからは、Dvorakの管弦楽作品の位置づけはみるみる低下。大学時代後半だったか、室内楽を聴き始めた頃に出会った弦楽六重奏曲とピアノ五重奏曲は今でもまあまあのお気に入り。でも、全体的にはDvorakへの興味関心はだいぶ薄れてしまいました。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.チェロ協奏曲 いい解釈には出会いませんが
2.スラヴ舞曲第1 通俗曲と言われてしまいますが、これがDvorakの真骨頂のような気が
3.ピアノ五重奏曲 この曲好きなんですよね。カレー食べたくなるし(かなり古い??)
4.交響曲第9番 識者からはけちょんけちょんな曲ですが、意外といいと思います
5.交響曲第7 スケルツォ、まあまあ好きですよ
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ほかは、弦楽六重奏曲の第1楽章なんか、好きですね。Dvorakっぽくはないのだけれど。
弦楽セレナーデは、もともと考えていた八重奏への復元版(クラリネットやホルンが入る)の方が好き。
「スターバト・マーテル」はいいんだけど、笹崎的には長すぎ。
全体的には、2拍子系のものより3拍子系の方が好きかな。





◆笹崎の歴史2−39(2004/10/3)◆

♪第39話

♪Elgar, Edward (1857〜1934 イギリス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.愛の挨拶     ★★★★★
2.威風堂々第1番  ★★★★★
3.エニグマ変奏曲  ★★★
4.チェロ協奏曲   ★★
5.弦楽セレナード  ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


ピアノ弾きにとってElgarは縁遠い作曲家。高校生になるまで1曲も知らない作曲家でありました。

初めて知った曲は「威風堂々第1番」。高校のマンドリンクラブの定期演奏会で取り上げられたから。今となっては「マンドリンのよさをほとんど活かせない曲、なぜやったのか」という感じですが。で、この曲のレコードを勉強用に買ってきたのですが、カップリングの「コケイン」序曲が気に入りまして。もっとも早く輸入楽譜を購入した曲の1つとなりました。楽しいし、表情豊かでいいよね、この曲。

大学生になって上野通いを始めてから、エニグマ変奏曲やヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲などの主要作品と出会い、その後も順調に声楽曲などに出会って今日に至ります。

以上でございます。おもしろくない歴史ですねえ。順調にいろんな曲と出会うだけで、ドラマらしいドラマはないです。全体的に次第に好きになってきているのですが。

ちなみに、Elgarは構築力で聞かせる作曲家ではないと思っているので、どちらかというと交響曲や長大な声楽曲よりも、その中の1曲とか1つの楽章とかの方が興味を持ちますね。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.エニグマ変奏曲 1つ1つの変奏が見せる表情が豊か
2.序曲「コケイン」 この作曲家のさまざまな面を1曲に凝縮した、楽しい曲
3.交響曲第1番 第1楽章の序奏と第3楽章がいいですね。最近第2楽章も好き
4.序奏とアレグロ バルビローリの演奏がいい
5.チェロ協奏曲 数あるチェロ協奏曲の中でも好きな曲の1つです
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                        ★
★         今月の監視          ★
★                        ★
★      おやすみからおはようまで      ★
★      暮らしをみつめるライオン      ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
その時間帯は見つめないで、寝苦しいから。
ちなみにライオンのこのスローガンは、相当古いのね。
1980年1月〜1990年12月だそうな。
現在は、「あしたに、あなたに」。



◆笹崎の歴史2−40(2004/12/19)◆

♪第40話

♪Falla, Manuel de (1876〜1946 スペイン)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.「恋は魔術師」より「火祭りの踊り」  ★★★★★
2.「三角帽子」より「粉屋の踊り」    ★★★★
3.「はかない人生」より「スペイン舞曲」 ★★★★
4.7つのスペイン民謡          ★★★
5.スペインの庭の夜           ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


子供の頃に聞かされていたレコードの中に「火祭りの踊り」があったのを覚えているので、これが初Falla体験ですね。小学校の時だったか、全音のピアノピースに編曲版があるのを発見して購入してもらいまして。でも、原曲に比べると音が少ないんだよね。そこが物足りなかったことを覚えています。

全音のピースからは当時もう1曲出版されていて、それが「クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための賛歌」。中学校の頃に購入。Debussyの「版画」の「グラナダの夕べ」が引用されており、不思議な雰囲気とあいまって、当時はそこそこ好きな曲でしたね。しかし、Fallaの曲を知る順番としては、何か違うよね。

高校生になってから、「恋は魔術師」全曲や「三角帽子」をようやく知ることとなります。からっとした強い直射日光といった音色感とスペインの強烈なリズムが、体育会的音楽観にはフィットしましたね。

楽曲形式に興味を持った大学時代は、単純な形式のFallaは少々興味薄。社会人になってからは、独特の色彩感が再び好きになって今に至るけれど、スペインのリズムへの興味はあんまりなくなったかなあ。

スペインの夏の直射日光を実際に体験した時、Fallaの直接的な色彩って、なんとなくわかったような気がしましたね。あの色彩はあの太陽の下でしか書けないんだろうなあ。個人的には、なぜか画家ミロの作品と同じベクトルの色彩であります。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.恋は魔術師 いちばんぎらぎらしているので
2.三角帽子 次にぎらぎらしてるので。でもちょっとフランスっぽいと思っている
3.スペインの庭の夜 好感度アップ中
4.ベティカ幻想曲 ラローチャのラスト・リサイタルが忘れられない
5.クラヴサン協奏曲 けっこういいと思うんですが、どうでしょう
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



◆笹崎の歴史2−41(2004/12/19)◆

♪第41話

♪Faure, Gabriel−Urbain (1845〜1924 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.シシリエンヌ    ★★★★
2.夢のあとに     ★★★
3.レクイエム     ★★★
4.子守歌       ★★
5.エレジー      ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


1998年か1999年、大阪に転勤していたときのこと。その日は台風が上陸。真夜中、笹崎はめったにつけないテレビをつけて、NHKの台風情報を。そこでは、強風に大きく揺れる夜の海と、幾重もの同心円がいやおうなく不安をかきたてる天気図とが交互に放映される中、Faureのピアノ五重奏曲第1番が天国の響きを奏でていたのでありました。NHKのすばらしいセンスに感服!

さて、Faureで初めて知った曲は、「ペレアスとメリザンド」。高校生の時でした。当時は「シシリエンヌ」が気に入ってましたね。高校のときは、この曲以外には出会いがなかったような気がします。

大学初期の頃には、いつの間にかレクイエムが好きになっていたのですが、何がきっかけだったのか、これっぽっちも思い出すことができません。もしかしたら演奏会で聴いたのかな。当時は交響曲・管弦楽しか聴かないスポーツ的音楽観だったので、声楽曲を好きになるなんてよっぽどのこと。レクイエムは、その後もFaure作品の中だけでなく、あらゆる楽曲の中でもっとも好きな曲の1つとして今に至っています。

社会人になってわりとすぐ、室内楽全集とピアノ曲全集を購入。今では何枚あるか数える気もおきないCDの中でも、相当早いうちに揃えたCDです。とくに室内楽は感銘を受け、Faureの株が笹崎の脳内でぐぐっと上がったのでありました。その後は声楽曲を揃え、主要曲の譜面を全部買い揃えて今に至ります(室内楽をそろえるのは一苦労でした)。

Faureの音楽は、人の家に土足で入ってくるような音楽とは対照的で、激しい感情表出はほとんどなく、あくまでも清楚で透明でデリケート。だからこそかえって人の内なる感情を揺さぶり、心を打つものがあるのだと感じることが多いです。音楽初心者の頃は、こういった音楽は興味持てなかったなあ。レクイエムと出会って以来、じわじわとこの世界の透明な深さに引き込まれているような気がします。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.レクイエム この曲は特別。あらゆる曲の中でももっとも好きな曲の1つ。1893年版、萌え
2.ペレアスとメリザンド 最近は、有名なシシリエンヌより、その他の曲の方が好き
3.パヴァーヌ 中間部はあんまり好きでないのだが、主部のたたずまいがすてき
4.ヴァイオリン・ソナタ第1番 若い時の作品ではこれが一番好き
5.夢のあとに 美しい旋律ですよね
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

Best5に晩年の室内楽が入ってくると「通」なんだろうけど、今の自分の順番はこんな感じ。もちろん晩年の室内楽や歌曲、じわじわっとして好きですよ。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                        ★
★     今月の娘 「絵本よむー」       ★
★                        ★
★   「それで、あることを言いました」     ★
★    絵本めくる               ★
★   「それで、あることを言いました」     ★
★    絵本めくる               ★
★   「それで、あることを言いました」     ★
★    絵本めくる               ★
★   「それで、あることを言いました」     ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
笹崎娘(2歳)の絵本を読む風景。
おーい、何を言ったんだーーー!!
どこで覚えたのかな、こんな言葉。

では、また。



◆笹崎の歴史2−42(2005/2/20)◆

♪第42話

♪ Feldman, Morton(1926〜1987) アメリカ

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.コプトの光  ★
2.該当なし
3.該当なし
4.該当なし
5.該当なし

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


初めてのFeldmanの音楽との出会いは、正直ぜんぜん覚えていないのです。ピアノ曲と「ピアノと声」のエアチェックが残っているので、これがFeldman初体験のはずですが、覚えていないなあ。

Feldman作品に興味を持ったのは、わりと最近。2000年くらいですかね。2003年にはマイブームがやってきて、少々落ち着いて今に至ります。2000年当時の感想はこちら。

「どの曲も頭から終わりまで弱音で音の密度も希薄。世界一、音が少ない音楽を書く作曲家に違いない。どこまで行っても音楽は静かなまま。ドラマは何も起こらない。どこまでいっても同じような風景が繰り広げられるだけ。同じ音型や音程が時々形を少し変えて繰り返されるが、通常のミニマル・ミュージックとは違って拍節感はまったくなく、リズムを感じる部分は皆無。時間を忘れ、響きそのものの美しさだけを追う。静かな庭にたたずみ、流れる雲を眺め、時々遠くで鳴る鐘の音に耳をすます。そんな音楽。それにしてもこんなに音符が少ない譜面を買うときは、つい1音符あたりの金額を計算してしまいがち。」

ほお、わりと言い当ててるかも。Feldmanの作品の場合、全体を見渡すことは無意味で(たとえ4時間かかる作品であっても)、目の前の模様とその少しずつ変わる様を静かに眺めていくのが鑑賞法。Feldmanはペルシャ絨毯に造詣が深かったという話を聞いたことがありますが、わかるような気がしますね。似たような模様が続くけれど、それでいて同一な部分は全くなく、全体を俯瞰して眺めてもさほど意味はなく、その細部とその微妙な変化の中にこそ面白さがある、という感じでしょうか。起承転結があるわけでなく、起伏があるわけでもなく、心を無にしてただただ眺める姿勢をとったときに初めて心に染み入る音楽ですね。こういった鑑賞のしかたをする曲は古典・近代音楽にはないよなあ。というか、こんな独特の鑑賞法が要求されるのはFeldmanだけですかね。

最近思うのは、微妙な音の様相を楽しむには、ピアノよりも、弦楽器や打楽器の方が面白いんじゃないかということ。とくに余韻の長い打楽器はFeldmanとの相性がよさそうな気がします。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.コプトの光 譜面見ていても拍子がわからず、時間とともに色彩の帯が変化するのです
2.ロスコ・チャペル 佐倉にロスコの絵画を見に行った時、行きの電車で聴いてみました
3.トライアディック・メモリーズ ピアノ作品ではこれが好き。ピアノ曲「ピアノ」の譜面買ったら順位変わるか
4.バス・クラリネットとパーカッション 今譜面注文しているんですけどね。心ひかれるのです
5.ヴィオラ・オン・マイ・ライフ 第1と第2しか譜面を持っていないのですが、わびさびであります
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

4時間聴き通す時間がとれないので、CD1枚に収まる作品が並んでおります。





◆笹崎の歴史2−43(2005/2/20)◆

♪第43話

Franck,Cesar(1822〜1890) ベルギー→フランス

♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. ヴァイオリン・ソナタ   ★★★★
2. 交響曲          ★★★★
3. 交響的変奏曲       ★★★
4. 前奏曲、コラールとフーガ ★★
5. ピアノ五重奏曲      ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


演奏面で苦労させられた作曲家No.1を挙げるとしたら、間違いなくFranckですね。

初めに苦労したのは、「ヴァイオリン・ソナタ」の伴奏。いつごろ誰の何の楽器の伴奏をしたのか、記憶がたどれないのだけれど、とにかく苦労した感触だけは残っているのです。ヴァイオリン・ソナタというと、ピアノは簡単そうじゃないですか。ところが皆さんもご存知の通り、ピアノ協奏曲級の難しさ。しかも、笹崎は手が小さめなので、10度の連続が出るたびに綱渡り。曲は素敵なのだけれど、もう演奏するまいと誓ったのでした。

社会人になって、これまたいつのことか忘れたのだけれど、フルートの伴奏で第4楽章だけ演奏。ま、昔弾いたことあるし、魔の第2楽章を弾かないだけいいか、と引き受けたのが失敗。やっぱ弾けないじゃん。冒頭から左手は10度の連続で、苦労を感じさせずに演奏することなんかできないよなあ。

さらに2002年、あるオーケストラから「ピアノとオーケストラのための交響的変奏曲」の下弾きをしてほしいという依頼が。冒頭の簡単なピアノ・ソロを思い起こし、そんなに難しそうじゃないよなあ、と思って引き受けたのがまたまた受難の路。2分後から、えっらい難しいじゃん。しかも難しそうには聞こえないのね。というか、難しそうに聞かせてはいけない曲。曲の分析は一生懸命するけれど練習は基本的にしないポリシーの笹崎でありますが、このときばかりはそこそこ練習しましたね。その甲斐あってか、1回目の練習では意外と弾けまして。想像よりテンポが速かったのですが、なんとか付いて行けました。2回目の合わせがあるということで、速いテンポで数回練習。これがいけなかったのでしょうか。2回目の練習の時、当日の朝になって突然、右手の小指(だったかな)が紫色に大きく腫れ上がっていたのでした。なぜ? 練習のせいじゃないと思うんだけどな。いずれにしても、気になって弾けないこと弾けないこと。オケのみなさま、ご心配とご迷惑をおかけしました。

てな感じで、演奏面ではさんざんな相性のFranckですが、鑑賞面はというと。

「交響曲」を聴いたのは、高校1〜2年の時。初めて聴いたときは、転調が多くて、全体がどういう作りになっているのかさっぱりわからなかった記憶が。おいおい、チェリビダッケのエアチェックを聞いてなんという感想だ、笹崎少年。とはいえ、何回も聞くうちにどんどん引き込まれていき、高校3年の頃には好きな交響曲の1つになっていましたね。

それ以外の曲は、上野の資料室にて。交響詩を中心に管弦楽作品の有名どころを聞き終えました。正直、交響詩はあんまり印象に残らず。

社会人になって真っ先に購入したCDの中に、Franckのオルガン作品全集がありました。なんで買おうと思ってたんだっけな。思い出せず。でも、曲はかなり気に入ってしまい、オルガンといえばBachとFranckとMessiaenという個人的地位を占めたまま現在に至ります。そういえばピアノ作品も一時期、凝りに凝ったなあ。

マンドリンでFranckは一生演奏しないだろうと思っていましたが、風呂の中で交響詩「プシュケとエロス」は相性がよさそうだと思いついてしまい、編曲してメトロポリタン・マンドリン・オーケストラで演奏したのが2004年。笹崎にとって、何かと縁深い作曲家であるようです。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ヴァイオリン・ソナタ たとえ弾けなくとも・・・
2.交響曲 初めは何のことやらでしたが、今では大好きな曲
3.交響的変奏曲 たとえ弾けなくとも・・・
4.前奏曲、フーガと変奏曲 このオルガン曲の素朴な旋律に、なぜか心を動かされてしまう
5.前奏曲、コラールとフーガ たとえ弾けなくとも・・・
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

オルガン曲、ぜひ聴いてみてくださいね。すばらしい曲がそろっています。

次回は、GershwinとGinastera。



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★                        ★
★       今月の娘(着替え)        ★
★                        ★
★   娘  じぶんで、おむちゅ、ぬぐの〜    ★
★   パパ はいはい、自分で脱いでください   ★
★   娘  ぬげな〜い、パパがぬげて      ★
★   パパ パパが脱げるの?          ★
★   娘  ちがうの〜、ママがぬげるの!    ★
★   パパ ママが脱げるの? パパが脱げるの? ★
★   娘  ママがぬぐの!!          ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
笹崎家の朝はたいへんなのである。

では、また。



◆笹崎の歴史2−44(2005/7/3)◆

♪第44話

♪ Gershwin, George (1898〜1937) アメリカ


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.ラプソディ・イン・ブルー  ★★★★★
2.サマータイム        ★★★★★
3.パリのアメリカ人      ★★★★
4.アイ・ゴット・リズム    ★★★
5.スワニー          ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


一般的なクラシックファンからの印象はどうなんですかね、Gershwin。なんか評価が二分されていそうな。

さて、笹崎とGershwinの出会いですが、「ラプソディ・イン・ブルー」はいつの間にか知ってました。どこで知ったんだっけなあ。小学校の頃、リチャード・クレイダーマンを通じてかな。「パリのアメリカ人」はディズニー・アニメを通じて知ったような記憶があるのですが、本当はどうだったかな。

高校生の時、「ラプソディ・イン・ブルーのスコア」を購入。真っ青な表紙がきれいなのよ。リズミックな側面は高校生の笹崎にはフィットし、けっこう好きでしたね。ピアノ・パートをよく弾いて遊んでました。「ピアノ協奏曲」を知ったのもこの頃。

大学生になって、楽曲形式に凝り出すと、Gershwin作品はあまりにラプソディックにできているので、研究の対象外。でも、リズミックな面は好きなままで、多少興味が落ちたくらいで推移。「キューバ序曲」を知ったのはこの頃。

社会人になってからだったかなあ、「ポーギーとべス」が好きになったのは。Benett編曲の交響的絵画「ポーギーとベス」(管弦楽編曲)を大学の時には知っていたので、入りやすかったですね。「サマータイム」がとくに有名ですが、ほかにも素敵な曲満載で楽しいです。

最近は、Gershwinの和声感覚が気になりはじめましてね。部分的にヘンだと感じるところもあるのですが、それを補って余りあるGershwinならではの和声の推移があるんですよね。天才のひらめき、なんですかね。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.歌劇「ポーギーとべス」 名曲揃い。何度聴いても楽しい
2.キューバ序曲 少々マイナーですが、これ、とても楽しいと思うんだよね
3.ラプソディ・イン・ブルー 子供に弾いて聴かせると、ディズニーの影響で「お兄ちゃん?」喜ぶのでランクアップ
4.ピアノ協奏曲 1年前まではラプソディ・イン・ブルーより好きでした
5.パリのアメリカ人 楽しいんだけど、ちょいと長いと感じるときもあるのだよ
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

今となっては幻のエンターテインメント音楽団体「めぞふぉる亭」(歴史1参照)の次回候補曲がGershwin作品だったわけですが、果たして実現するのでしょうか?





◆笹崎の歴史2−45(2005/7/3)◆

♪第45話

♪ Ginastera, Alberto (1916〜1983) アルゼンチン


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.バレエ組曲「エスタンシア」 ★★
2.3つのアルゼンチン舞曲   ★★
3.ギター・ソナタ       ★★
4.忘却の木の歌        ★
5.ピアノ・ソナタ第1番    ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


初めてのGinastera(ヒナステラと読みます)体験は、「忘却の木の歌」。原曲の歌曲ではなくて、チェロ・アンサンブルのために編曲された版のFM放送。大学生の頃だったと思います。アルゼンチンの作曲家なんて当時まったく知らなくて(Piazzollaが流行る前だったしね)、ラテンな感じが新鮮でした。

強烈なラテン体験をしたのはバレエ組曲「エスタンシア」。社会人になってそんなに経たないうちだと思います。終曲の「マランボ」がとくに強烈で、うるさいのなんの。誰かの結婚式の余興でピアノ編曲版を弾いたっけなあ。指を叩きつける奏法連続でピアノは打楽器と化し、体力消耗。

その後、Ginasteraが突然熱烈に好きになった時期がありまして。ええと、記録によると2001年ですね。ピアノ曲全集のCDを購入、併せてピアノの譜面も数冊購入。「3つのアルゼンチン舞曲」「ピアノ・ソナタ第1番」のラテンっぽさがとくに気にいったのを覚えています。今でも「3つのアルゼンチン舞曲」はたまに弾きますね。単純できれいなのよ、これ(アルゲリッチも録音しています)。

Ginasteraの初期作品はラテンそのもので強烈なのですが、中期・後期作品は抽象的な世界が加わっていき、現代的要素もどんどん増えていきます。でも、笹崎的には初期作品が好きなんだよね。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.バレエ組曲「エスタンシア」 終曲の「マランボ」がうるさくてよろしい
2.3つのアルゼンチン舞曲 第2曲がシンプルできれいなのです
3.ピアノ・ソナタ第1番 これもラテン全開でいいですね
4.ギター・ソナタ 南米といえばギターでしょう、やっぱり
5.ピアノ協奏曲第1番 エマーソン・レイク&パーマーがカヴァーして多少有名に
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

そして現在は、熱も冷め、元気になりたいときにたまに聴く作曲家となっています。
次回は、GlazunovとGlinka。



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★                        ★
★        今月のセンター         ★
★                        ★
★    (有)東京バスガイドセンター      ★
★                        ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
日暮里駅付近で発見。「右手に見えますのは」なんて研修しながらガイドさんを育てているところなのか、
それとも、「イラシャ〜イ、シャチョサ〜ン、ワタシ、コンヤ、アナタノ、(以下略)」

ラヴェル作曲「夜のバスガール」。
・・・なんでもないっす。

では、また。



◆笹崎の歴史2−46(2005/8/23)◆

♪第46話

♪Glazunov, Aleksandr Konstantinovitch (1865〜1936) ロシア


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.ヴァイオリン協奏曲    ★★★
2.バレエ音楽「ライモンダ」 ★★★
3.バレエ音楽」四季」    ★★★
4.吟遊詩人の歌       ★★
5.演奏会用ワルツ第1番   ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


はじめて聞いたGlazunovは、たぶんバレエ音楽「四季」ではなかったかと思います。あとはヴァイオリン協奏曲など、ラジオのエアチェックで数曲。正直あんまり印象に残っておらず、「ステンカ・ラージン」と「四季」の秋のバッカナールくらいかな。

大学生になって上野通いを始めてから、管弦楽の主要作品をいくつか聴きましたが、これまたそれほど印象には残らず。とくに交響曲が、音楽初心者当時の体育会的な期待には十分には応えてくれず、少々地味な印象を受けましたね。

はじめて興味を持ったのは、「演奏会用ワルツ第1番」。これ、NHK−FMのクラシック音楽番組のテーマ音楽だったのですね。しばらくは曲名を知らずにサロン風なきれいな曲だなあと思っていたのですが、曲名がわかって全曲を聴き、そのおしゃれさが気に入りました。

最近、「おたまじゃくしはかえるの子(ごんべさんの赤ちゃんが風邪引いた)」が高らかに響く「勝利の行進曲」や、Rachmaninov交響曲第2番の第3楽章の主題そっくりの「ピアノ協奏曲第1番」など、いくつかの出会いがあり、ほんのちょっとだけ好感度アップ。管弦楽作品よりピアノ作品の方が実はおもしろい曲が多いのではないかと感じつつ、まだ十分聴き込んでいない作曲家なのでありました。

譜面もなかなか揃わず、交響曲はようやく半分。ということで現在のランキング。



笹崎の好きな曲Best5

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1.演奏会用ワルツ第1番 作曲者と曲名がわかったときはうれしかった。Glaz unov作品の中では断トツで好き
2.バレエ音楽「四季」 「秋」が好き
3.ヴァイオリン協奏曲 第3楽章が軽快で好き
4.ステンカ・ラージン 「えいこ〜ら〜」を題材にした、ちょっと有名な曲
5.ピアノ協奏曲第1番 Rachmaninovそっくり
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

「ライモンダ」は譜面が高価すぎるのでパス(抜粋は持ってる)。





◆笹崎の歴史2−47(2005/8/23)◆

♪第47話

♪Glinka, Mikhail Ivanovitch (1804〜1857) ロシア


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲               ★★★★
2.カマリンスカヤ                        ★★
3.スペイン序曲第1番「ホタ・アラゴネーザによる華麗な奇想曲」  ★★
4.スペイン序曲第2番「マドリードの夏の夜の思い出」       ★★
5.歌劇「イワン・スサーニン(皇帝に捧げた命)」序曲       ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


マンドリン業界の人って、歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、好きだねえ。正直、もう飽きちゃったなあ。ムラヴィンスキーとスヴェトラーノフとゲルギエフの演奏があれば、もういいや。ロシア音楽にありがちな曲の最後のやたら長い爆音フェルマータと、サッカー解説の「ゴーーーーーーーーーーーーール」は似たようなもんだと感じる今日この頃。

社会人になってから、室内楽に渋い作品があることを発見。でも、好きでたまらないというほどではないです。以上でございます。



笹崎の好きな曲Best5

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1.悲愴三重奏曲 クラリネット/ファゴット/ピアノでもピアノ・トリオでも演奏可能
2.ヴィオラ・ソナタ 未完成の作品
3.歌劇「ルスランとリュドミラ」 いちおう挙げておきますが・・・
4.該当なし  
5.該当なし  
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ピアノ曲、声楽曲はほとんど聴いていないのですが、いい曲あります?

次回は、GounodとGranados。



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★                        ★
★       今月のドイツ語講座        ★
★                        ★
★ 007はドイツ語で「ヌルヌルジーベン」(本当)★
★                        ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
なんか、かっこわるーい。





◆笹崎の歴史2−48(2005/10/9)◆

♪第48話

♪Gounod, Charles Francois (1818〜1893 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.アヴェ・マリア        ★★★★★
2.操り人形の葬送行進曲     ★★★
3.「ファウスト」のワルツ    ★★★
4.「ファウスト」よりバレエ音楽 ★★★
5.小交響曲           ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


アヴェ・マリアで有名なGounodですが、元の編成知ってる? 音楽作品名辞典には「ソプラノと管弦楽とオルガンのために」と書いてあるけど、こんな編成で聴いたことないぞ。原曲編成による音源、あるのかなあ。知ってたら教えてくださいませ。

Gounodの「アヴェ・マリア」以外の曲との初の出会いは、たぶん「荘厳ミサ曲」。中学時代か、高校時代初めだったと思います。出会う順序としては間違っているような気がしますが、笹崎母が合唱作品のレコードを購入してきて、その中にこの曲がありました。スポーツ的音楽観の当時としては、合唱作品の中では多少気に入った部類でしたが、そもそも宗教曲はスポーツとは基本的にあんまり相容れないわけで。

次の出会いが、「ファウスト」のバレエ音楽。マンドリン業界でもたまにやりますね。気軽で耳障りのいい曲で、まあまあ気に入りました。終曲がちょっとかっこいいんだよね。この曲、なぜかオケ(マンドリン・オケじゃないよ)で太鼓をたたいたこともあります。

映画音楽ファンだと「操り人形の葬送行進曲」を知っているんでしょうが、笹崎は映画を見る時間がとれない人だったので、社会人になるまで出会わず。代表作の歌劇「ファウスト」も、オケ曲しか聴かなかった大学時代には出会わず。

その後、歌曲や歌劇「ロメオとジュリエット」のCDを購入して現在に至ります。今の評価としては、「耳障りはいいんだけどねー」という感じでしょうか。あんまり気にならない作曲家。声楽曲、とくに宗教曲が多くあるようですが、いい曲あったら教えてください。ということで、現在のランキング。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.荘厳ミサ曲 グロリアの最後、カコイイ。大太鼓とシンバル、萌え
2.歌劇「ファウスト」 有名なワルツの合唱付き、カコイイ
3.「シバの女王」よりワルツ なかなかおしゃれ
4.アヴェ・マリア 実は「アヴェマリーーアー」「サンターマリーアーー」しか歌詞知らない
5.小交響曲 軽快なところがいいかな
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◆笹崎の歴史2−49(2005/10/9)◆

♪第49話

♪Granados, Enrique (1867〜1916 スペイン)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.アンダルーサ            ★★★★
2.歌劇「ゴイェスカス」のための間奏曲 ★★★★
3.オリエンタル            ★★★
4.組曲「ゴイェスカス」        ★★
5.詩的なワルツ集           ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


「スペイン舞曲」の譜面を買ったのが、おそらく中学時代。Albenizの「スペイン組曲」とあんまり区別がつかず、ごっちゃになっていましたね(実は今も・・・)。高校生までは、Albeniz同様、ピアノのアンコール小品を書く作曲家だと思っていました。「ゴイェスカス」の間奏曲が有名な曲だと知ったのは、高校最後の頃だったかしら。でも、そんなに興味を持てず。楽曲形式に興味を持った大学時代は、対象外という感じでした。

Granadosに初めて興味を持ったのは、アリシア・デ・ラローチャの弾く組曲「ゴイェスカス」のCDを購入してから。譜面はだいぶ以前から持っていたものの、こんなに和声が素敵な曲だということになぜ今まで気付かなかったのかというくらい、衝撃的でした(たぶん演奏が難しいから、ほっといだんだね)。こういう出会い方があるから、音楽って面白いんだよね。第1曲「愛の言葉(Los requiebros)」、第4曲「嘆き、またはマハと夜うぐいす」、第5曲「愛と死」がとくに好き。この曲の再発見の結果、アンコールピース作曲家というイメージはなくなったのでありました。

ここまで組曲「ゴイェスカス」が面白いなら、歌劇の方も面白いに違いない。ということで、なかなか見つからないオペラ版のCDとピアノ伴奏譜をゲット。やっぱ、いいじゃない。有名な間奏曲は、初演後に追加されたものなのね。ピアノ組曲の後にたいがいくっついてる「わら人形」もほんとうは組曲外だし、ピアノ組曲と歌劇の関係性もなんだか複雑そう。誰か調べて教えてくだされ。

その後はラローチャのCDを買いまくり、数曲気に入って、今日に至ります。生で聴きたかったなあ。



笹崎の好きな曲Best5

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1.組曲「ゴイェスカス」 文句なくこの曲が一押しであります
2.ロマンティックな情景 2002年、笹崎的に2番目に好きなGranadosの曲と勝手に制定
3.スペイン舞曲集 自分が弾くとそんなに面白くないのに、ラローチャの演奏は面白い
4.歌劇「ゴイェスカス」 実は歌詞はさっぱりわからないのだが、ピアノ組曲と共通の楽想なので
5.詩的なワルツ集 自分が弾くとそんなに面白くないのに、ラローチャの演奏は面白い
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回は、GriegとGubaidulina。



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★                        ★
★      今月のコラボレーション       ★
★                        ★
★ 「ハロ−キティのアルプスの少女ハイジ」(本当)★
★                        ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
映画館で商品(VHS)を発見してたまげたよ。
白雪姫も小公女も、ハロ−キティ版があるんだそうな。
ここまで来たら、とことん行くとこまで行っちゃってほしいと思うのは自分だけではあるまい。

では、また。




◆笹崎の歴史2−51(2005/12/4)◆

♪第50話

♪Grieg, Edvard Hagerup (1843〜1907 ノルウェー)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.「ペール・ギュント」より「朝」         ★★★★★
2.「ペール・ギュント」より「山の魔王の宮殿にて」 ★★★★★
3.ピアノ協奏曲                  ★★★★
4.「ペール・ギュント」より「アニトラの踊り」   ★★★★
5.「ペール・ギュント」より「ソルヴェーグの歌」  ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


幼少の頃から「ペール・ギュント」第1組曲はレコードで知っていたのですが、その後の出会いって思い出せないなあ。ピアノ編曲「アニトラの踊り」の譜面を小学校のとき買ったときに、一緒に「蝶々」「春に寄す」(いずれも叙情小曲集)の譜面を買ったけど、あんまり弾いた覚えはなし。

ピアノ協奏曲を聴いたのは、中学生の時。本能的にリパッティのレコードを親に買ってもらいました。なんでリパッティ盤を選んだのか。実は、単純に勘。いまだにこれを超える演奏は出ていないと言う専門家も多く、リパッティの名前を知らずに選んだ第六勘はわれながら感心。でも、なんでピアノ協奏曲のレコードを買ってほしかったんだっけなあ。理由思い出せず。

高校時代になって、主要な管弦楽曲と出会います。弦楽合奏曲とか、「十字軍王シーグル」とか、「交響的舞曲」とか、このあたりね。でも、「ペール・ギュント」以上の印象はなかったように思います。

大学時代はそんなに進展なし。よりマイナーな「交響曲」と出会ったくらいだったかな。構造的には普通なので、興味も進展せず。

社会人になってから何年目だったか、Griegピアノ曲全集のCDを購入。ここからGriegの評価が上がります。和声が心地よいことに気が付いたのですな。とくに、半音と半音がぶつかっても音色の濁りが少なく、むしろかえって透き通るような感じが素敵だと思ったのですね。その評価のまま現在に至るのですが、したがって半音がきれいにぶつかる曲が、個人的ランキングの上位に来ます。



笹崎の好きな曲Best5

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1.付随音楽「ペール・ギュント」 「ペール・ギュントの子守歌」の半音ぶつかり。組曲以外の方がいい曲多くない?
2.2つの悲しき旋律 なんといっても「春」だね。初めからの半音ぶつかりが泣ける
3.スロッテル 民族的に音がぶつかるピアノ曲。これ、いい曲なのよ。ぜひ聴いてみて
4.ピアノ協奏曲 第2楽章の半音ぶつかりが、少々おセンチながら素敵だと思う
5.抒情小曲集 「小人の行進」「トロルハウゲンの婚礼の日」「小妖精」このあたりが好き
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合唱曲や歌曲も素朴で美しい曲の宝庫ですね。





◆笹崎の歴史2−51(2005/12/4)◆

♪第51話

♪Gubaidulina, Sofia Asgatovna (1931〜ロシア)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 無伴奏チェロのための10の練習曲 ★
2. オフェルトリウム        ★
3. キリストの最後の七つの言葉   ★
4. 該当なし
5. 該当なし

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


Schnittke、Denisovと並んで、現代ロシアを代表する作曲家と言われるGubaidulinaに興味を持ったのは、「オフェルトリウム」。ラジオのエアチェックだったかな。Bachの「音楽の捧げもの」の「王の主題」を引用し、変奏が進むにつれて「王の主題」を最後から1音ずつ切り刻んで短くしていく、というアイデアにまずびっくり。タイトルのオフェルトリウムは「捧げもの」という意味ですが、自分の主題を切り刻んで文字通り捧げてしまうのですね。主題は切り刻んだ結果、とうとう1音だけになってしまい、中間部をはさんで今度は逆から1音ずつ増やしていき、最終的には完全な逆行主題が再現されるというシンメトリーな作り。凝ってます。Webernがよく使った技法で、「鏡面構造」などと言いますね。この作品に感動して生の演奏を聴きに行きたくなり、そこで一緒に演奏された北爪道夫さんの作品(「映照」の尾高賞受賞記念の再演でした)にいたく感銘し、そこからメトロポリタン・マンドリン・オーケストラのさらなる委嘱活動本格化へつながったのですな。自分にとっては思い出深い出来事です。

以来、Gubaidulina作品のCDが出るたびに購入し、そのたびに独特の表現力に感心し、「マイ作曲家」と勝手に制定し、日々心のなかで声援を送るに至っています。

とくに印象に残っている作品は、バヤンという楽器のために書かれたものが多いですね。チェロ、バヤンと弦楽合奏のための「キリストの最後の七つの言葉」とか、バヤン・ソナタ「キリストの再臨を待ち望む(エト・エクスペクト)」、バヤンのための「深き淵より」などです。バヤンはアコーディオンの一種で、ロシアン・アコーディオンとも言うらしいです。Gubaidulinaは、この楽器やチェロなど、音の粘度が高い楽器と相性がいいように思います。音の粘度というのは一般的に使わない表現だと思うのですが、いい表現が思いつかないので・・・。なんとなく伝わりますかね。ちなみにマンドリンは「かなりさらさら」です。



笹崎の好きな曲Best5

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1.オフェルトリウム 自分の主題を切り刻んで捧げてしまうとは
2.キリストの最後の七つの言葉 チェロ、バヤンと弦楽合奏。バヤンの表現力に圧倒される
3.ホケトゥス風に ファゴット、ピアノとヴィオラ。ハ長調を連想させながら崩れていく冒頭と、いきなり重音奏法で入ってくるファゴットが印象的
4.喜びと悲しみの園 フルート、ヴィオラ、ハープというどこかで聞いた編成だが、甘い音色だけを想像するとしっぺ返しが
5.バヤンのための「深き淵より」 バヤンの凄みが発揮される曲
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

譜面が手に入らないのだが、「アッシジの聖フランチェスコによる太陽の讃歌」がとても気になる。

次回は、HandelとHaydn。書きにくそうな大作曲家2人だなあ。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★        今月の言いまつがい        ★
★                         ★
★  本日のラッキーセブンは・・・ 3です!!!  ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ラッキーナンバーと言いたかったらしい。

では、また。




◆笹崎の歴史2−52(2005/12/28)◆

♪第52話

♪Handel,George Friedrich (1685〜1759) ドイツ→イギリス


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.見よ、勇者は帰る        ★★★★★
2.メサイアよりハレルヤ・コーラス ★★★★★
3.もろびとこぞりて        ★★★★★
4.オンブラ・マイ・フ       ★★★★
5.水上の音楽           ★★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


メサイアのハレルヤ・コーラスはいつの間にか知っていました。CMの影響かな。「見よ、勇者は帰る」は運動会で(テレビの「にきにきにんにんにーん」かも。古っ)。本当の作曲者はDaniel Gregory Masonという人らしい「もろびとこぞりて」は幼稚園で。カトリック系の幼稚園だったからね。大きな声では言えないが、「モロビ」と「コゾリテ」という2人がやって来て、迎えて祭るのかと思ってた(笑)。主、湧っきっまっせ〜り〜〜、主、湧っきっまっせ〜り〜〜、しゅわ〜しゅわ〜〜。えっ、なに、主は湧かない? ええっ!?

次のHandel体験は、おそらく「調子の良い鍛冶屋」。ハープシコード組曲第5番の終曲ですが、レコードに入って聴いていました。「母と子のピアノ名曲集」みたいなやつね。小学校の時に譜面を買ってもらって、ピアノで体育会的に弾いていた記憶もあります。

その後はHandelとの出会いはなかなか進まず。

 水上の音楽・・・高校2年くらい
 王宮の花火の音楽・・・高校時代(今でもうろ覚え)
 メサイア全曲・・・大学時代(今でもハレルヤコーラス含めた数曲以外よく覚えてない)
 オン・ブラ・マイ・フ・・・流行ったときに初めて知った(大学3年ころ)
 シバの女王の入城・・・たぶん大学時代(今でも冒頭2小節を繰り返せるだけ)
 合奏協奏曲集・・・30歳くらい?(今でもよく覚えてない)
 シャコンヌ・・・30歳くらい?(今でもうろ覚え)

というわけで、いまだによく知らない作曲家のまんまなのであります。カンタータとオラトリオと歌劇の音楽的区別もあまりつかないし、語る資格なしですな。音源はそこそこ持っているけれど、一度聴いたきりの曲が多いですね。Bachはそこそこ聴くのですが、Handelを聴かないのはなんでですかね。ストレートな晴れやかさは好きなのですが。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.水上の音楽 すがすがしさがありますね
2.メサイア いくらなんでももうちょっと覚えないとね
3.ヴァイオリン・ソナタop.1−13 これは、ヴァイオリンの伴奏したことがあるのね。素直で好き
4.王宮の花火の音楽 ストコフスキー盤の花火の音とかけまわる子供の声(?)に脱力
5.3つの二重協奏曲 明快でかっこいいので
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ははは、あんまり聴いてない人のBest5だわな。





◆笹崎の歴史2−53(2005/12/28)◆

♪第53話

♪Haydn,Franz Joseph (1732〜1809) オーストリア


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.交響曲第94番「驚愕」より第2楽章    ★★★★
2.弦楽四重奏曲第77番「皇帝」より第2楽章 ★★★★
3.弦楽四重奏曲第17番より「セレナード」  ★★★★
4.交響曲第101番「時計」より第2楽章   ★★★★
5.交響曲第104番「ロンドン」       ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


幼年時代は交響曲94番「驚愕」と交響曲第101番「時計」を聴いて育っていた笹崎。そこそこ覚えてましたが、大好きな曲というほどまでには至らなかったようです。小学校時代は、ソナチネアルバムやソナタ・アルバムに入っているピアノ・ソナタを数曲習ったくらい。人間、課題になったとたんになぜ簡単にやる気が失せるんですかね。したがって、そんなに好きになることもなく。

高校の時には、後期の交響曲をいくつか聴きましたが、体育会的音楽観時代だけあって地味さに共感できず、スルー。大学時代に楽曲形式に興味を持ったときは、典型的な普通の(ほんとはそうでもないんだけどね)ソナタ形式に、「ふうん、ま、ソナタ形式の出発点だわな」くらいで、これまたスルー。

Haydnに興味を多少持ったのは、30歳過ぎですかね。ユーモアのセンスのよさがなんとなくわかってきたような。型通りに進むと思わせて、わざとはずすんですね。実はあの手の小技をあちこちに仕掛けているのですな。有名な「驚愕」はさすがにわかりやすすぎるけれどさ。

とはいえ、のめりこむということもなく、好きな指揮者や演奏者によるCDが出たときに購入するくらいで推移しています。好感度は少しずつアップ中ではあるけれど。おっと、セレナードはCDも譜面もない! 交響曲第45番「告別」の譜面もない! まだまだだなあ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.交響曲第104番「ロンドン」 これはHaydnの中で出色の出来だと思います
2.交響曲第103番「太鼓連打」 第4楽章が好き
3.交響曲第100番「軍隊」 第2楽章が好き
4.交響曲第94番「驚愕」 第4楽章が好き
5.交響曲第101番「時計」 第4楽章が好き
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ははは、これまたあんまり聴いてない人のBest5だわな。感想コメントも自分で書いていてなんなんだか。
次回は、Henzeはパスして、Hindemithから。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                        ★
★      今月の似て非なるもの        ★
★                        ★
★     「浄しこの夜」と「浄夜」       ★
★                        ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「浄夜」と「除夜」も似ているわけだが。
そもそもほんとうは「聖しこの夜」なわけだが。
そのくらいネタが切れていることがばればれなわけだが。

では、また。




◆笹崎の歴史2−54(2006/2/12)◆

♪第54話

♪Hindemith, Paul (1885〜1963) ドイツ→アメリカ


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. ウェーバーの主題による交響的変容  ★★★
2. 交響曲「画家マティス」       ★★★
3. 組曲「気高き幻想」         ★★
4. 室内音楽第1番op.24−1    ★★
5. 交響曲「世界の調和」        ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


オーケストラの総譜の上から下まですべての楽器のソナタを書いたとよく言われるHindemith。総譜には残念ながら打楽器とマンドリンが含まれていなかったようで(笑)。それにしてもイングリッシュホルン、アルトホルン、テューバ、ハープ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、コントラバスに至るまで、よく書きましたねえ。

さて、笹崎の歴史におけるHindemith。高校・大学の「上野文化会館資料室で聴きまくり」時期に大量に管弦楽作品を聴いたのがHindemithとの出会い。室内音楽、各種交響曲、各種協奏曲、このあたり。現代というほどではない和声でリズムもはっきりしているので聴きやすいのだけれど、どの曲も同じように聞こえてしまった印象がありますね。明らかに覚えているのは、「木管楽器とハープのための協奏曲」。クラリネットだけが周囲とは無関係にひたすらMendelssohnの結婚行進曲を吹き続けるインパクト強い音楽です。でも、ほとんど演奏されませんな。

大学時代は、「画家マティス」や「ウェーバー主題」を何度も聴くうちに、そこそこ好きになったくらい。形式研究をする中では、意外にも単純に書かれているのでびっくりした記憶があります。

社会人になって、徐々にソナタのCDと譜面を購入。そしてついに2003年頃、総譜の上から下までほぼすべてのソナタのCDと譜面が揃いました。これだけ揃った一般家庭は少ないのでは、と自慢してみよう。

最近感じるのは、この人の和声のおもしろさ。この和声からこの和声に移るのか!という新鮮さがたまらないっす。Hindemithと同じような傾向の同世代作曲家がドイツに何人かいると認識していますが(マンドリンの曲も書いている人ね、EさんとかGさんとかGさんとか)、Hindemithのような面白さは僕は感じないですね。単純すぎるのか驚きが少なくてニンマリできないのですな。

ロマンのかけらすらない即物的で無機質ととられかねない作風からか、一般ウケが必ずしもよくない(?)Hindemithですが、僕はとっても好きですよ。でも、傾向が似ているのでどの曲がどの曲なんだか覚えてない、とひそかに告白してしまおうかな。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.交響曲「画家マティス」 かっこいいなあ。とくに金管のコラール
2.ウェーバーの主題による交響的変容 トゥーランドットなど、おもしろいと思います
3.フルート・ソナタ ソナタ・シリーズではなぜかいちばん好き
4.ヴィオラ・ソナタop.11−4 ソナタ・シリーズではなぜか二番目に好き
5.室内音楽第1番 破綻ぶりがおもしろい。サイレンまで鳴り響く
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

Hindemithヴィオラ奏者だっただけあって、ヴィオラのための作品には気合いが入っているような気がします。「最後のライラック」「マリアの生涯」などの声楽作品もけっこう好き。もっと聴きこんで、各曲の区別がついてくるとランキングは大幅変動すると思うのですが。





◆笹崎の歴史2−55(2006/2/12)◆

♪第55話

♪Holst, Gustav (1874〜1934) イギリス


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.「惑星」より「木星」    ★★★★★
2.「惑星」より「火星」    ★★★★
3.「惑星」その他の曲     ★★★
4.吹奏楽のための組曲第2番 ★★★
5.セントポール組曲     ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


「惑星」は高校生(たしか1年)のときに、2〜3番目に買った輸入スコアの一つです。はじめがStravinskyの「春の祭典」(いきなりかよ)。輸入スコア早期購入Best5には入ると思います。

この「惑星」、体育会的音楽観時代の最高峰の曲の1つと言ってよいでしょう。アルト・フルートだけでも珍しいのに、バス・オーボエまで入る4管編成のオーケストラ、多数の打楽器群、オルガンのグリッサンド。明快でわかりやすくかっこいい旋律、大オーケストラならではの映画音楽的サウンド。言うことなしですな。唯一の欠点はフェイドアウトして終わることか(笑)。

そうなると、Holstの「惑星」以外の曲に大きな期待が高まるじゃありませんか。まず聴き始めは、「セント・ポール組曲」「吹奏楽のための組曲第1・2番」、このあたりね。ううむ、ちょっと地味目。笹崎青年は、そうはいっても隠れたビッグサウンド系の曲がどこかにあるに違いないと上野文化会館で探します。「どこまでも馬鹿な男」「東洋組曲」「日本組曲」「フーガ風序曲」「フーガ風協奏曲」「ムーア風組曲」・・・。題名はそそるんだけどなあ。体育会系欲望を満たしてくれる曲は、結局探せずじまい。「惑星」がHolstの異端な部類に入るのだとようやくあきらめたのでありました。

体育会時代を過ぎると、急速にHolstに対する興味は失せ、新しい出会いはほとんどなし。そのまま社会人になり、過ぎること10年。なぜか購入した声楽作品集のCD。この中に妙に気になる曲が入っていたのです。「アヴェ・マリア」。これがねえ、きれいなのよ。短い曲なので何度か繰り返し聴きながら、この曲の純粋さが気に入ってしまったのですな。譜面を取り寄せようと思ったら、3冊以上からしか注文できないとのこと。それでも頼みましたよ。だから、2冊余ってます。買いたい方は先着順!!! 

ということで現在のランキングは以下の通り。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.組曲「惑星」 とはいえ、第1位で
2.アヴェ・マリア ぜひ聴いて。ほんと、きれいだから
3.セント・ポール組曲 とはいえ、グリーン・スリーヴズが出てくるとうれしいから
4.吹奏楽のための組曲第2番 同上
5.日本組曲 日本民謡が使われているわりには、心地よい不思議な違和感
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

個人的に、アヴェ・マリアとセント・ポール組曲の間の差は大きいです。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                        ★
★     今月の外来語言い換え運動       ★
★                        ★
★   モーツァルト 交響曲第41番「木星」   ★
★                        ★
★                        ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
なぜ違和感が? 合ってるのに。

次回はHoneggerとIbert。
では、また。



◆笹崎の歴史2−56(2006/3/21)◆

♪第56話

♪Honegger, Arthur (1892〜1955 スイス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.交響的運動第2番「パシフィック231」    ★★★
2.劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」 ★★
3.交響曲第3番「典礼風」            ★★
4.交響曲第2番                 ★★
5.交響的運動第1番「ラグビー」         ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


高校時代、楽譜屋さんに行ったとき、この作曲家の名前がしばらく読めなくって気になってましてね。しばらくホネッガーだと思ってましたよ(オネゲルです、念のため)。Googleしてみよう。「ホネッガー の検索結果のうち 日本語のページ 約 7 件中1 - 4 件目 (0.45 秒) 」。ほら、仲間が。

はじめて作曲者名と綴りが一致したのは、交響的運動第2番「パシフィック231」をエアチェックしてから。機関車が走り出してブレーキかけて止まるまで、という曲ですが、かっこいいんだよねえ。

高校・大学の「上野文化会館資料室で聴きまくり」時期に、管弦楽作品をずいぶん聴きました。交響曲全部、各種協奏曲、交響的運動第1番「ラグビー」、劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」など。そのときは、交響曲第2番・第3番が気に入ったのを覚えています。交響曲第2番は、弦楽とトランペットという編成で、圧迫感のある暗く緊張感に満ちた楽想が続き、最後だけ希望の光が、初めて奏されるトランペットとともに現れるという構成。ある種、古典音楽の図式そのままで、これを大幅に拡充したものなんでしょうかね。

社会人2〜3年目、「クリスマス・カンタータ」を初めて聴いたときはびっくりしましたね。ミシェル・コルボ指揮のCDです。バロック音楽も聴こうということで出会ったコルボですが、この人のCDを集めるうちに、この曲に出会ったというわけ。「クリスマス・カンタータ」の真ん中へんで出てくる「きよしこの夜」をはじめとするクリスマス・キャロルがいっぺんに重なるところがかっこいいと思ったものでした。生でも一度聴きましたよ。これがきっかけとなり、近現代の声楽曲を発掘し始めたのでした。Honeggerで言うと交響的詩篇「ダヴィデ王」、オラトリオ「死の踊り」、このあたりですね。オラトリオ「死の踊り」は有名な「ディエス・イレ」が引用される、これまたおもしろい作品ですので、ぜひお聴きあれ。

最近は、交響的運動第1番「ラグビー」の下振りをしたくらいかな。それまであまり関心のある作品ではなかったのですが、実際やってみるとおもしろいですねえ。野外で演奏することを想定しているので、頭から終わりまでほぼフォルテ。にもかかわらず、音楽は起伏に富んでいる。うまいですなあ。木管、金管、弦とブロックで動くことが多いので、音像も立体的でかっこよかったです。

歌曲、歌劇、劇音楽、映画音楽などにはまだ聴いていない作品が多いので、ぼちぼち機会を見つけていければ、というところでしょうか。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.交響曲第3番「典礼風」 緊張感に満ちたこの曲をBest1に挙げてみよう
2.クリスマス・カンタータ 今ではこの曲、冒頭の暗く立ち上がるオルガンが好きなのです
3.交響的運動第2番「パシフィック231」 かっこいーよねー。ブレーキかけるところがとくに好き
4.交響的運動第1番「ラグビー」 冒頭はホイッスルの描写なのか、と下振りして初めて気付きました
5.交響曲第2番 実はけっこう冒頭部分が好き
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



◆笹崎の歴史2−57(2006/3/21)◆

♪第57話

♪ Ibert, Jacques (1890〜1962 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.フルート協奏曲    ★★★
2.寄港地        ★★★
3.組曲「物語」     ★★
4.ディヴェルティメント ★★
5.交響組曲「パリ」   ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


上野文化会館で「名曲解説事典に載っている曲をひたすら聴くぞプロジェクト」の中で、数曲の出会い。これがはじめてのIbert体験になりました。交響組曲「パリ」、フルート協奏曲、「寄港地」、このあたりを順番に聴いていったのであります。はじめは「パリ」のお遊び感覚(というか、はしゃぎすぎ)が体育会的感覚とマッチしましたね。そのあと、音楽番組(「題名のない音楽会」だったかな)で、「ディヴェルティメント」の終楽章をやっていたのですね。このぱっぱらぱーな音楽にも魅せられて、この曲も好きに。

社会人に入ってからは、だんだんこの人の持つおしゃれな和声感覚の方に興味の対象は移っていき、フルート協奏曲や寄港地が好きになっていきます。フルート協奏曲はちょっと演奏にもかかわったことがあります。おしゃれでいいよね、この曲。室内楽も少しずつCDを揃えていきますが、Ibertはやっぱり管弦楽だよなあと思う今日この頃。とはいえ、声楽作品やピアノ曲に未聴ものが多いので、これからもぼちぼち楽しんでいこうかと思っています。ああ、普通の歴史だなあ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.フルート協奏曲 ひそかに2楽章がいいと思う
2.交響組曲「寄港地」 力作。これもひそかに2楽章がいいと思う
3.アルトサクソフォンと11楽器のための室内小協奏曲 フルート協奏曲と並ぶ傑作だと思うが、なぜか有名ではない
4.交響組曲「パリ」 理屈ぬきで楽しい
5.ディヴェルティメント 冗談音楽的ぱっぱらぱーさがいい
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

スコアが高価なために購入していないものが多数あるので、それを買うとランキングは変わることでしょう。オケ作品だと「祝典序曲」や「バッカナール」、あと「架空の愛へのトロピズム」とかね。
フランスの譜面、安くしてください(ついでに、印刷のクオリティも上げてください・・・紙質も・・・)。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★         今月のドイツ          ★
★                         ★
★       春分の日はドイツ語で        ★
★      Fruhlingstagundnachtgleiche      ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

正しくは、Fruhlingsのuにウムラウト(上にてんてん)。
英語にすると「Spring's-day-and-night-equal」みたいな感じ。
正しいけどさあ、めちゃくちゃ理屈っぽいよな。
しかも長すぎ。
ドイツの子供は「あしたはフリューリンクスタークウントナハトグライヒェで学校は休み」とか言うんだろうか。
そう考えると日本の「春分」って、なんてわびさびなんだろう。

次回はIrelandとIves。なんかマイナーだな。
d’Indy書こうと思ってたけど、知っている曲が少なかったのでパス。
では、また。



◆笹崎の歴史2−58(2006/5/22)◆

♪第58話

♪Ireland, John (1879〜1962 英国)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 聖なる少年      ★
2. ロンドン序曲     ★
3. サルニア(島の情景) ★
4. ファンタジー・トリオ ★
5. ピアノ協奏曲     ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


この作曲家の作品を意識して聴いたのはごく最近なんですね。社会人になってから「ロンドン序曲」などの作品のCDや譜面を買ったものの、そのときはあんまり印象に残らず。興味を持ったのは、ピアノ作品集のCDを購入してから。記録によると2003年、38歳のときですね。たまたまNAXOSで安く出ているので買ってみようというくらいで、たいした動機ではなかったです。

でも、これがけっこうよかった。ならば譜面を購入。なるほど、なかなか印象主義的な淡い色彩感がおもしろいじゃないの。ピアノ協奏曲も買ってみようかしら。なるほど、ちょっと元気すぎるけど、これはこれでいいじゃない。んじゃ、ピアノ曲の残りはNAXOSで出そうもないから全集をCHANDOSで揃えますかね、という具合に少しずつIrelandに接近。

まだめちゃくちゃ好きという作曲家とまではいかないですが、道端の名も知らぬ可憐な花のような存在として、心の中にひっそりと咲いているのです。ううむ、今回の締めはちょっと感傷的。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.サルニア(島の情景) この曲がまず気に入ってIrelandのよさを知りました
2.ロンドンの夜のバラード 分散和音による展開がきれい
3.バラード Irelandにしては不安な和声が支配的
4.デコレーションズ 3曲からなりますが、それぞれの光がきらめいていい感じ
5.ロンドン小品集 第1曲の「チェルシー・リーチ」が好き。素朴な旋律ときれいな和声の展開
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

全部ピアノ曲になってしまいました。室内楽は開拓中。





◆笹崎の歴史2−59(2006/5/22)◆

♪第59話

♪Ives, Charles Edward (1888〜1927 アメリカ)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 答えのない問い          ★★★
2. 宵闇のセントラル・パーク     ★★
3. 交響曲第2番           ★
4. 交響曲第4番           ★
5. アメリカ変奏曲          ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


「へんてこりんな交響曲特集」という特集名だったかな。高校時代、ラジオのエアチェックで、2番だったか4番だったかどちらかを聴いたんだよね(確かに両方ともへんてこ)。たぶんこれが初めてのIves体験。そのあとは上野の文化会館で主要曲のレコードを聴いたり、エアチェックで新しい曲に出会ったり。賛美歌をはじめ、「草競馬」「ケンタッキーの我が家」「故郷の人々」なんかが引用されたり、オケの一部が違うテンポで勝手に曲を進めてずれるところ(ポリリズムと言いますね)など、楽しく聴いていましたね。

あまりにも独特すぎる作風で実験的な側面も多くあるのだけれど、実験のための実験ではなく、実現したい音楽が今までの表現を越えたためにその手段として使っているところがいいなと思いますね。アメリカの街を歩いているとさまざまなところから賛美歌やらパレードやらさまざまな音が聞こえてきて、それがそのまま音楽になっている感じ。

と書いてはみたものの、とても好きな作曲家かと言われるとねえ。確かに面白いとは思うのだけれど、なんでだろ。多調・引用・コラージュや微分音、ポリリズムといった外面的な特徴が目につきすぎて、その先にあるものを探し当てて共感するほどの聴き込みを自分はまだしていないということなんだろうなあ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.交響曲第4番 もっともIvesらしい作品なのではないのでしょうか
2.ニュー・イングランドの3つの場所 改めて譜面を見て、常識を逸脱した筆致に感心してしまいました
3.宵闇のセントラル・パーク 最後に静寂に戻るところがなんともいえずいい感じ
4.交響曲第2番 最後はやっぱり笑ってしまう。初版は普通に終わっていたといううわさも
5.スケルツォ「舗道の上で」 最近、「おっ」と思った曲。譜面を持っていないのでとりあえず5位スタート
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

譜面を見ただけではさっぱりわからないところがこの作曲家らしいですな。

次回は、JanacekとJolivet。
Janequin(ジャヌカン)はパスさせてー。18歳未満赤面必至のシャンソンなど嫌いではないのですが。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★         今月の疑問           ★
★                         ★
★       秘密戦隊ゴレンジャー        ★
★  あんなに派手に出てきて秘密も何もないのでは? ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

で、何が秘密なんでしたっけ?


では、また。

◆笹崎の歴史2−60(2006/7/15)◆

♪第60話

♪Janacek, Leos (1854〜1928 チェコ)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. シンフォニエッタ     ★★★★
2. タラス・ブーリバ     ★★★
3. 歌劇「利口な女狐の物語」 ★★
4. クロイツェルソナタ    ★★
5. グラゴル・ミサ      ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


初めて聴いたのは、有名曲「シンフォニエッタ」。高校時代ですね。トランペットが14本出てくる壮麗さは、当時の体育会系音楽観を十分に満たしたのでした。そのあとはエアチェックか上野文化会館音楽資料室で「タラス・ブーリバ」や「ラシュ舞曲集」などと出会いますが、それほど印象に残らず。そんな感じで大学時代も終わります。

社会人になってからだと思いますが、管楽六重奏のための組曲「青春」や「グラゴル・ミサ」と出会い、このあたりから、Janacekっておもしろいんだけどわけわからないなあという感が強くなってきます。譜面を見返すと、「シンフォニエッタ」ですら、なぜこの和音で、なぜこの音階で、ときどきなぜ13/8拍子とかが挟まるのか、へんちくりんな感じがしてきまして。自分の音楽観とはもっとも遠い特異点にある作曲家のように思えました。でも不思議と惹かれるんだよなあ。

その後、ピアノ曲集のCDで評判のよかったフィルクシュニー盤を聴いたり、2曲の弦楽四重奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、弦楽合奏曲などとの出会いがありますが、魅力的なんだけどよーわからん作曲家の印象はますます強まるばかり。

大阪に異動になってLD(そのときは「DVDはあとで買う、絶対後悔しない」と思ったのですが、今ではやっぱりちょっと後悔)を購入したときに、主要オペラ作品をまとめて購入。いちおうCDは持っていた「利口な女狐の物語」をはじめ、「イェヌーファ」「カーチャ・カバノヴァー」「死者の家から」が一気に揃います。これがね、音楽は相変わらず遠いところにある気がしたものの、結構面白かったのですよ。そこで、早速譜面を購入しようと思ったのですが、代表作の「利口な女狐の物語」は出版されてないじゃん。抜粋の組曲版とピアノ・リダクション版は買ったけど。「イェヌーファ」「カーチャ・カヴァノヴァー」は出ていましたが、高価すぎる。ということで、せっかく熱くなりかけたJanacekへの興味は少しずつ冷めていきました。

東京に戻ってからは、マッケラス指揮の主要オペラのCDを購入しますが、譜面を見ていないので印象はあまり変わらず。最近、「グラゴル・ミサ」の原典版との出会い(ブーレーズ盤、マッケラス盤)があってまたふつふつと興味がわきあがりましたが、これまた原典版の譜面が手に入らないということで、再びきっかけを失っています。Janacek作品は絶対おもしろいと思うんだけど、障害多すぎ。

ええとですね、オペラのオケスコ、手に入りやすくしてください。お願いします。Doverさん、どう?



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.シンフォニエッタ かっこいいけど、だんだんわからなくなってきた。でも、逆にそこに惹かれる
2.タラス・ブーリバ よくわからないけどかっこいいぞ。でも、わけのわからなさに惹かれる
3.グラゴル・ミサ 原典版の方が間違いなくおもしろい。なぜ出版されていないのか
4.歌劇「利口な女狐の物語」 フルスコアはなぜ出版されていないのか
5.管楽六重奏のための組曲「青春」 能天気なんだかなんなんだか。でも、逆にそこに惹かれる
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

歌劇「利口な女狐の物語」はスコアが入手できれば、さらに上位に行くこと間違いないのですが。というか、オペラのスコアが手に入りやすければ、Best5は大変動するはず。





◆笹崎の歴史2−61(2006/7/15)◆

♪第61話

♪Jolivet, Andre (1905〜1974 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. ピアノ協奏曲       ★★
2. 打楽器協奏曲       ★★
3. フルート協奏曲第1番   ★★
4. トランペット協奏曲第1番 ★
5. 5つの呪文        ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


ジョリコンというとフルート協奏曲第1番を指すようなのですが、有名な順番はこれでよかったのかな? 「のだめ」の影響もあって打楽器協奏曲を入れときましたが。

はじめて聴いた曲は、エアチェックで聴いた「ピアノ協奏曲」。アントルモンのピアノ、ジョリヴェ自身の指揮(たのむ、CD化してくれ〜〜)で、これがかっこよかった。ちょっと録音が古くて不明瞭な面もありつつも、打楽器も何十種類も入り、当時の体育会系音楽観を十分に満たしたのでありました。それからは上野文化会館で協奏曲を中心に聴きますが、ピアノ協奏曲ほどのインパクトある作品には出会えず。曲もそうなんだけれど、どれも録音が古くて細かい部分が聴き取れなかったこともあるのかも。

その後社会人になって、なかなか出ないJolivetの新譜を店頭に並ぶたびに購入していましたが、興味関心は打楽器の多彩さによる楽しさ・かっこよさから音色の多彩さへ、さらには呪術的な怪しさへとだんだん移っていきました。とくに決定的となったのは、独奏フルートのための「5つの呪文」。これは尋常ではない。イタコの世界ですな。生で聴いたこともあるのですが、ううむ、怪しすぎ(喜)。フルーティストは疲れるばかりでなく、憑かれてしまうに違いない。

譜面は高価なためになかなか購入スピードが上がらず。それでも少しずつ主要作品を揃え、今では21曲。協奏曲がほとんど揃ったのがちょっと自慢。

つい数年前、ERATOから主要作品をまとめたCDが出ましたが、まだまだ最新録音には全く恵まれないJolivet。使用する打楽器を揃えるだけでそうとうお金かかるからですかね。それとも単に演奏が難しいから? 生でも演奏されないし。「Jolivet協奏曲の夕べ〜フルート・トランペット・オンドマルトゥノ・ピアノの各協奏曲」とかやったら絶対聴きに行くのにな。もちろんCDも買いますよ。ぜひ解像度の高い優秀録音で、Jolivetの怪しい音色に浸れる日が来ることを心待ちにしています。お願いします。ブーレーズさん、どう? (興味なさそうだな)



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ピアノ協奏曲 ピアノと打楽器のための協奏曲という感じがします。かっこいい
2.トランペット協奏曲第2番 終楽章は、何かが狂っていてすばらしい
3.トランペットと打楽器のための「エプタード」 あちらの世界に入ってしまっていると思われます
4.5つの呪文 さらにあちらの世界に入ってしまっていると思われます
5.オンド・マルトゥノ協奏曲 これまた怪しい。オンドの音色がJolivetの世界に見事にマッチ
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

今のところ、もっとも録音に恵まれない作曲家の一人と言えるでしょう。

次回はKancheliとKchachaturian。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★         今月のバファリ●        ★
★                         ★
★       「大バッハ配合、・・・」      ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

CMのせりふ、こう聞こえません?


では、また。



◆笹崎の歴史2−62(2006/9/8)◆

♪第62話

♪Kancheli, Giya Aleksandrovich (1935〜 グルジア)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 風は泣いている           ★
2. ナイト・プレイヤーズ        ★
3. 交響曲第7番            ★
4. 映画音楽「不思議惑星キン・ザ・ザ」 ★
5. 該当なし

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


Kantscheliと綴ることもある、グルジアの現代作曲家。この人の音楽は頭から終わりまで悲しみだけでできています。静かな祈りと大自然の怒りとも思える大音響が交代する音楽です。「お休みの音楽」にはまったく適していません。曲にもよるけれど、速いパッセージも基本的にあまりなし。少ない音符がゆっくりゆっくり進行していきます。cresc.もほとんどなく、pp、pp、pp、ff、pp、pp、ff、pp、pp・・・という交代が支配的。Ustovol’skayaのff、ff、ff、pp、ff、ff・・・と並んで、とても特徴的です。

この作曲家との出会いは、たぶん社会人に入ってしばらくしてから。Schnittkeが流行ってしばらくしてKancheliの音楽が少しずつ知られるようになった、その頃だったと思います。1990年前半だったかしら。クロノス・カルテットの奏する「ナイト・プレイヤーズ(夜の祈り)」でKancheliの名前を認識しましたが、実はエアチェックで「交響曲第6番」の音源が残っているので、大学時代にも聴いているはずなんだよなあ。

その後、だいぶCDが出るようになり(ちょっとヒーリング音楽っぽい売り出し方をされすぎているきらいがありますが)、譜面も10数冊購入しました。どの曲も強烈なKancheli色が醸し出されていますね。傾向が似ているとも言いますが。アルトフルートを頻繁に使用したり、低音にエレキベースを入れるあたりも音色の特徴ですね。ピアノの内部奏法も頻繁に使用されます。そういえば、最近話題になっていないようですが、どうしているのでしょうか。

思うに、この作曲家の作品は、生で聴くべきものなのでしょう。間違いなくある種宗教的な緊張感の高い場の空気が作られるはずです。あんまり機会はないみたいだけど、一度は体験してみたいなあ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.私は去る、見ることもないままに 装飾的な速い楽句と休符、静寂のコントラスト。オルゴール的なピアノの句が
2.風は泣いている Kancheliの代表作。比較的とっつきやすいのではと思います
3.モーニング・プレイヤーズ アレグロ楽句と静寂のコントラストが効果的。朝の鐘が晴れやかに心に響いてくる
4.ミッドデイ・プレイヤーズ 強奏は全曲の10%を切っている。終わり5〜6分で初めて現れる歌が静かに響く
5.交響曲第6番 交響曲では7番「エピローグ」が代表とされますが、個人的にはこちらを推します
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ナイト・プレイヤーズってカタカナで書くと、遊び人のよう。「prayers」の方ね。
だいぶイメージ違う。というか、違いすぎ。

上記Best5は譜面を持っているものの中から選びました。順位にさほどの差はないです。譜面を持っていない曲では「Styx」が気になっています。





◆笹崎の歴史2−63(2006/9/8)◆

♪第63話

♪Khachaturian, Aram Ilych (1903〜1978 ソ連)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 剣の舞(ガイーヌ)        ★★★★★
2. バラの乙女たちの踊り(ガイーヌ) ★★★
3. スパルタクスのアダージョ     ★★★
4. ガイーヌの子守歌(ガイーヌ)   ★★★
5. レスギンカ舞曲(ガイーヌ)    ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


「スパルタクス」のアダージョは「2001年宇宙の旅」で使われたので、ここに置いてみましたが、だいたいこんなもんじゃないすか? 

「剣の舞」は幼少のときからレコードで聴いてました。でも、次に知った曲はなんだろ? 中学卒業まではこの曲しか知らなかったような気がします。

高校生になって、「ガイーヌ」全曲をエアチェック。体育会的パワー全開のこの曲、当時の自分にフィットしましたねえ。とくに「レスギンカ」「歓迎の踊り」「ウクライナ民族舞曲」あたり。

上野文化会館音楽資料室に通うようになってから、「ヴァイオリン協奏曲」に出会います。これ、楽しいよね。体育会的音楽観を持つ笹崎青年は大喜び。

で、こっから先は興味がどんどん冷めて現在に至ります。強烈な民族色だけの音楽には飽きちゃいましてね。それに、うーん、なんか、みんなおんなじ感じが・・・ 日本人にもKhachaturianよりだいぶあとの世代に民族的な作曲家がいますが、ほぼ同じ印象で推移していますです(ああそうね、マンドリンの世界にもいますね。初めから興味を持つことなく現在まで推移)。典型的な体育会的作曲家としての印象しか、今はないなあ。ファンの方、すみません。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ガイーヌ 体育会的な側面は、とはいえそれはそれで
2.ヴァイオリン協奏曲 半分冗談音楽だと思って聴くと楽しい
3.組曲「仮面舞踏会」 終曲のギャロップがおまぬけで好き
4.スパルタクス アダージョはきれいかも
5.ピアノ協奏曲 こういった民族的なピアノ協奏曲もこの世になくちゃね
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はKnussenとKodaly。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★          今月の放屁          ★
★                         ★
★     もっともおならがくさい作曲家は?    ★
★                         ★
★                         ★
★         答え:ホルスト         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ホルストのわくせい ホルストのわくせい ホルストのは、くせー
ああ、ごめんなさい。ネタが切れたんです(冥王星格下げ記念ということで・・・)

では、また。



◆笹崎の歴史2−64(2006/10/29)◆

♪第64話

♪Knussen, Oliver  (1952〜 イギリス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.歌劇「かいじゅうたちのいるところ」  ★★
2.該当なし
3.該当なし
4.該当なし
5.該当なし

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


はじめてKnussenの透明感あふれるオーケストレーションにびっくりしたのは、「歌と海の間奏曲」。大学時代にエアチェックしたものですね。これが歌劇「かいじゅうたちのいるところ」の一部だと知ったのはずいぶんあとでした。しかも、モーリス・センダックの絵本「WHERE THE WILD THINGS ARE」と一致するのも時間がかかり・・・。今の笹崎家には、センダックのかいじゅうのぬいぐるみが一式そろっていたりするのになあ。

社会人になってから、この人の出版譜面を10数冊一気に取り寄せ、オーケストレーションの緻密さに改めて感動。あの巨体からなぜこれほどまでに繊細な書法が! 管楽器を中心とした半透明な音色の作り方に、もうめろめろなのであります。

「かいじゅうたちのいるところ」と「ヒグレッティ・ピグレッティ・ ポップ!」は、LDで購入。それにしても「ヒグレッティ・ピグレッティ・ ポップ!」は、さっぱりわからない幕切れですな。楽しいんだけど。

いつだったか、自作自演のコンサートに行きまして。「歌と海の間奏曲」も「ヤンダー城への道」(「ヒグレッティ・ピグレッティ・ ポップ!」の一部)もやりました。ううむ、楽しいぞ。無調なのに、なんでこんなに楽しい? そしてなんと繊細な音色! 繊細なのに推進力もあるところが不思議。ますますファンになった一日でした。演奏会終了後、ナッセンさんをお見送りしたときのこと。リムジンにナッセン家の3人(皆さん揃ってたいへん大柄・・・)が乗り込もうとしていました。1人乗るごとにリムジンの車体が今まで見たことがないほど大きく下がり、最後にはおなかをこすってしまいそうだったことを思い出しました。3人合わせていったい何kg?

Knussenさんご自身は巨体なんだけれど、その音楽世界は完全に小世界なんですよね。しかも子供の世界。おもちゃとか楽しい絵とかきらきらした未知の楽しいものが転がった子供部屋で楽しむ子供の視線範囲内の世界、というような印象を個人的には受けています。多忙のために作曲は遅れに遅れているようですが、世界中の音楽ファンのために作曲の時間を作ってほしいものです。でも、指揮活動も素敵だったりするからなあ。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.歌劇「かいじゅうたちのいるところ」 センダックの世界と相俟って、夢のような音楽
2.歌劇「ヒグレッティ・ピグレッティ・ポップ!」 こんな無調で楽しいアレグロが書ける作曲家はほかにいないかも
3.花火と華麗な吹奏 Stravinskyの「花火」の引用が
4.人形小屋の音楽 古楽の引用(?)あり。途中のギター・チェレスタ・ハープ・鐘という編成がすてきな音色
5.2つのオルガヌム 第1曲はドレミファソラシの音しか使われていない。なのにちゃんと現代的なKnussenらしい音楽
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ほかに「ウィニー・ザ・プーのハミングと歌」(ソプラノとアンサンブル)などがとくに好きです。ああ、それから武満徹さんのために書かれたピアノ曲「祈りの鐘 素描」の譜面が家にあります。今のところCDは出ていないようです。たいへん美しい曲なのですが、なぜか途中に「チャルメラ」の旋律の引用が! なぜ? 知っている方は、ぜひ教えてくださいませ。





◆笹崎の歴史2−65(2006/10/29)◆

♪第65話

♪Kodaly, Zoltan (1882〜1967)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.組曲「ハーリ=ヤーノシュ」    ★★★★
2.ガランタ舞曲           ★★★
3.無伴奏チェロ組曲         ★★★
4.くじゃく変奏曲          ★★
5.マロシュセーク舞曲        ★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


子供の頃から「ハーリ・ヤーノシュ」の「ウィーンの音楽時計」をレコードで聴いていたのを覚えています。が、そのレコード、1曲目最後のpp数小節から入っていたんですよね。「母と子とほにゃららのクラシック」みたいな典型的なオムニバス・レコードだったのですが、なんだったんでしょうか。

高校時代になって「ハーリ・ヤーノシュ」の組曲を全部聴きます。ブラス・打楽器大炸裂のこの曲は、当然体育会的音楽観とマッチするわけで。こうなると、Kodalyのほかの曲も探してみたくなるのは当然でしょう。その中で気に入ったのが、「ガランタ舞曲」。トロンボーンも入っていない2管編成なのに、かっこいいじゃないですか。大学時代始めの頃まで、かなりのお気に入りの曲となったのでありました。

大学時代になって形式分析などするようになってからは、Kodalyへの興味は多少薄れたものの、大きなダメージというほどではなく。なんでかな。形式的には、Bartokの緻密さはないと思うのですが。それでも、「ガランタ舞曲」は、Bartokの「舞踏組曲」同様に、逆ロンド形式とでもいうのか、各エピソードの間のつなぎが共通の主題で作られていて、その配列にセンスを感じたものでした。

社会人になって数年目、ドラティ指揮の「管弦楽全集」を購入。でも、「ハーリ・ヤーノシュ」と「ガランタ舞曲」が頭一つ抜けている気がして、ほかの曲にはあまり興味をもてず。

いつだったかなあ、「無伴奏チェロ・ソナタ」を聴いたのは。これはとんでもない名曲ですよね。はじめのうちはチェロの低いほうの弦を半音下げてH−Fis−D−Aという変則調弦にすることに目が行ったのですが、あっという間にこの曲のとりこに。入手困難だったシュタルケルの1950年頃録音盤(PHILIPS なぜ廃盤? )も、やっとの思いで入手。

最近はピアノ曲全集のCDを購入したり、声楽作品や歌劇を少しずつ聴いたりしていますが、関心が深くなるところまではいかず。上位3曲に対する関心もそんなに変わらず。ここ数年、自分の中では「中の上」的評価から変化ナシの作曲家です。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.無伴奏チェロ・ソナタ チェロの粘性とKodalyの楽曲がベスト・マッチという印象です
2.ガランタ舞曲 メトロポリタン・マンドリン・オーケストラでも演奏。笹崎娘もお気に入り
3.組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 本番で鍵盤打楽器を叩いたけど、難しかった。娘は全曲を「時計」というタイトルだと思っている模様
4.「孔雀」による変奏曲 そこそこの人気曲ですが、笹崎的には普通な感じ
5.マロシュセーク舞曲 これも人気曲ですが、笹崎的には普通な感じ。題名がなにやら美味しそうではある
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はKreislerとLalo。
Koechlinは研究中なのでパス。Lachenmannは心惹かれるけど譜面をあまり持っていないのでパス。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★     今月の「鴬張りの廊下」新説       ★
★                         ★
★    「曲者の侵入を防ぐため」は        ★
★    「建付けが悪い」と言われたときの     ★
★     とっさの言い訳だった          ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

何の根拠もないのですが、なんとなくそんな気がしません?


では、また。
願、はむらぼ更新。



◆笹崎の歴史2−66(2006/11/13)◆

♪第66話

♪Kreisler, Fritz (1875〜1962 オーストリア→フランス→アメ リカ)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1.愛の喜び                ★★★★★
2.愛の悲しみ               ★★★★★
3.美しきロスマリン            ★★★★
4.中国の太鼓               ★★★
5.ベートーヴェンの主題によるロンディーノ ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


幼少の頃から、「愛の喜び」「愛の悲しみ」くらいは、なんとなく知ってました。こういうのってどこで覚えるんですかね。コマーシャル? 「愛の悲しみ」の方は、さすがにCMでは使いにくそうだな。だとしたらどこでだろう。

高校生になって、ヨーヨー・マのチェロによるKreislerをFMで聴きまして。「中国の太鼓」を楽しそうにチェロで演奏するのを聴いて、ある種の感動を覚えます。こういった超絶技巧アンコール・ピースは、体育会的音楽観とはたいへんフィットするのでありまして。中国雑技団のようなもんでしょうか。一方、Kreislerはわかりやすい歌心あふれるアンコール・ピースもぴか一なわけで。クラシック初心者の心を捉えて離さない魅力がありますね。セミ・クラシックとして、かなりいいところを突いている、そう思います。

そのあとパールマンの演奏と出会い、彼らしい技巧を楽しみながら青年時代をすごします。譜面がそこそこ安いこともあり、高校・大学時代の笹崎家にはKreislerの主要譜面が揃うこととなります。

大学生のなかばにもなると、なぜかこういったアンコール・ピースには飽きがきてしまいます。人はデザートだけでは生きていけない、ということなのでしょうか。

社会人になり、それでもこの人のおしゃれな和声感覚と気軽さと楽しさには魅力があると思い続けていたところ、ちょっとした出来事が。なんと、Kreisler作曲・編曲集がまとめて分冊で出版されたじゃないですか。あんなに、こまごま揃えたのに〜(結局買う自分)。

今の笹崎にとってのKreislerは、「聴こえてくる分には苦しゅうない」程度。あと、誰かのピアノ伴奏をして遊ぶには手ごろ、という程度であります。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.中国の太鼓 楽しくてすてき
2.ロンドンデリーの歌 このピアノ伴奏の和声はすてき
3.愛の悲しみ 切なくてすてき
4.ウィーン奇想曲 中間部がすてき
5.美しきロスマリン ロスマリンって何? でもすてき
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

ロスマリン。調べたら、ローズマリーと同じなんだって。貴婦人の名前かと勝手に思ってた。





◆笹崎の歴史2−67(2006/11/13)◆

♪第67話

♪Lalo, Edouard  (1823〜1892 フランス)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. ヴァイオリン協奏曲第2番「スペイン交響曲」  ★★★★
2. チェロ協奏曲                 ★★
3. 歌劇「イスの王」序曲             ★★
4. バレエ音楽「ナムナ」             ★
5. ギター                    ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


高校時代に聴いた「スペイン交響曲」。うーん、それ以降、とくに印象はありませぬ。現在、音源数51、曲数28、譜面3。それなりにはあるなあ。でも、メロディーを思い出せる曲は「スペイン交響曲」以外に・・・



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ヴァイオリン協奏曲第2番「スペイン交響曲」 華やかでよいかと・・・
2.チェロ協奏曲 ちょっとしか思い出せないのですが・・・
3.該当なし いい曲あります?
4.該当なし いい曲あります?
5.該当なし いい曲あります?
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

次回はLigetiとLiszt。Leharはパスでいいよね。Laloよりは長く書けそうではあるけどさ。オペレッタはあんまり興味ある分野じゃないのよ。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★                         ★
★      今月の有名通俗曲への疑問       ★
★                         ★
★   マリーの「金婚式」はなぜああも暗いのか   ★
★                         ★
★                         ★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

もし結婚式同様、ほんとに式を挙げるとしたら。
「めでたく金婚を迎えられたお二人の入場です」
パチパチパチパチ。
ミー ラーミッミッミッ ミーレミファ〜〜〜

・・・・・・くっ、暗い・・・



では、また。



◆笹崎の歴史2−68(2006/12/24)◆

♪第68話

♪Ligeti, Gyorgy (1923〜2006 ハンガリー→オーストリア)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. アトモスフェール         ★
2. ルクス・エテルナ         ★
3. ピアノのための練習曲       ★
4. 木管五重奏のための6つのバガテル ★
5. 木管五重奏のための10の小品   ★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


「2001年宇宙の旅」で、「ルクス・エテルナ」と「アトモスフェール」はどのくらい有名になったのかしら?

でも、笹崎青年はこの曲から入ったわけではなく、高校時代にエアチェックした「チェロ協奏曲」がLigeti楽曲とのはじめての出会い。聴こえるか聴こえないか、微かなAの音が音域や音量の幅・表現や空間性を次第に顕にしていく作りに感激してしまいましてね。以来、ずっとファンです。

「チェロ協奏曲」に続き、「弦楽四重奏曲第2番」をエアチェック。解説者の近藤譲さんが「ユーモアたっぷりで楽しい曲ですね」と評していたのが印象的であります。連符が少しずつ変化して微妙なモアレを生じ、そのずれ具合を楽しむ第3楽章がとくにお気に入り。聴いている方はいいのですが、奏者の方はたいへんに違いありません。同時に演奏される12連符・13連符・14連符・15連符をどうやって合わせているのか、いまだに謎であります。

続いて、上野の音楽資料室でクラスターを中心とした初期作品と出会って、Pendereckiのクラスターとは違う、浮遊する霧のように空間性を感じさせる作りにこれまた感激。一方で、最初期のBartokの民族性を引き継いだような作品や、チェンバロのための「コンティヌウム」や「100個のメトロノームのための交響詩『ポエム・サンフォニック』」のようなメカニカルなものへの共感(とまとめてよいものか? )など、多様な作風を知るにつけ、ますますこの作曲家への興味がわいてきたのを覚えています。

Ligetiが、複数のリズムが同時進行してリズミックでありながら脳内混乱を招く(笑)ポリリズム作品や、自然倍音を導入して聴覚混乱を招く(笑)作品を書き始め、それが日本にも紹介されるようになってきたのは自分が社会人になってから。クラスター時代とはずいぶん違う作風ですが、ユーモアにあふれているところが気に入り、個人的にずっと注目し続けていました。そして2006年、Ligeti没。

現代音楽界からの評価は今でも二分されているような気がします。とくにクラスター時代以降の作品群。「過去への退行」と評されることもあるようですが、僕のようなアマチュア鑑賞者には、そんなことどうだっていいんだよね。複雑にも関わらずユーモアたっぷりでチャーミングな一面、聖徳太子を超えて多くの声部と綿密に合わせなければならない超人的アンサンブル、脳内混乱をどう克服しているのか気になって仕方ないウルトラ超絶名人芸、そもそも広がりを感じさせる新感覚の音空間など、魅了してやまないものをたくさん持っていると思います。

2006年。笹崎にとっては悲しい年になりました。



笹崎の好きな曲Best5

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
1.ヴァイオリン協奏曲  20世紀を代表するヴァイオリン協奏曲の1曲であることは間違いないでしょう
2.チェロ協奏曲 はじめて聴いたLigeti作品。A音から世界が次第に広がる様がすばらしい
3.ピアノのための練習曲集 複数の拍子が同時進行し、楽しく脳内パニック
4.弦楽四重奏曲第2番 なんとも楽しい。どうやって合わせているのか不思議でならないけど
5.アトモスフェール 複雑なクラスターから空間を感じさせるのはいったいどんな秘密があるのか
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

お気に入りの作品はたくさんあります。とくに歌劇「グラン・マカブル」。抜粋版しかスコア持っていないけど、車のクラクションの合奏で始まるこのオペラ、すごいと思うんだよな。全曲版スコア買ったらランク・インか。
ほかに「無伴奏ヴィオラ・ソナタ」の気持ちいい微分音とか、好きな曲いっぱいであります。





◆笹崎の歴史2−69(2006/12/24)◆

♪第69話

♪Liszt, Franz  (1811〜1886 ハンガリー)


♪独断で決めつける有名な曲Best5
1. 愛の夢第3番         ★★★★★
2. ラ・カンパネラ        ★★★★
3. ハンガリー狂詩曲第2番    ★★★★
4. コンソレーション第3番    ★★★
5. 交響詩「前奏曲」       ★★★

(有名度 ★★★★★=誰もが知っているはず ★★★★=メジャー曲 ★★★=準メジャー曲 ★★=知っているとちょっと誇れる ★=知っているとマニア扱いされる)


子供の頃、「愛の夢第3番」と「コンソレーション第3番」は、ピアノ名曲集のレコードに入っていたのでよく聴いていました。逆にこれ以外は接点なし。まあ、そんなもんだよね。でもオクターブが届かなかったため、あまり弾くことはせず。同じく小学生の頃だったか、「リストのラ・カンパネラ、弾ける? 」ってよく聴かれましたが、曲を知りませんでした。もっとも今でも弾けませんが。手が小さい人にはめちゃくちゃ不利だということを言い訳にしておきますか。

高校生になってから、カラヤン指揮の名曲集の中にLiszt作品が2曲入っているものを購入。ここでようやく「交響詩『前奏曲』」と「ハンガリー狂詩曲第2番」を知ります。ええ、けっこう好きでした。とくに「交響詩『前奏曲』」。かっこいいと思いました。

「交響詩『前奏曲』」がかっこいいのだから、ほかの交響詩もかっこいいに違いない。ということで、上野文化会館で交響詩全曲を聴きまくり。「うーん、かっこいいんだけど、もう1つ何か決定的なものがほしいよな」というのが当時の感想。それと、最後の交響詩(「ゆりかごから墓場まで」)がやたらシュールで、「どうしてしまったのだろう」と思ったのを覚えています。

ピアノ曲はどうだったのかな。あんまり記憶がありません。譜面をだんだん揃えていっただけのような。それもどちらかというと編曲集の方が気に入っていたかも。Wagnerの「タンホイザー序曲」ピアノ版とか、Rossini「ウィリアム=テル序曲」ピアノ版とかね。弾いていると、がんがんにピアノが鳴るので気持ちいいのですな。これぞブラヴーラ。いい響きだね、ブラヴーラ。なぜか狸の置物を想像するぞ、ブラヴーラ。

さて、楽曲形式に興味を持った大学時代、ようやく「ピアノ・ソナタ」が好きになります。この時代にこれだけの形式拡大をやってのけたLisztは、作曲面でも高い才能を持っていたのだ、ということにようやく気付きます。で、一生懸命ピアノで練習したんですけどね。やっぱり難しいよ。90%の部分はさほど難しくはないんだけどね。残り10%がまったく歯が立たない。うう、くやしい。その後は、ピアノ技巧をひけらかす曲ではなくて、どちらかというと内省的な曲を好んで聴いたり弾いたりしていったように思います。「巡礼の年」とか「詩的で宗教的な調べ」とかね。Lisztは手が小さい人にはめちゃくちゃ不利だということを言い訳にしておきますか。

社会人になって何年目だったか、HyperionのLisztピアノ曲全集の出現にはたまげました。新しい巻のCDが出るたびに揃えてやると息巻いたのですが、半分強を揃えた段階で気力面でも金銭面でも疲労。後発のNAXOSで揃えればよかったか・・・

今ではLisztはほとんど進んで聴いたり弾いたりしないですね。晩年の調性感が希薄になった一見とっつきにくいピアノ作品をたまに弾いたり、思い出したように「巡礼の年」や「ピアノ・ソナタ」にチャレンジしてやっぱり挫折したり。指も追いつかないし、体力も持ちませぬ。若者向けなんでしょうか、Liszt。



笹崎の好きな曲Best5

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1.ピアノ・ソナタ これはダントツで完成度の高い曲ではないかと。弾けないけど
2.巡礼の年 「ダンテを読んで」など好きです。弾けないけど
3.パガニーニによる大練習曲 「ラ・カンパネラ」を含む名曲。弾けないけど
4.村の居酒屋の踊り メフィスト・ワルツ第1番というやつです。弾けないけど
5.ファウスト交響曲 管弦楽作品ではこれが一番かな。あまり人気ないのでしょうか
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晩年の作は、抽象度が増して、別人のような世界が広がっているんですよね。一方、宗教的声楽作品やオルガン曲なども多いのです。最近はここらへんの世界にちょっと興味が出てきています。
あと、ひそかに歌曲がよいです。

次回は、LutoslawskiとMahlerを予定。



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★         今月の新・迷曲         ★
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★      G線上のメリー・クリスマス      ★
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ひそかに難しいのでわ。最低音を考えると、たぶん変ロ長調かな。
子供の発表会で、ちょうちょをG線1本で弾いてるのを聴いたこともあるんだよね。
「G線上のちょうちょ」。

では、また。

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